この記事でわかること
- ナイアシンアミドに認められた3つの効能
- しみと肌あれの原因に、どう働くのか
- 濃度の目安と、医薬部外品の見分け方
ナイアシンアミドはシワにもしみにもいいと聞くけれど、1つの成分でどうしてそんなに役割があるのか、不思議に思いますよね。
結論から言うと、ナイアシンアミドはシワ・しみ・肌あれの原因にそれぞれ働く成分で、医薬部外品ではこの3つの効能が認められています。刺激も少ないほうなので、取り入れやすい成分です。
医薬部外品では、シワ・しみ・肌あれの3つの効能がある
ナイアシンアミドは、医薬部外品の有効成分として3つの効能が認められた、ビタミンB3の仲間です。化粧品のために作られた成分ではなく、栄養素として知られていた物質で、有効成分のリストには「ニコチン酸アミド」の名前で載っています。
医薬部外品で認められている3つの効能です。
1つの成分がいくつもの効能にまたがるのは、あまりない例です。3つの効能は肌の中の別々の原因に向けたもので、次の章から、しみと肌あれの原因にどう働くのかを見ていきます。
しみには、メラニンが細胞に渡されるところで働く
ナイアシンアミドは、作られたメラニンが、まわりの肌の細胞に渡されるのを遅らせます。しみは、渡されたメラニンが表皮にたまってできるからです。
ナイアシンアミドは、メラニンを渡す段階で働きます。
しみができるまで
渡すところを拡大すると
- メラニン
- メラニンを作る細胞
- 渡すところ
- ナイアシンアミドが遅らせる
しみを防ぐ有効成分の多くは、メラニンを作る酵素の働きを抑える、流れの手前で働くものです。ナイアシンアミドはできたメラニンが運ばれるところという別の段階で働きます。ナイアシンアミド5%を含む保湿剤を続けて塗ると、しみが目立ちにくくなったという結果があります。
肌あれには、角層のセラミドを増やして働く
肌あれには、角層のすきまを埋める細胞間脂質から働きます。肌あれは、すきまの脂が減って水分が逃げやすくなると起きるからです。細胞間脂質の約50%はセラミドで、乾燥した肌ではこのセラミドが不足しがちです。
ナイアシンアミドは、角層のセラミドを増やす働きが報告されています。
すきまの脂が少ない
セラミドが増えると
- 角層の細胞
- セラミドなどの脂
- 水分
水を与えたり、油でふたをしたりする保湿剤とは違い、角層が自分でうるおいを保つ力を支えるのがナイアシンアミドです。ナイアシンアミド5%を含む保湿剤を続けて塗ると、顔の小ジワが目立ちにくくなったという結果もあります。
何%という決まりはなく、結果が出ているのは5%前後
ナイアシンアミドが何%入っていればいいという決まりはありません。ただ、塗って結果が出ているのは、4〜5%を含むものが中心です。
たとえば、ナイアシンアミド4〜5%を含む化粧品を続けて使うと、シワやきめが目立ちにくくなったという結果があります。前の章のしみや小ジワの結果も、5%を含む保湿剤でのものです。「何%配合」と書かれた商品が多い成分なので数字は目安になりますが、仕上がりは処方全体や使い方でも変わるので、数字だけで選ばなくても大丈夫です。
刺激は少ないほう。でも少量から始める
ナイアシンアミドは、刺激が少ないほうの成分です。塗るナイアシンアミドは肌に受け入れられやすく、10%を塗ってもピリピリ感や赤らみの訴えはなかったという結果があります。
それでも、合わない人はいます。新しく取り入れるときは、少量から始め、ほかの新しいアイテムと同時に始めないのが基本です。赤みやかゆみが出たら、使うのをやめましょう。
効能をうたえるのは、医薬部外品だけ
3つの効能をうたえるのは、医薬部外品だけです。一般の化粧品にナイアシンアミドが入っていても、これらの効能は書けません。
「ナイアシンアミド配合」とだけ書いて効能に触れていない商品も、質が低いわけではありません。たいていは一般の化粧品で、決まりのうえで書けることが違うだけです。広告のルールでは、一般の化粧品で特定の成分を強調すると、その成分が有効成分であるかのように誤解されるため、原則として控えるよう求めています。
迷いやすいのが「シワが消える」という言葉で、これは承認された効能ではありません。医薬部外品でも、シワ改善の表現は予防や解消と誤解されないようにし、程度も事実の範囲にとどめるよう求められています。選ぶときは、「薬用」「医薬部外品」の表示と「有効成分」の欄を見ましょう。
まとめ
- ナイアシンアミドはビタミンB3の仲間で、医薬部外品ではシワ・しみ・肌あれの3つの効能が認められています
- しみには、メラニンがまわりの細胞に渡されるところを遅らせて働きます
- 肌あれには、角層のセラミドを増やして、細胞間脂質から働きます
- 何%という決まりはなく、結果が出ているのは4〜5%を含むものが中心です
- 刺激は少ないほうですが、少量から始めます。効能をうたえるのは医薬部外品だけです
守備範囲が広く、取り入れやすい成分です。医薬部外品か一般の化粧品かを見て選ぶと、期待できることがはっきりします。
よくある質問
ナイアシンアミドには、どんな効果がありますか?
医薬部外品の有効成分として、「シワを改善する」「肌あれ・あれ性」「メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」の3つの効能が認められています。
一般の化粧品のナイアシンアミドでも、同じ効能をうたえますか?
うたえません。3つの効能を書けるのは医薬部外品(薬用化粧品など)だけで、一般の化粧品では、成分名を効能に結びつける書き方は原則できません。
ナイアシンアミドは何%入っていればいいですか?
何%以上という決まりはありません。4〜5%を含む化粧品を続けて使うと、シワやしみが目立ちにくくなったという結果があります。
ナイアシンアミドは刺激が強いですか?
刺激は少ないほうの成分です。10%を塗ってもピリピリ感や赤らみの訴えはなかったという結果がありますが、合わない人もいるので少量から始めましょう。
ナイアシンアミドは、しみにどう働きますか?
作られたメラニンが、まわりの肌の細胞に渡されるのを遅らせます。メラニンを作る酵素を抑える成分とは、働く段階が違います。
この記事で参照した情報
- 厚生労働省「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて」(薬食審査発第1225001号)
- Boo YC. Mechanistic Basis and Clinical Evidence for the Applications of Nicotinamide (Niacinamide) to Control Skin Aging and Pigmentation. Antioxidants 2021;10(8):1315
- Hakozaki T, et al. The effect of niacinamide on reducing cutaneous pigmentation and suppression of melanosome transfer. Br J Dermatol 2002;147(1):20-31
- Bissett DL, et al. Topical niacinamide reduces yellowing, wrinkling, red blotchiness, and hyperpigmented spots in aging facial skin. Int J Cosmet Sci 2004;26:231-238
- 国立健康・栄養研究所「セラミド(N-アシルスフィンゴシン)」素材情報
- 日本化粧品工業連合会「化粧品等の適正広告ガイドライン 2020年版」
- 日本化粧品工業会「医薬部外品における『シワ改善』の広告表現に関する留意点」
この記事が入っているテーマ別まとめ