成分辞典やさしい解説

脂溶性と水溶性のビタミンをやさしく解説!化粧品での違いとは?

あるコスメオタク・2026.10.01・更新 2026.10.21・成分解説

ビタミンには「脂溶性」と「水溶性」があると聞くけれど、化粧品ではその違いで何が変わるのか、わかりにくいですよね。

結論から言うと、化粧品では、溶け方の違いが、どんな製品に入れやすいかと、どんな形に変えて使うかに関わります。ただし、肌への入りやすさや壊れやすさは、溶け方だけでは決まりません。まずは分け方から見ていきましょう。

ビタミンは、溶けやすさで水溶性と脂溶性に分けられる

ビタミンB群とビタミンCの9種が水溶性、ビタミンA・D・E・Kの4種が脂溶性です。ビタミンは全部で13種類あり、溶けやすさで2つに分けられています。

水溶性は水に、脂溶性は油に溶けやすいビタミンです。国の食事摂取基準でも、この2つに章を分けて扱われています。脂溶性は、化粧品の原料では油溶性とも呼ばれますが、意味は同じです。

ただ、水溶性のビタミンがどれも水によく溶けるわけではありません。ナイアシンアミドは約1mLの水に1gが溶けるほど水になじみますが、ビタミンB2のリボフラビンは25℃の水100mLに10〜13mgしか溶けず、油にも溶けません。水溶性は仲間分けの名前で、成分ひとつひとつの溶けやすさとは分けて考えましょう。

成分表の名前で見ると、ビタミンCだけは溶け方が3つに分かれる

化粧品の成分表には、ビタミンAのような呼び名ではなく、表示名称で書かれます。名前と溶け方の組み合わせを知っておくと、成分表が読みやすくなります。

ビタミンAの仲間のレチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールと、ビタミンEの仲間のトコフェロール、酢酸トコフェロールは脂溶性です。ビタミンB群の仲間のナイアシンアミド、パンテノール、ピリドキシンHClは水溶性で、パンテノールは肌の中で水溶性のパントテン酸に変わります。

ビタミンCは、もとのアスコルビン酸は水溶性ですが、誘導体になると溶け方が3つに分かれます。アスコルビルグルコシド、アスコルビルリン酸Na、リン酸アスコルビルMg、3-O-エチルアスコルビン酸は水溶性、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルとパルミチン酸アスコルビルは油溶性、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naは水と油の両方になじみます。

医薬部外品の有効成分としては、ビタミンC系の成分に「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」、レチノールに「しわを改善する」効能が認められています。一般の化粧品に同じ成分が入っていても、これらの効能はうたえません。

水溶性は化粧水、脂溶性はクリームやオイルが基本。化粧水に入る脂溶性もある

水溶性のビタミンは化粧水や美容液に、脂溶性のビタミンは乳液やクリームの油の側や、オイルに入れやすくなります。溶け方がいちばんはっきり表れるのが、この入れ方です。

乳液やクリームは、本来は混ざらない水と油を、乳化という方法で混ぜたものです。だから、水溶性は水の側、脂溶性は油の粒の側と、両方を一緒に入れられます。

水溶性は水の側に、脂溶性は界面活性剤の粒や油の粒の中に入ります。

化粧水 可溶化で透明に混ぜる 乳液・クリーム 乳化で白く混ぜる 水溶性ビタミン 脂溶性ビタミン 界面活性剤の粒 油の粒

脂溶性だから化粧水には入らない、と思いますよね。でも、本来は水に溶けない油の成分を、界面活性剤の力で透明なまま水に混ぜる可溶化という技術があります。化粧水に入る油の成分は、ほとんどが香料やビタミンなどです。反対に、水溶性のアスコルビン酸は油に溶けにくいので、油の多い製品になじむように、油に溶ける形に変えた誘導体もあります。

透明な化粧水に脂溶性ビタミンが入っていたら、可溶化が使われていると考えてください。

肌に入りやすいのは、ほどほどに油になじむ小さな成分

肌に入りやすいのは、油になじみすぎず、分子の小さな成分です。化粧品の成分が入っていけるのは角層までで、その角層は、細胞のすき間が脂質で満たされた油っぽい層だからです。

水溶性より油になじむ成分のほうが角層を通りやすいものの、油になじむほど入るわけではありません。一般には、分子量が500より小さく、油と水への分かれ方を表す値が1〜4の、ほどほどに油になじむ成分が通りやすいとされています。

油と水への分かれ方を表す値で、大きいほど油になじみ、15.51は計算値です。

入りやすい目安 1〜4 0 4 8 12 16 −1.07 3-O-エチル アスコルビン酸 5.68 レチノール 15.51 パルミチン酸 レチノール 水になじむ油になじむ

油になじみすぎる例が、ビタミンAの仲間のパルミチン酸レチノールです。値はレチノールの5.68に対して15.51と大きく油の側に寄り、分子量も約525とレチノールの286より大きくなります。肌で同じ反応を起こすのに、パルミチン酸レチノールはレチノールの約24倍の濃さが必要だったという結果があります。

水溶性の側でも、溶け方だけでは決まりません。アスコルビン酸は、製品をpH3.5未満の強い酸性にしたときに、皮膚の中の量が増えたという結果があります。肌への入り方は、成分の性質に加えて、製品の酸性度や何に溶かすかでも変わるのです。

壊れやすさは成分ごとの性質で、誘導体はその対策

脂溶性だから安定、水溶性だから壊れやすい、ということはなく、壊れやすさは成分ごとに違います。

水溶性のアスコルビン酸は、水に溶けた状態で酸化が進みやすく、光や熱、金属イオン、アルカリ性でも酸化します。脂溶性のレチノールも、酸素や熱、光、金属で分解されます。同じ脂溶性のトコフェロールは酸化されやすく、その性質を生かして、製品の油が傷むのを防ぐ目的でも入っています。

そこで使われるのが誘導体です。ビタミンCやビタミンEは、酸化されやすさを補うために形を少し変えて使われ、パルミチン酸レチノールも、レチノールより安定なことから化粧品に広く使われています。アスコルビルグルコシドのように、塗ると肌の酵素でぶどう糖が外れて、ビタミンCとして働くものもあります。誘導体は、壊れやすさを補ったり、溶け方を変えたりするための形です。

まとめ

成分表でビタミンの名前を見つけたら、水と油のどちらになじむ形かを思い浮かべると、その製品にどう入っているかが見えてきます。

よくある質問

脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの違いは何ですか?

溶けやすさの違いです。ビタミンB群とビタミンCの9種は水に溶けやすい水溶性、ビタミンA・D・E・Kの4種は油に溶けやすい脂溶性に分けられます。

脂溶性ビタミンは化粧水に入れられますか?

入れられます。界面活性剤で油の成分を透明なまま水に混ぜる可溶化という技術を使えば、脂溶性ビタミンも透明な化粧水に入れられます。

脂溶性ビタミンのほうが肌に入りやすいですか?

そうとは限りません。角層は油になじむ成分が通りやすいものの、ある程度までで、パルミチン酸レチノールのように油になじみすぎる成分は入りにくくなります。化粧品の成分が入るのは角層までです。

3-O-エチルアスコルビン酸は水溶性ですか?

水溶性です。水と油のどちらに移りやすいかを表す値でも水の側に寄っていて、水溶性のビタミンC誘導体の仲間です。

水溶性ビタミンはどれも水によく溶けますか?

よく溶けるとは限りません。ビタミンB2のリボフラビンは25℃の水100mLに10〜13mgしか溶けず、ビオチンも水に少ししか溶けません。

この記事で参照した情報

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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