- 成分表示の名前
- 尿素
- 入っている理由
- 角層で水分を抱え込み、肌にうるおいを与えるため(保湿)
- 安全性のめやす
- しみる感じが出ることがあり、傷やひび割れ、目のまわりや粘膜には使わないとされています
この記事でわかること
- 尿素が角層でしていること
- 濃さで働きが変わるしくみ
- 化粧品・医薬部外品・医薬品の違い
かかと用のクリームでよく見る尿素。顔の保湿にもいいのか、しみたりしないのか、気になりますよね。
結論から言うと、尿素の効果は、肌の水分を抱えこんで、うるおいを与えることです。濃い薬になると、硬くなったかかとやひじの手当てにも使われます。
尿素は、角層にもともとある保湿成分
尿素は、肌の角層にもともとある保湿成分のひとつです。体の中で、たんぱく質が分解されるときにもできます。
角層の細胞の中では、天然保湿因子という成分が水を抱えて、うるおいを保っています。尿素はその仲間です。これが減ると、角層の水分が減って肌が乾燥します。
尿素は角層で水分を抱えこみ、うるおいを与えます。
尿素は水を引き寄せて、角層の水分を直接増やすタイプの成分です。肌をおおって水分を守るワセリンなどより、水分を増やす力が強いとされています。だから、乾燥に向く成分です。
ごわつきに向くのは、濃いと角質をやわらかくするから
尿素がごわつきに向くのは、濃いほど、角質をやわらかくする働きが加わるからです。角質とは、肌の表面のかたい部分です。
ただし、区分で言えることが変わります。化粧品で言えるのは「うるおいを与える」「肌を柔らげる」までです。医薬部外品では有効成分として使われ、効能は製品ごとに認められます。同じ尿素でも、パッケージの区分の表示を見て選びましょう。
医薬品の尿素クリームは、10%と20%で働きが違う
病院で出る医薬品の尿素クリームは、濃さによって働きが違います。濃さは10%と20%の2種類です。
20%は、水分を増やすうえに、角質を溶かしてはがす作用があるとされています。10%は、水分を保つ作用が中心です。かかとのガサガサをやわらかくするのは、医薬品の効能です。しみることがあるので、傷やひび割れには塗りません。くわしくは尿素の記事で解説しています。
まとめ
- 尿素は、角層にもともとある保湿成分のひとつ
- 濃いほど、角質をやわらかくする働きが加わる
- 化粧品で言えるのは「うるおいを与える」「肌を柔らげる」まで
選ぶときは、化粧品・医薬部外品・医薬品の区分の表示を見ましょう。
よくある質問
尿素クリームの10%と20%は、何が違いますか?
20%のほうが、角質をやわらかくする働きが強いとされます。医療用の20%クリームは角質の水分を増やす作用に加えて角質を溶かしてはがす作用があり、10%は角層の水分を保つ作用が中心です。
尿素クリームは、顔に使えますか?
市販の尿素20%クリームは、顔に使わないよう注意書きがあります。これは医薬品であるその製品の使い方の決まりです。顔の乾燥には、顔に使う前提の製品を選びましょう。
尿素クリームがしみるのはなぜですか?
浸透圧によって、皮膚の薄いところでピリピリ感じることがあるとされます。医療用のクリームでも、ぴりぴり感や痛みが副作用として挙げられています。傷やひび割れには塗りません。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「尿素」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「天然保湿因子」
- 厚生労働省「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて」(平成20年12月25日 薬食審査発第1225001号)
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- 日本皮膚科学会「皮脂欠乏症診療の手引き2021」(日皮会誌131(10):2255-2270)
- ケラチナミンコーワクリーム20% 添付文書(興和、2023年5月改訂)
- ウレパールクリーム10% 添付文書(大塚製薬工場、2024年1月改訂 第1版)
- 興和「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」添付文書(第3類医薬品)
- Piquero-Casals J, et al. Urea in Dermatology: A Review of its Emollient, Moisturizing, Keratolytic, Skin Barrier Enhancing and Antimicrobial Properties. Dermatol Ther 2021;11(6):1905-1915