- 成分表示の名前
- ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
- 入っている理由
- 紫外線のA波を吸収して肌に届くのを防ぐため
- 安全性のめやす
- 日本でも欧州でも10%までなら化粧品に使えるとされ、唇など粘膜に使う製品には配合できません
この記事でわかること
- この成分がA波を吸収するしくみ
- 日本の上限10%と唇用に使えない決まり
- 「危険」と言われた話の中身
日焼け止めの成分表示でこの長い名前を見ると、何をする成分なのか、「危険」という話は本当なのか、気になりますよね。
結論から言うと、この成分は紫外線のA波を吸収して、肌に届くのを防ぐ日焼け止めの成分です。「危険」と言われたのは原料に混じる別の物質の話です。
この成分は、紫外線のA波を吸収する日焼け止めの成分
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルは、A波を吸収する紫外線吸収剤です。A波は地表に多く届き、肌に当たると数分で肌が黒くなるからです。
この成分は、枠で囲んだ「肌に届く」ところの手前で、A波を吸収します。
A波を浴びる
肌に届く
肌が黒くなる
この成分は、A波が肌に届く手前で吸収します。油になじみやすく、光に当たっても分解しにくい性質があります。
だから、A波による日焼けを防ぎたいときに向く成分です。
A波の長い側を受け持つので、ほかの成分と組み合わせる
この成分が受け持つのは、A波のなかでも波長の長い側です。吸収がいちばん強いのは、356ナノメートル付近です。
B波はほとんど受け持たないので、日焼け止めでは、ほかの吸収剤や、酸化チタンなどの粉と組み合わせて防ぎます。
1つで全部を防ぐのではなく、組み合わせの中の一員と考えましょう。
日本では10%まで使えて、唇用の化粧品には入らない
日本では、100gあたり10.0g、つまり10%まで使えます。2005年の化粧品基準の改正で、紫外線吸収剤として配合できるようになった成分だからです。区分は化粧品で、唇など粘膜に使う化粧品には入れられません。
「危険」と言われたのは、原料に混じることがある不純物の話です。欧州の科学委員会も、不純物の量にめやすを示したうえで、成分を10%まで使ったときの安全性の結論は変えていません。くわしくはこの成分の記事へ。
まとめ
- A波のうち波長の長い側を吸収する紫外線吸収剤
- 日本での上限は10%で、唇用には使えない
- B波はほかの成分と組み合わせて防ぐ
「危険」と言われたのは原料に混じる別の物質の話で、成分そのものの評価は変わっていません。
よくある質問
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルは危険ですか?
「危険」の話は、原料に混じる不純物のことです。欧州の科学委員会の助言も不純物の評価で、成分を10%まで使ったときの安全性の結論は変えていません。
アメリカでは禁止されている成分ですか?
禁止ではありません。アメリカでは日焼け止めは市販薬の扱いで、この成分は有効成分のリストと、追加を求める手続きに入っていないだけです。
リップクリームに入っていないのはなぜですか?
日本では、唇など粘膜に使う化粧品に配合できないからです。日本の化粧品基準に沿ってつくられたリップ用の製品には入りません。
この記事で参照した情報
- 厚生労働省医薬食品局長通知「化粧品基準の一部を改正する件について」(平成17年10月18日 薬食発第1018006号)
- 厚生労働省「化粧品基準」(平成12年厚生省告示第331号)別表第4
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
- SCCS. Scientific Advice on the safety of Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate (DHHB) - S83 (SCCS/1678/25, 2025年6月26日)
- eCFR 21 CFR 352.10 Sunscreen active ingredients
- FDA. Rulemaking History for OTC Time and Extent Applications
- BASF. Uvinul A Plus Granular 技術資料 (Revision 1.0, 2018)