この記事でわかること
- ビタミンCが、しみのできる流れのどこで働くのか
- 塗る・飲む・食べるビタミンCで、言えることの違い
- シワ・ニキビとの関係と、使うときの注意
「ビタミンCは肌にいい」とよく聞くけれど、しみに効くのか、シワにもいいのか、何を選べばいいのか迷いますよね。
結論から言うと、塗るビタミンCでいちばん確かなのはしみ対策です。しみができる流れのうちメラニンをつくるところで働き、医薬部外品では「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」効能が認められています。
働くのは②のところで、①の紫外線は防げません。
しみができるまで
①紫外線 ②メラニン ③受け渡し ④しみ
ビタミンC誘導体が働くところ
- 紫外線
- メラニンをつくる細胞
- メラニン
- 色が薄いメラニン
- ビタミンC誘導体
ビタミンCは、メラニンをつくるところで働く
ビタミンCは、しみのもとになるメラニンがつくられる反応を抑える成分です。しみは、紫外線を浴びて表皮のいちばん下の細胞がメラニンという色の粒をつくり、それがまわりの細胞に渡されてたまることでできます。
ビタミンCは、メラニンができる途中の反応を抑えるうえに、できたメラニンの色を薄い状態に戻す働きももっています。この働きから、医薬部外品の有効成分として「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」効能が認められています。ふつうの化粧品に入っている場合は、この効能はうたえません。
認められているのは、しみを「防ぐ」ことです。できてしまったしみをなくす効能ではないので、すでにあるしみが気になるときはメラニンのしくみを知ったうえで、皮膚科に相談するのが近道です。
紫外線は日焼け止め、その先はビタミンCの担当
ビタミンCは紫外線を防げないので、日焼け止めの代わりにはなりません。ビタミンCは紫外線を吸収しないからです。
働く場所が違うので、代わりにはなりません。
日焼け止め
紫外線を入り口で防ぐ
ビタミンC誘導体
その先のメラニンづくりを抑える
- 日焼け止めの膜
- 紫外線
- メラニン
- ビタミンC誘導体
しみの流れの入り口にある紫外線は日焼け止めで防ぎ、その先のメラニンづくりはビタミンC誘導体が抑える、という分担です。ビタミンCの美容液を使っていても、朝は日焼け止めを重ねるのが基本です。
壊れやすいので、誘導体や処方の工夫で使われる
化粧品のビタミンCは、壊れやすい性質を補うために、誘導体という形で使われることが多い成分です。ビタミンCは成分名でアスコルビン酸と呼ばれる水に溶けるビタミンで、とても酸化しやすく、そのままでは化粧品の中ですぐに壊れてしまうからです。
そこで、安定性を高めたリン酸マグネシウム塩や配糖体などのビタミンC誘導体が開発されました。そのまま使うときは、水を入れない無水の処方や、酸性を強くした処方で守ります。
どの形で、どんな処方に入っているかで、肌への届き方も変わります。ビタミンCそのものは、製品を酸性の強いpH3.5未満にしないと皮膚に入らず、濃さは20%で吸収が頭打ちになったという結果があります。一部の誘導体では、塗っても皮膚の中のビタミンCが増えなかったという結果もあります。ビタミンCは、形と処方で働き方が変わる成分です。
塗る・飲む・食べるで、言えることが違う
同じビタミンCでも、医薬部外品・化粧品・医薬品・食事のどれかで、国が認めている言葉が変わります。効能は成分ではなく、製品の区分ごとに決まるからです。
同じビタミンCでも、区分で言えることが違います。
ふつうの化粧品で言えるのは「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」などの範囲です。飲む医薬品は「しみ、そばかす、日やけ・かぶれによる色素沈着」の「緩和」で、1か月ほど使ってもよくならないときは医師や薬剤師に相談することになっています。とりすぎると、下痢や吐き気が出ることもあります。
食事でとるビタミンCは、体の中でコラーゲンを組み立てるのに欠かせず、酸化から細胞を守る栄養素です。足りなくなるとコラーゲンがつくれず、壊血病という病気につながります。食事でビタミンCを多くとっている人ほど、シワや肌の乾燥が少ない傾向があったという結果もあります。選ぶときは、パッケージの「医薬部外品」「第3類医薬品」などの区分を見るのが近道です。
シワやニキビとの関係は、効能ではなく研究の結果
ビタミンCはシワやニキビにもいい、と聞くことがありますよね。でも、シワやニキビとの関係は、国が効能として認めたものではなく、研究の結果として知られている話です。
シワについては、ビタミンCを塗り続けると、小ジワや肌の表面の凹凸が目立ちにくくなったという結果があります。ただ、化粧品の働きは角層までで、化粧品として言えるのは、決められた試験をした製品の「乾燥による小ジワを目立たなくする」までです。
ニキビについては、日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドラインで、赤いニキビやニキビ跡の赤みに塗るビタミンCは「行ってもよいが、推奨はしない」という位置づけです。ニキビの治療の中心は医薬品です。しみ以外の悩みで選ぶときは、効能ではなく研究の結果の話だと知っておくと、商品の説明に振り回されずにすみます。
