この記事でわかること
- ハンドクリームを塗る3つのタイミング
- 手を洗うと乾きやすくなる理由
- 化粧品・薬用・医薬品の効能の範囲
ハンドクリームはこまめに塗るといいと聞くけれど、いつ塗れば手荒れを防げるのか迷いますよね。
結論から言うと、塗るのは「水仕事の前」「手を洗ったあと」「寝る前」の3つです。どれも、乾燥による手荒れを防ぐためのタイミングです。
1日の中でハンドクリームを塗る、3つのタイミングです。
前に塗る
ふいて塗る
たっぷり
3つとも、指先・指の間・手の甲まで、手全体に塗ります。
水仕事の前は、水をはじくタイプを塗っておく
水仕事の前は、水をはじくタイプのハンドクリームを塗っておきます。手が水や洗剤にふれにくくなるからです。
このタイプには、水をはじく油のシリコーン油が使われていて、キッチンクリームとも呼ばれます。ヨーロッパの手湿疹(手にできる湿疹)の診療指針でも、肌を守るクリームは作業の前に塗り、手を洗ったら塗り直すようすすめています。
ぬらす前に守っておく、と覚えておきましょう。
手を洗ったあとは、水気をふいてから塗り直す
手を洗ったあとは、水気をよくふき取ってから塗り直します。洗うたびに、手の表面の脂が落ちてしまうからです。
肌のいちばん外側の角層は、表面をおおう皮脂膜などでうるおいを守っています。ところが手のひらには、脂を出す皮脂腺がありません。落ちた脂を自分で足せないので、角層の水分が逃げて乾きやすくなります。ハンドクリームの油分は、表面に膜を作ってこの水分を逃がしにくくします。
ハンドクリームの油分が表面に膜を作り、角層の水分を逃がしにくくします。
日中は、べたつきの少ない軽いものでかまいません。洗ったら塗り直すのが基本です。
寝る前は、油分の多いものをたっぷり塗る
寝る前は、油分が多く、できれば香料の入っていないものを、手全体にたっぷり塗ります。同じ指針が、仕事のあとと寝る前を、特に塗りたいときに挙げているからです。
化粧品のハンドクリームで言えるのは「肌荒れを防ぐ」「皮膚の乾燥を防ぐ」までです。「ひび・あかぎれを防ぐ」は医薬部外品の薬用ハンドクリームの効能で、手荒れそのものが効能になるのは医薬品です。かゆみや水ぶくれが続く手湿疹は、皮膚科に相談しましょう。くわしくは手荒れの記事へ。
夜は油分の多いものでしっかり、と覚えておけば十分です。
まとめ
- 塗るのは水仕事の前・手を洗ったあと・寝る前の3つ
- 水仕事の前は、水をはじくタイプを塗っておく
- 手のひらには皮脂腺がなく、洗うと落ちた脂を自分で足せない
- 手を洗ったら、水気をふいてから塗り直す
- 寝る前は、油分の多いものを手全体にたっぷり
1日の流れの中で3つのタイミングを決めておくと、こまめに塗りやすくなります。
よくある質問
ハンドクリームはいつ塗るのがいいですか?
水仕事の前、手を洗ったあと、寝る前の3つが基本です。手を洗ったあとは、水気をよくふき取ってから塗ります。
手のひらが乾きやすいのはなぜですか?
手のひらには、脂を出す皮脂腺がないからです。洗うたびに落ちた脂を自分で足せないので、ハンドクリームで油分を補います。
手を洗うたびに塗り直したほうがいいですか?
塗り直すのがおすすめです。ヨーロッパの手湿疹の指針でも、手を洗ったら塗り直すようすすめられています。日中は、べたつきの少ない軽いものでかまいません。
寝る前にはどんなハンドクリームを塗ればいいですか?
油分が多く、できれば香料の入っていないものです。ヨーロッパの手湿疹の指針では、日中は軽いもの、寝る前は油分の多いものがすすめられています。
化粧品のハンドクリームで、ひび・あかぎれは防げますか?
化粧品で言えるのは、肌荒れや皮膚の乾燥を防ぐまでです。「ひび・あかぎれを防ぐ」は医薬部外品の薬用ハンドクリームの効能で、かゆみや水ぶくれが続くときは皮膚科に相談します。
この記事で参照した情報
- Thyssen JP, et al. Guidelines for diagnosis, prevention, and treatment of hand eczema. Contact Dermatitis 2022;86(5):357-378
- 日本臨床皮膚科医会「ひふの病気:手あれ(手湿疹)」
- 日本皮膚科学会・日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会「手湿疹診療ガイドライン」(日皮会誌128(3):367-386, 2018)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「かぶれ Q20」バリアクリーム・手袋などによる予防
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「ハンドクリーム」
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年 薬食発0721第1号)
- 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号) 別掲「薬用化粧品の効能・効果の範囲」
- Makrantonaki E, Ganceviciene R, Zouboulis C. An update on the role of the sebaceous gland in the pathogenesis of acne. Dermatoendocrinol 2011;3(1):41-49