- 成分表示の名前
- クエン酸、クエン酸Na
- 入っている理由
- 化粧品のpHを肌に近い弱酸性に整えるため(pH調整剤)
- 安全性のめやす
- アメリカの専門家委員会は今の使い方と濃度なら安全と結論づけており、日本の化粧品基準にも配合量の決まりはありません
この記事でわかること
- クエン酸とクエン酸Naの役目のちがい
- 成分表で後ろのほうに出る理由
- 評価機関が出している安全性の結論
成分表にクエン酸を見つけると、レモンの酸のようなものが肌にしみないか、ちょっと気になりますよね。
結論から言うと、クエン酸とクエン酸Naは、化粧品のpHを整えるためにごく少しだけ入っている成分で、今の使い方なら安全とされています。レモンなどに含まれる酸で、食品では酸味料としても使われています。
クエン酸は、化粧品のpHを弱酸性に整えるために入っている
クエン酸とクエン酸Naは、2つを組み合わせて、化粧品のpHを肌に近い弱酸性のあたりに保ちます。化粧品は、pHがずれると使い心地や保存性が変わってしまうからです。
クエン酸は、水に溶けると酸性になる成分です。クエン酸Naは、クエン酸にナトリウムがついた塩で、酸性をやわらげる側に働きます。さらに、金属をつかまえて、変色やにごりを防ぐ働き(キレート)もあります。
2つを組み合わせて、化粧品のpHを弱酸性のあたりに保ちます。
酸性にする
酸性を弱める
肌に近いpH
クエン酸は、製品の状態を保つための裏方の成分です。
水を含む製品の多くに、ごく少しだけ入っている
クエン酸は、化粧水、乳液、シャンプー、洗顔料など、水を含む製品の多くに入っています。洗い流すものにも、つけたままのものにも使われます。
pHを整える量はごく少ないので、成分表では後ろのほうに出ます。1%以下の成分は順番を入れかえてよい決まりなので、並びから量はわかりません。くわしくは成分表の見方の記事へ。
今の使い方と濃度なら、安全とされている
アメリカの化粧品成分の専門家委員会は、クエン酸とクエン酸Naを含む仲間について、今の使い方と濃度であれば安全と結論づけています。日本の化粧品基準にも、配合量の決まりはありません。
クエン酸はフルーツ酸(AHA)の仲間でもあります。角質をはがす目的で高い濃さを使う話は別で、pHを整える少ない量には当てはまらないとされています。肌が弱酸性の理由は皮脂とpHの記事へ。
まとめ
- クエン酸とクエン酸Naは、化粧品のpHを整えるための成分
- 水を含む製品の多くに入り、量はごく少ない
- アメリカの専門家委員会は今の使い方なら安全と結論
成分表の後ろのほうにあるのは、量が少ないからです。
よくある質問
クエン酸とクエン酸Naは、何がちがうのですか?
クエン酸は酸性にする側、クエン酸Naは酸性をやわらげる側の成分です。2つを組み合わせて、化粧品のpHを肌に近い弱酸性のあたりに保ちます。
クエン酸はフルーツ酸(AHA)だから、肌に強いのですか?
pHを整える目的の量では、当てはまらないとされています。角質をはがす目的で高い濃さを使う話とは別で、アメリカの専門家委員会も今の使い方と濃度なら安全と結論づけています。
クエン酸が成分表のいちばん後ろにあるのはなぜですか?
pHを整える量がごく少ないためです。1%以下の成分は順番を入れかえてよい決まりなので、並びだけでは正確な量はわかりません。
この記事で参照した情報
- 米国CIR「Final Report on the Safety Assessment of Citric Acid, Inorganic Citrate Salts, and Alkyl Citrate Esters as Used in Cosmetics」(2012年3月27日)
- Fiume MM, et al. Safety Assessment of Citric Acid, Inorganic Citrate Salts, and Alkyl Citrate Esters as Used in Cosmetics. Int J Toxicol 2014;33(Suppl 2):16S-46S
- 米国FDA「Alpha Hydroxy Acids」
- 厚生労働省「化粧品基準」(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)
- 厚生省「化粧品の全成分表示の表示方法等について」(平成13年3月6日 医薬監麻発第220号・医薬審発第163号)
- 厚生省「食品衛生法に基づく添加物の表示等について」(平成8年5月23日 衛化第56号)別紙4 一括名(酸味料・pH調整剤)
- 欧州 CosIng「CITRIC ACID」(機能: Buffering, Chelating, Fragrance)