濃いほどよいわけではない
ビタミンCは、濃ければ濃いほどよいわけではありません。20%より濃くしても吸収は増えず、かえって刺激が出るおそれがあるからです。
ビタミンCを肌に届けるために酸性を強くした製品では、刺激が出ることもあるので、赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。ビタミンCは空気や熱、光でゆっくり分解されるので、開けたあとはふたをしっかり閉め、直射日光や高温を避けて保管します。濃さより、続けられる刺激の少なさと保管のしやすさで選ぶほうが失敗しません。
まとめ
- ビタミンCは、しみの流れのうちメラニンをつくるところで働きます
- 医薬部外品なら「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」効能が認められています
- 紫外線は防げないので、日焼け止めとの分担で使います
- 塗る・飲む・食べるで言えることが違うので、パッケージの区分を見ます
- シワやニキビは研究の結果の話で、濃すぎる製品は刺激に注意します
ビタミンCは「なんとなく肌にいい」成分ではなく、しみを防ぐことがいちばん確かな成分です。形の違いはビタミンC誘導体の記事もあわせて読んでみてください。
よくある質問
ビタミンCでシミはなくなりますか?
しみがなくなるという効能は認められていません。塗る医薬部外品で認められているのは「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」までで、飲む医薬品は色素沈着の「緩和」です。
ビタミンCを塗ればシワは減りますか?
ビタミンCを塗り続けると、小ジワや肌の凹凸が目立ちにくくなったという結果があります。ただ、化粧品として言えるのは、試験をした製品の「乾燥による小ジワを目立たなくする」までです。
ビタミンCはニキビにいいですか?
塗るビタミンCは、日本皮膚科学会のガイドラインで「行ってもよいが、推奨はしない」という位置づけです。ニキビの治療の中心は医薬品です。
ビタミンCを塗れば日焼け止めはいりませんか?
いります。ビタミンCは紫外線を吸収しないので、日焼け止めの代わりにはなりません。紫外線は日焼け止めで防ぎ、その先のメラニンづくりをビタミンC誘導体が抑える、という分担です。
ビタミンCは1日どれくらいとればいいですか?
大人は男女とも1日100mgが、国の食事摂取基準で決められた推奨量です。野菜や果物からとれます。
この記事で参照した情報
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「コラーゲン」
- 厚生労働省 eJIM「ビタミンC」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「ビタミン」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「美白剤」
- 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- 厚生労働省「ビタミン主薬製剤製造販売承認基準の一部改正について」(令和元年5月30日 薬生発0530第4号)
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」(日皮会誌133(3):407-450)
- Linus Pauling Institute(米オレゴン州立大学)「Vitamin C and Skin Health」
- Pullar JM, Carr AC, Vissers MCM. The Roles of Vitamin C in Skin Health. Nutrients 2017;9(8):866
- Pinnell SR, et al. Topical L-Ascorbic Acid: Percutaneous Absorption Studies. Dermatol Surg 2001;27(2):137-142
- Traikovich SS. Use of topical ascorbic acid and its effects on photodamaged skin topography. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 1999;125(10):1091-1098
- Humbert PG, et al. Topical ascorbic acid on photoaged skin. Exp Dermatol 2003;12:237-244
- Al-Niaimi F, Chiang NYZ. Topical Vitamin C and the Skin: Mechanisms of Action and Clinical Applications. J Clin Aesthet Dermatol 2017;10(7):14-17