- 成分表示の名前
- PCA-Na
- 入っている理由
- 水を引き寄せて角層にうるおいを与え、乾燥を防ぐため
- 安全性のめやす
- 今の使い方と濃度で安全と評価されていますが、N-ニトロソ化合物ができうる製品には使わない条件つきです
この記事でわかること
- PCA-Naがどんな保湿成分か
- PCA-Naが乾燥肌に向く理由
- 酸の形と塩の形での水の吸い方の差
化粧水の成分表で見かけるPCA-Na。名前だけでは何の成分なのかわからず、気になりますよね。
結論から言うと、PCA-Naの効果は、水を引き寄せて、肌にうるおいを与えることです。もとのPCAは、肌にもともとあるうるおいのもとの仲間です。
PCA-Naは、水を引き寄せる保湿剤
PCA-Naは、化粧品では水を引き寄せる保湿剤として使われます。正式にはピロリドンカルボン酸ナトリウムという成分です。
化粧品として言えるのは、角層にうるおいを与え、乾燥を防ぐところまでです。角層は、肌のいちばん外側の層です。
乾燥に向くのは、PCAが角層の天然保湿因子だから
PCA-Naが乾燥に向くのは、もとのPCAが角層の天然保湿因子の1つだからです。天然保湿因子は、角層の細胞の中で水を抱える、小さな分子の集まりです。
角層では、フィラグリンというたんぱく質が分解されてアミノ酸になり、そのひとつのグルタミンからPCAが生まれます。天然保湿因子は、湿度が低くても角層の水分を保つ役目をになうと考えられています。乾燥は、角層から水分が逃げて、うるおいが足りなくなることで起きます。
PCA-Naは水を引き寄せて、角層にうるおいを与えます。
PCA-Naは、この天然保湿因子と同じ仲間として、水を引き寄せて角層にうるおいを与えます。
名前の「Na」は、水を吸いやすい塩の形の印
名前の最後の「Na」は、ナトリウムの塩であることを表しています。塩の形にすると、水の吸い方が大きく変わるからです。
酸の形のPCAは、水をほとんど吸いません。ナトリウムと組み合わせた塩にすると、とても水を吸いやすくなります。保湿剤として、塩の形が使われるのはこのためです。くわしくはPCA-Naの記事へ。
まとめ
- PCA-Naは、水を引き寄せる保湿剤です
- もとのPCAは、角層にある天然保湿因子の1つです
- ナトリウムの塩にすると、水をとても吸いやすくなります
海外の専門家の評価では、今の使い方なら化粧品として安全とされています。
よくある質問
PCA-Naとはどんな成分ですか?
ピロリドンカルボン酸のナトリウム塩で、保湿剤です。もとになるPCAは、角層にもともとある天然保湿因子の成分のひとつです。
PCAとPCA-Naの違いは何ですか?
酸の形か、ナトリウムの塩かのちがいです。PCAそのものは水をほとんど吸わず、ナトリウム塩はとても水を吸いやすい性質です。
PCA-Naは肌に安全ですか?
今の使い方と濃度なら、化粧品として安全と評価されています。アメリカの化粧品成分の専門家パネルが結論づけたもので、N-ニトロソ化合物ができうる製品には使わないという条件が添えられています。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「天然保湿因子」
- Sandilands A, et al. Filaggrin in the frontline: role in skin barrier function and disease. J Cell Sci 2009;122(9):1285-1294(著者版)
- Cosmetic Ingredient Review. Final Safety Assessment for PCA and Sodium PCA. Int J Toxicol 1999;18(2_suppl)
- Fiume MM, et al. Safety Assessment of PCA (2-Pyrrolidone-5-Carboxylic Acid) and Its Salts as Used in Cosmetics. Int J Toxicol 2019;38(2_suppl):5S-11S
- 日本化粧品工業会「保湿とエモリエント」