使い方と選び方ルール解説

化粧品の使用期限を解説!書いていない理由「3年ルール」とは?

あるコスメオタク・2026.09.22・更新 2026.10.21・選び方ガイド

食品には賞味期限が書いてあるのに、化粧品のパッケージには使用期限が見当たらず、いつまで使っていいのか迷いますよね。

結論から言うと、使用期限が書いていない化粧品は、開けていなければ少なくとも3年もつように作られています。3年を超えて品質が変わらない化粧品は、期限を書かなくてよいと決まっているからです。開けたあとは、期間の数字よりも、においや見た目で確かめるのが確実です。まずは、期限を書く決まりから見ていきましょう。

使用期限は、3年もたない化粧品にだけ書く決まり

化粧品の使用期限は、国が指定したものにだけ書く決まりです。書かなくてよい化粧品のほうが多いので、期限が見当たらないのはふつうのことです。

薬機法第61条第5号は、容器に書くことのひとつとして、厚生労働大臣が指定する化粧品の使用の期限を挙げています。その中身を決めているのが、昭和55年の厚生省告示第166号です。全成分表示と同じく、法律と告示の2段構えになっています。

この告示は、製造や輸入のあと適切な条件で保存すれば3年を超えて性質や品質が安定しているものを、対象から外しています。書き方は月単位まででよく、日付までは求められていません。医薬部外品にも、薬機法第59条第10号に同じ規定があります。

期限が書いていないのは手抜きではなく、3年はもつので書かなくていいという意味です。

期限が書いてあるのは、3年以内に品質が変わるおそれがあるから

使用期限が書いてある化粧品は、3年以内に品質が変わるおそれがある製品です。告示が化粧品で期限を書く対象にしているのは、次の2つだからです。

アスコルビン酸とはビタミンCのことです。ビタミンCは変わりやすい成分の代表で、40年以上前の告示にそのまま名前が書かれています。ビタミンC配合の美容液に使用期限が書かれていることが多いのは、このルールどおりに書いているからです。

逆に、期限が書いていない製品は、高温や直射日光、湿気の多い場所、温度変化の激しい場所を避けて保管すれば、製造から少なくとも3年は品質を保つように作られています。業界の自主ルールである公正競争規約にも同じ規定があり、表示は月単位までとされています。

期限の表示は、あれば「3年もたない」、なければ「3年はもつ」のしるしと読めば大丈夫です。

「開封後◯か月」は、EUの制度にある考え方

「化粧水は開封後3か月」といった数字をよく見かけるので、日本にも決まりがあると思いますよね。でも、開けたあとの期間を決めた公的な決まりは、日本にはありません。日本の法律が決めているのは、3年もたないものに使用期限を書くことだけで、容器に書くことの中に「開封後」の期間は入っていないからです。

開けたあとの期間を書く決まりがあるのは、EUの化粧品規則です。第19条で、使える期間が30か月以下の製品には期限を書くよう求め、30か月を超える製品には、期限のかわりに、開けてから安全に使える期間を書くよう定めています。この期間は、ふたの開いた容器のマークに「12M」などの月数を添えて示されます。

日本の「3年」とEUの「30か月」は、一定の期間もつものには期限の表示を求めない、という同じ考え方です。違うのは、EUが開けたあとの期間まで決めている点です。

日本で見かける「開封後◯か月」は、EUの制度にならったものか、各社が示している目安と考えておきましょう。

開けたあとは、期間より、におい・分離・色で見る

開けた化粧品は、何か月という数字より、においや見た目で判断します。開けたあとに使える期間は、中身のタイプや保管のしかたによって変わるからです。

ふたを開けると、中身が空気にふれたり、使うときに手についた雑菌が入ったりします。そこに光や熱、湿気が重なると、中身は少しずつ変わっていきます。

開けた化粧品が少しずつ変わっていく流れです。

ふたを
開ける
空気や
雑菌が入る
光・熱・
湿気
においや
色が変わる

そのため、日本の化粧品の業界団体やメーカーは、いったん開けた化粧品は早めに使いきるよう呼びかけています。確かめるのは、変なにおいがしないか、分離していないか、色が変わっていないかの3つです。どれかに当てはまったら、使うのをやめましょう。

