使い方と選び方ルール解説

メンズスキンケアのルールを解説!「カミソリ負けを防ぐ」と書けない理由とは?

あるコスメオタク・2026.09.22・更新 2026.10.21・選び方ガイド
肌の悩みテカリ・皮脂肌タイプ脂性肌

男性の肌の手入れは女性と何が違うのか、何から始めればいいのか、迷いますよね。

結論から言うと、男性だけの特別な手入れは意外と少なく、違いが大きいのはひげそりとむだ毛の処理です。かみそりまけを防ぎたいなら、「カミソリまけを防ぐ」とうたえる「薬用」のものが目安になります。まずは、ひげそりの化粧品から見ていきましょう。

ひげそりの化粧品は、そる前用とそった後用の2つ

ひげそりの化粧品は、そる前にそりやすくするものと、そった後の肌を整えるものの2つに分かれます。ひげそりでは、かみそりの刃が肌の上を通るので、そる前とそった後でそれぞれ肌を守る必要があるからです。

ひげそりの化粧品は、そる前に使うものと、そった後に使うものに分かれます。

そる前は
クリーム
かみそりで
そる
そった後は
ローション

そる前用の代表はシェービングクリームです。ひげをふくらませてやわらかくし、そりやすくします。主な成分は脂肪酸石けんで、肌のうるおいのために保湿剤や油分も入っています。ジェルタイプは、中に入っている水に溶ける高分子や多価アルコールがかみそりの刃を軽くすべらせるので、ひげがそりやすく、肌あれや切り傷を減らせるつくりです。

そった後に使うアフターシェービングローションは、ひげそりでできた小さな切り傷や肌あれに配慮し、すっとした清涼感やさっぱり感を与えるものです。道具は電気かみそりがよく使われていますが、安全かみそりを使う人も多く、それぞれに合わせた製品があります。

なお、表示の決まりでは、ひげそり用とむだ毛そり用は同じ種類の名前で、男性用と女性用には分かれていません。そる前はクリーム、そった後はローションと覚えておけば十分です。

かみそりまけを防ぐなら「薬用」を選ぶ

かみそりまけしやすくて、何を選べばいいか悩む人は多いと思います。かみそりまけを防ぎたいなら、「カミソリまけを防ぐ」とうたえる薬用のもの、つまり医薬部外品を選びましょう。この効能は、ふつうの化粧品ではうたえないからです。

かみそりまけは、顔やわきなどのむだ毛をかみそりで処理するときに起きる、肌の炎症です。軽ければ自然におさまりますが、ひどくなると刺激を受けやすくなり、おさまりにくくなります。

ふつうの化粧品で言えるのは「ひげを剃りやすくする」「ひげそり後の肌を整える」までです。医薬部外品では、「肌あれ」「あれ性」「にきびを防ぐ」などと並んで「カミソリまけを防ぐ」の効能が認められていて、厚生労働省の通知でも、薬用化粧品の種類として「ひげそり用剤」が挙げられています。

また、全身に炎症をくり返すベーチェット病の人はかみそりまけが起こりやすく、その兆しのひとつとして重視されています。ひどいかみそりまけがくり返すときは、肌質のせいと決めつけず、皮膚科に相談しましょう。

皮脂の量は、性別より人と部位で違う

男性だから脂っぽい、と思いますよね。でも、皮脂の量は、性別だけでなく、年齢や部位、そして人によって大きく違います。

部位による差は数字にも表れています。皮脂を出す脂腺の数は、ふつうの皮膚では1平方センチあたり100個以下なのに対し、皮脂の多い場所では400〜900個と多く、脂腺そのものも大きくなっています。

「男性だから」と決めつけず、自分の皮脂が出やすい場所を見て手入れを選ぶのが確実です。

薬用の除毛剤は「除毛」まで。毛を生えなくする脱毛は医師の行為

薬用の除毛剤でできるのは、生えている毛を取り除く「除毛」までで、毛を生えなくする脱毛は医師の行為なので、エステではできません。法律の上で、除毛と脱毛ははっきり分けられているからです。

薬や化粧品の法律である薬機法は、医薬部外品の目的のひとつに「脱毛の防止、育毛又は除毛」を挙げていて、ここでの「脱毛」は、抜けるのを防ぐという意味です。医薬部外品の除毛剤に認められている効能効果は「除毛」だけで、形は原則として軟膏、育毛剤は原則として液体とされています。

