この記事でわかること
- 塗るものどうしを重ねてよいか
- 2つの成分の、しみへの役割の違い
- 飲む医薬品で気をつけること
しみが気になって、トラネキサム酸とビタミンCを両方使いたいけれど、一緒に使っていいのか、飲む薬と同じに考えていいのか迷いますよね。
結論から言うと、塗るものどうしなら、一緒に使ってはいけないという決まりはありません。しみのもとのメラニンに、違うところから働くので、役割を分けて使えます。飲むものは医薬品なので、添付文書と薬剤師で確かめます。
塗るものどうしは一緒に使える。飲むなら薬剤師に確かめる
塗るものどうしは重ねてよく、飲むものは薬剤師に確かめます。塗るものと飲むものでは、区分が違うからです。
トラネキサム酸もビタミンCも、医薬部外品の有効成分になる成分です。重ねて塗ってはいけない、時間をずらす、という国の決まりはありません。いっぽう飲むものは医薬品で、トラネキサム酸は「しみ(肝斑に限る)」の第1類、ビタミンCは色素沈着の「緩和」の第3類です。飲む量や期間、飲めない人が添付文書で決まっていて、皮膚科の肝斑の治療でも使われます。
塗るなら製品の使い方どおり、飲むなら自分で決めずに薬剤師に、と分けて考えましょう。
トラネキサム酸はメラニンを作る合図に、ビタミンCはできる途中と色に働く
2つはどちらもメラニンができるところに働きますが、働き方が違います。しみは、紫外線を浴びて作られたメラニンという色の粒が、まわりの細胞に渡されてたまってできます。
しみができるまでの流れで、2つの成分が働くのは枠で囲んだところです。
浴びる
できる
渡される
しみになる
トラネキサム酸は、メラニンを作る細胞への「作れ」という合図を抑える成分です。ビタミンC誘導体は、メラニンができる途中の反応を抑え、できたメラニンの色を淡い形に変えます。
2つは、メラニンに違うところから働きます。
作る合図に
途中と色に
しみ・そばかす
合図はトラネキサム酸、できる途中と色はビタミンC、と役割を分けて考えるとわかりやすいです。医薬部外品として言えるのは、重ねても「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」までです。
「有効成分」の欄で名前を探し、朝は日焼け止めも塗る
塗るなら、まず「有効成分」の欄で名前を探します。しみ・そばかすを防ぐ効能は、有効成分として入っている医薬部外品のものだからです。
ビタミンCは表示名がいくつもあります。朝、日焼け止めの前に塗る使い方もすすめられていますが、ビタミンCは紫外線を吸収しないので、日焼け止めは別に要ります。酸性を強くしたビタミンCの製品は刺激が出ることがあるので、赤みやかゆみが出たらやめましょう。
製品に使い方の案内があれば、そちらが優先です。しみの入り口の紫外線を防ぐ日焼け止めとセットで使いましょう。
まとめ
- 塗るものどうしは、一緒に使ってはいけない決まりはない
- トラネキサム酸はメラニンを作る合図に、ビタミンCはできる途中と色に働く
- 重ねても、言えるのは「しみ・そばかすを防ぐ」まで
- 飲むものは医薬品。飲み合わせは薬剤師に確かめる
- ビタミンCは紫外線を吸収しないので、日焼け止めは別に塗る
まずは手元の製品の「有効成分」の欄を見てみましょう。
よくある質問
トラネキサム酸とビタミンCの製品は、重ねて塗っていいですか?
重ねて塗ってはいけないという決まりはありません。製品に使い方の案内があれば、それに従います。赤みやかゆみが出たら、使うのをやめましょう。
トラネキサム酸とビタミンCを一緒に使うと何がいいですか?
メラニンに違うところから働くので、役割を分けて使えます。トラネキサム酸はメラニンを作る合図を抑え、ビタミンC誘導体はできる途中の反応を抑えて色を淡くします。言える効能は、重ねても「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」までです。
トラネキサム酸とビタミンCの飲み薬は、一緒に飲めますか?
自分で決めず、薬剤師に確かめます。どちらも医薬品で、飲む量や期間、飲めない人が添付文書で決まっています。持病のある人や、ほかの薬を飲んでいる人は特に相談しましょう。
トラネキサム酸とビタミンCは、どちらを先に塗りますか?
決まった順番はなく、製品ごとの使い方が優先です。書かれていなければ、水分の多いものから油分の多いものへ重ねます。朝は、最後に日焼け止めを塗りましょう。
この記事で参照した情報
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年 薬食発0721第1号)
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「美白剤」
- 第一三共ヘルスケア 製品ページ(トラネキサム酸を主成分とする第1類医薬品、効能「しみ(肝斑に限る)」)
- PMDA「トラネキサム酸(一般用)の「使用上の注意」の改訂について」(平成25年4月23日)
- PMDA 一般用医薬品情報(ビタミンCを主成分とする第3類医薬品の添付文書)
- 厚生労働省「ビタミン主薬製剤製造販売承認基準の一部改正について」(令和元年5月30日 薬生発0530第4号)
- 日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会ほか「美容医療診療指針」(令和元年度厚生労働科学特別研究事業)
- Ball S, et al. Vitamin C, Topical Retinoids, and Sunscreen in Clinical Practice: Essentials for Family Physicians. OFP Journal Vol.16 No.3, 2024
- Al-Niaimi F, Chiang NYZ. Topical Vitamin C and the Skin: Mechanisms of Action and Clinical Applications. J Clin Aesthet Dermatol 2017;10(7):14-17