開けたら早めに使いきり、においと見た目で確かめる、と覚えておけば十分です。

置き場所は、湿気・日光・温度変化の少ないところ

化粧品は、湿気・日光・温度変化を避けて置くのがいちばんです。「3年もつ」という話には、必ず「適切な条件で保存すれば」という前提がつくからです。

品質を落とす原因のひとつが酸化劣化です。空気中の酸素とふれて起こる反応で、においや色、中身が変わってしまいます。酸化を進めるのは日光・温度・湿度で、とくに湿度が高く酸素があると、反応は一気に進みます。そのため、湿気の多い洗面所や浴室は、置き場所としてはあまり向きません。開けていなくても、高温や直射日光、湿気の多い場所、温度変化の激しい場所に置いていたものは、品質が落ちていることがあります。

冷蔵庫なら安心だと思うかもしれませんが、出し入れのたびの温度変化で品質が保てなくなるおそれがあるため、すすめられていません。

品質を保つための、置き方と使い方です。

口元を
ふく
ふたを
閉める
日陰に
置く
早めに
使いきる

使ったら容器の口元をきれいにふいて、キャップをきちんと閉める。そのうえで、温度変化が少なく直射日光の当たらない場所に置けば、品質を保ちやすくなります。

品質は、防腐剤の決まりとつくる側の試験で支えられている

化粧品の品質は、防腐剤の決まりと、つくる側の2つの試験で支えられています。法律が決めているのは期限の表示までで、品質そのものは別のしくみで守られているからです。

入口にあるのが、国が決めた化粧品基準です。化粧品に使える防腐剤は、その別表第3に載っているものに限られます。

そのうえで、つくる側が2つの試験をします。1つめの安定性試験は、温度や湿度、光などの影響で、品質が時間とともにどう変わるかを確かめる試験です。長期保存試験・加速試験・苛酷試験で、見た目・におい・性質・使い心地の変化を調べます。2つめの防腐効力試験は、使っている途中で微生物が入っても増えないかを確かめる試験で、製品に細菌・酵母・かびを加えて、菌の減り方を見ます。どちらも法律上の義務ではなく、医薬品のガイドラインなどにならって行う自主的な確認です。

防腐剤を入れずに化粧品をつくることもできますが、開けたあとに空気中や手についた雑菌が入るのは避けられず、それによる変質も避けられません。防腐剤が入っているのは、そのためです。

期限の書いていない化粧品の品質は、決まった防腐剤と2つの試験が裏で支えています。

まとめ

使用期限の欄が空白なのは、情報がないのではなく「3年はもつ」というしるしです。開けたあとは、数字を探すより、においと見た目で確かめてみてください。

よくある質問

化粧品に使用期限が書いていないのはなぜ?

3年を超えて品質が変わらない化粧品は、期限を書かなくてよいと決められているからです。書いていない化粧品は、未開封で適切に保管すれば、少なくとも3年もつように作られています。

使用期限が書いてある化粧品はどんなもの?

3年以内に品質が変わるおそれがある化粧品です。ビタミンC(アスコルビン酸)や酵素を含む化粧品などが対象で、年月まで書かれます。

開封後は何か月で使い切ればいい?

日本には、開けたあとの期間を決めた公的な決まりはありません。「開封後◯か月」はEUの制度にある考え方です。開けたら早めに使い切り、におい・分離・色の変化で判断します。

開けた化粧品が使えるかどうかは、どう見分ければいい?

変なにおいがしないか、分離していないか、色が変わっていないかの3つを確かめます。どれかに当てはまったら、使うのをやめましょう。

化粧品を冷蔵庫で保管してもいい?

すすめられていません。出し入れの温度変化で品質が保てなくなるおそれがあるためです。口元をふいてキャップを閉め、温度変化が少なく直射日光の当たらない場所に置きましょう。

この記事で参照した情報

あるコスメオタクの写真

この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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