この記事でわかること
- バリア機能が弱まるおもな原因
- セラミドとワセリンの役目
- 化粧品でバリアについて言えること
乾燥や肌あれが続くと、「バリア機能が弱まっているのかも」と気になりますよね。
結論から言うと、バリア機能が弱まるおもな原因は、乾いた空気や低い気温、強い洗浄のくり返しです。化粧品でできるのは、セラミドやワセリンで角層のうるおいを保つことです。バリア機能とは、外からの刺激を入れず、内側の水分を逃がさない働きのことです。
弱まる原因は、乾いた空気や強い洗浄のくり返し
バリア機能を弱めるものとして、乾いた空気や低い気温、強い洗浄のくり返しが報告されています。どれも、バリアの主役である角層のうるおいを減らす方向に働くからです。
角層は、肌のいちばん外側のうすい層です。細胞のすき間を、セラミドなどの脂質が埋めていて、細胞間脂質の約50%はセラミドです。このすき間の脂が減ると、水分が逃げやすくなります。冬には、角層の脂質が減っていたという結果もあります。
角層のすき間の脂が減ると、水分が逃げて、肌があれやすくなります。
強い洗浄
脂が減る
逃げる
肌あれ
年齢や、アトピー性皮膚炎も関わります。アトピー性皮膚炎は、皮膚科で治療する病気です。うるおった肌は、バリアがよく働く肌とほぼ同じ状態、と覚えておきましょう。
セラミドはすき間を埋め、ワセリンはふたをする
バリアのために選ぶなら、すき間を埋めるセラミドと、ふたをするワセリンが代表です。どちらも、角層から水分が逃げるのを防ぐ側に働くからです。
セラミドは、角層のすき間を埋める脂質の材料です。水となじむ部分をもち、水と交互に重なる層をつくります。ワセリンは、肌の表面にふたをする性質の成分です。傷ついたバリアにワセリンを塗ると、もとの状態に戻るのが早まったという結果があります。
ただし化粧品として言えるのは、うるおいを与える・乾燥を防ぐ・保護するまでです。赤みやかゆみが続くなら、皮膚科で相談しましょう。
強い洗浄をくり返すと、逃げる水分が約2倍になった
強い洗浄は、バリアを弱める原因の1つです。洗浄成分が、角層のうるおいまで洗い流してしまうからです。
強い洗浄成分をくり返し肌に当てると、肌から逃げる水分の量が約2倍になったという結果があります。
洗いすぎをくり返さないことが、バリアを守る近道です。くわしくは肌のバリア機能の記事へ。
まとめ
- バリアは「入れない・逃がさない」の両方の働きです
- 乾いた空気や強い洗浄のくり返しで弱まることがあります
- 化粧品でできるのは、セラミドやワセリンで角層のうるおいを保つことです
やさしく洗って、うるおいを保つことが毎日の土台です。
よくある質問
肌のバリア機能とは何ですか?
角層が、外からの刺激を入れず、内側の水分を逃がさない働きです。うるおった肌は、バリアがよく働く肌とほぼ同じ状態です。
バリア機能が弱まる原因は何ですか?
乾いた空気や低い気温、強い洗浄のくり返しが報告されています。年齢やアトピー性皮膚炎も関わります。
化粧品でバリア機能はどこまでケアできますか?
化粧品として言えるのは、うるおいを与える、乾燥を防ぐ、保護するまでです。赤みやかゆみが続くなら皮膚科で相談しましょう。
この記事で参照した情報
- 国立健康・栄養研究所「セラミド(N-アシルスフィンゴシン)」素材情報
- 花王 スキンケアナビ「表皮の構造と働き」
- 花王 スキンケアナビ「角層の細胞間脂質」
- Engebretsen KA ほか「環境の湿度と気温が皮膚のバリア機能と皮膚炎に与える影響」J Eur Acad Dermatol Venereol 2016
- Rogers J ほか「角層の脂質:加齢と季節の影響」Arch Dermatol Res 1996
- Vater C ほか「リン脂質系界面活性剤とラウリル硫酸ナトリウムのくり返しの接触による皮膚バリア機能の変化」Pharmaceutics 2021
- Ghadially R ほか「ワセリンが角層の構造と機能に与える影響」J Am Acad Dermatol 1992
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年 薬食発0721第1号)