一方、厚生労働省の通知は、医師でなければ行えない行為として、レーザーなどの強い光を毛根に当てて、毛乳頭や皮脂腺の開口部などを壊す行為を挙げています。別の通知でも、レーザー脱毛は仕事として行えば医業にあたると回答されています。国民生活センターも、医療機関ではレーザーなどで毛の発生源を壊す脱毛を受けられる一方で、エステでは医行為にあたらない範囲の施術しかできない、としています。

自分で処理するなら除毛、毛を生えなくしたいなら医療機関、と分けて考えましょう。

脱毛エステの契約は、8日以内ならクーリング・オフできる

脱毛エステを契約してしまっても、特定商取引法で決められた契約書面を受け取った日から数えて8日以内なら、クーリング・オフができます。男性の脱毛エステのトラブルの相談も増えているので、知っておくと安心です。

国民生活センターによると、男性からの脱毛エステの相談も増えています。10〜20歳代の平均の契約金額は、女性が約34万円なのに対し、男性は約52万円でした。広告に月額約1,000円の脱毛と出ていたのに、店に行くと約50万円のコースをすすめられ、分割手数料を含めて総額約60万円になった、という相談もあります。

体への被害の相談もあります。脱毛の施術で危害を受けたという相談は964件あり、内訳はエステティックサロンが680件、医療機関が284件でした。

広告の値段だけで決めず、その場で契約しない、困ったら8日以内と覚えておきましょう。

男性型の薄毛は、毛の根元でホルモンが変えられて起きる

男性型の薄毛は、男性ホルモンが多いからではなく、毛の根元でホルモンが変えられるしくみで起こります。原因は、ホルモンの量ではなく、毛の根元での変わり方と働き方にあるからです。

毛の根元にある毛乳頭という細胞のかたまりは、男性ホルモンを受け取ると、5アルファ還元酵素という酵素の働きで、毛を細く小さくする作用の強い「活性型」の男性ホルモンに変えます。すると、ふつうは数年続くはずの毛が伸びる時期が極端に短くなり、毛が十分に育たないまま、短く細い毛に変わっていきます。

男性型の薄毛は、毛の根元でホルモンが活性型に変えられることから始まります。

男性
ホルモン
根元で
活性型に
伸びる
時期が短く
細く短い
毛になる

日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、治療法ごとに勧める度合いが付けられています。行うよう強く勧められるのは、男性型に対するフィナステリドやデュタステリドの飲み薬と、ミノキシジルの塗り薬です。行うよう勧められるのは、男性型に対する自分の毛の植毛、LEDや弱いレーザーを当てる方法、男性型に対するアデノシンの塗り薬で、人工の毛の植毛とミノキシジルの飲み薬は、行うべきではないとされています。ミノキシジルは、塗ると強く勧められ、飲むと勧められないという、使い方しだいで正反対の評価です。

医薬部外品の育毛剤で認められている効能効果は、育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛の範囲です。薄毛が気になったら、まず皮膚科で相談すると、自分に合った方法を選びやすくなります。

まとめ

男性向けだから特別、という手入れは多くありません。ただしひげそりと脱毛には、知っておくと役立つはっきりしたルールがあります。

よくある質問

カミソリ負けを防ぐにはどんな製品を選べばいい?

「カミソリまけを防ぐ」とうたえる薬用、つまり医薬部外品のものが目安です。一般の化粧品で言えるのは「ひげを剃りやすくする」「ひげそり後の肌を整える」までです。

シェービングクリームとアフターシェーブローションの違いは?

使うタイミングが違います。シェービングクリームはそる前にひげをふくらませてやわらかくし、そりやすくするもの。アフターシェービングローションはそった後に使い、清涼感やさっぱり感を与えるものです。

男性は女性より皮脂が多い?

性別だけでは決まりません。皮脂の量は人によって大きく違い、年齢や部位でも変わります。自分の皮脂が出やすい場所を見て、手入れを選ぶのが確実です。

除毛と脱毛は何が違う?

薬用の除毛剤でできるのは、生えている毛を取り除く「除毛」までです。レーザーなどで毛乳頭などを壊す脱毛は医師が行う行為で、エステではできません。

脱毛エステの契約はクーリング・オフできる?

特定商取引法で決められた契約書面を受け取った日から数えて8日以内なら、クーリング・オフができます。男性からの脱毛エステの相談も増えています。

この記事で参照した情報

あるコスメオタクの写真

この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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