- 成分表示の名前
- ワセリン
- 入っている理由
- 肌の表面をおおって水分が逃げるのを防ぐため
- 安全性のめやす
- かぶれはきわめてまれですがゼロではなく、赤みやかゆみが出たら使うのをやめるとされています
この記事でわかること
- ワセリンが乾燥を防ぐしくみ
- 水分を抱えこむ保湿剤との違い
- 化粧品と医薬品で言える効能の違い
乾燥にはワセリンがいいと聞くけれど、べたっとした油を塗って本当にうるおうのか、ちょっと不思議に思いますよね。
結論から言うと、ワセリンの効果は、肌の表面をおおって、中の水分が逃げるのを防ぐことです。刺激がほとんどなく、病院の塗り薬の土台にも使われます。
ワセリンは、水分を逃がさないための油
ワセリンは、自分で水を抱えこむのではなく、肌をおおって水分を逃がさない油です。
石油からとれる油を精製した、やわらかい固まりです。皮膚科の手引きでは、保湿剤を、水分を抱えこむものと、油の膜で蒸発を防ぐものの2つに分けています。ワセリンは、油の膜で防ぐほうの代表です。
つまり、与えるのではなく、逃がさない役です。
乾燥に向くのは、水分の出口を膜でふさぐから
ワセリンが乾燥に向くのは、角層から水分が逃げる出口を、油の膜でふさぐからです。
肌のいちばん外側の角層は、表面をおおう皮脂膜などでうるおいを守っています。皮脂が足りないと、角層の水分が外へ逃げて、肌が乾きます。ワセリンはこの上に膜をつくり、水分を逃がしにくくします。
ワセリンは角層の上に油の膜をつくり、水分が蒸発するのを防ぎます。
刺激がほとんどなく、保湿の効果が長続きするとされています。ただ、水分そのものを増やす力は、水分を抱えこむ保湿剤のほうが強いとされています。
乾いた肌にふたをする油、と考えるとわかりやすいです。
化粧品として言えるのは「皮膚の乾燥を防ぐ」まで
ワセリン入りの化粧品で言えるのは、保湿の範囲までです。
たとえば「皮膚の乾燥を防ぐ」「皮膚の水分、油分を補い保つ」です。ひびやあかぎれへの効能は、薬局で買える医薬品の白色ワセリンだけのもので、化粧品では言えません。くわしくはワセリンの記事で解説しています。
化粧品のワセリンは、乾燥を防ぐための油として使いましょう。
まとめ
- ワセリンは、肌をおおって水分が逃げるのを防ぐ油
- 水分を抱えこむのではなく、逃がさないタイプの保湿剤
- 刺激がほとんどなく、保湿の効果が長続きする
- 水分そのものを増やす力は、水分を抱えこむ保湿剤のほうが強い
- 化粧品として言えるのは「皮膚の乾燥を防ぐ」などの範囲
赤みやかゆみが出たら、使うのをやめて相談しましょう。
よくある質問
ワセリンを塗って日に当たるとシミになりますか?
心配しすぎなくて大丈夫です。ワセリンを塗ったほうが、紫外線で肌が赤くなりにくくなったという結果があります。ただし日焼け止めではないので、紫外線対策は日焼け止めに任せましょう。
ワセリンでかぶれることはありますか?
きわめてまれですが、ゼロではありません。パッチテストで陽性になったのは0.03%でした。赤みやかゆみが出たら、使うのをやめて相談しましょう。
白色ワセリンとプロペトの違いは何ですか?
違いは精製の度合いです。プロペトは白色ワセリンの規格に入る医薬品で、刺激のもとになるものをほとんど含まないとされています。
この記事で参照した情報
- 日本皮膚科学会「皮脂欠乏症診療の手引き2021」(日皮会誌131(10):2255-2270)
- アレルギーポータル(日本アレルギー学会)「アトピー性皮膚炎とは」
- Purnamawati S, et al. The Role of Moisturizers in Addressing Various Kinds of Dermatitis: A Review. Clin Med Res 2017;15(3-4):75-87
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- サイキョウ・ファーマ「日本薬局方白色ワセリン」(第3類医薬品、KEGG MEDICUS)
- 丸石製薬「プロペト 電子添文」(2023年12月改訂 第1版)
- Schnuch A, et al. White petrolatum (Ph. Eur.) is virtually non-sensitizing. Contact Dermatitis 2006;54(6):338-343
- Effects of topical petrolatum and salicylic acid on the erythemogenicity of UVB. Eur J Dermatol 2002;12(2):154-156