この記事でわかること
- そばかすが肌の中でどうやってできるのか
- シミや肝斑とどう見分けるのか
- 化粧品・薬・レーザーで言えるのはどこまでか
鏡を見るたびに、頬や鼻のまわりの小さな茶色の点が気になる。そばかすはなぜできるのか、化粧品で消せるのか、知りたいですよね。
結論から言うと、そばかすは、生まれつきの体質に紫外線が重なってできる小さな茶色の点です。家族内で出やすく、日光で濃くなります。化粧品で言えるのは、日やけによるしみ・そばかすを「防ぐ」ところまでで、消すことや薄くすることは言えません。まずは、肌の中で何が起きているのかから見ていきましょう。
そばかすの原因は、遺伝しやすい体質に紫外線が重なること
そばかすの原因は、遺伝しやすい体質と紫外線の2つが重なることです。そばかすは家族内で出やすく、一部はメラノコルチン1受容体という遺伝子の型の違いが関わるとされています。そこに日光が当たると、色が濃くなります。
そばかすは、医学では雀卵斑と呼ばれます。3歳ごろから顔や首、腕など日に当たる部位に、直径3mmほどの丸みのある平らな褐色の斑が多数できるものです。夏の日光、とくに紫外線で色が濃くなり、冬には薄くなる傾向があり、年齢とともに増えて思春期にもっとも目立ち、その後は色が薄くなっていきます。出る時期や濃さには個人差があります。
肌の中で起きているのは、メラニンの量の変化です。ふつう、紫外線を浴びると、メラニンをつくる細胞であるメラノサイトがメラニンをつくり、まわりの細胞に渡します。そばかすでは、メラノサイトの数は増えておらず、ひとつひとつの細胞の働きが活発になって、メラニンの粒が表皮のいちばん下の基底層で大幅に増えています。日光に当たると、一部のメラノサイトが周りより多くメラニンをつくるため、点のような色素の斑になって見えます。
日焼け止めが働くのは、枠で囲んだ入り口の紫外線です。
浴びる
多くできる
細胞に渡る
茶色の斑に
体質は変えられませんが、流れの入り口の紫外線は減らせます。そばかすは、体質に紫外線という引き金が重なってできると覚えておきましょう。メラニンそのもののしくみは、メラニンとしみの記事にまとめています。
そばかすとシミ・肝斑の違いは、出る時期と場所と形
顔の茶色い斑が、そばかすなのかシミなのか、見分けがつかないと思いますよね。そばかすとシミ・肝斑は、出る時期、場所、形が違います。
顔に出る褐色の斑には、そばかすのほかに、老人性色素斑と呼ばれる日光黒子や、肝斑があります。日光黒子は、長年日光を浴びることで生じる平らな黄褐色から褐色の卵のような形の斑で、顔や手の甲に出やすく、ふつう中年期に初めて現れて、年齢とともに数が増えていきます。肝斑は、額やこめかみ、頬、上くちびる、鼻などに左右対称に出る、境目のはっきりしない暗い褐色の斑です。
ただし、見た目だけで自分で決めつけるのは禁物です。小さな褐色の斑が左右対称に出ると、太田母斑というあざがそばかすと見誤られることがあり、淡い褐色の斑に青色や灰紫色が混じるとき、点状の色素斑が混じるときは太田母斑の可能性があります。いくつかの種類が同じ顔に混ざっていることもあります。
子どものころから小さな点が散らばり、夏に濃く冬に薄くなるのがそばかすです。それでも色や形が気になるときは、自分で決めずに皮膚科で診てもらいましょう。
そばかすを化粧品で消すとは言えず、言えるのは「防ぐ」まで
化粧品と医薬部外品でそばかすについて言えるのは、日やけによるしみ・そばかすを「防ぐ」までです。そばかすが濃くなる引き金は紫外線なので、日々できることの中心は紫外線を避けることになるからです。
皮膚科の教科書でも、治療の欄にあるのはサンスクリーン、つまり日焼け止めを使って紫外線を避けることです。日焼け止めは、生まれつきの体質のほうに働くわけではなく、色が濃くなる引き金になる紫外線を減らすものです。SPFやPAの選び方は、日焼け止めの記事で説明しています。
化粧品が言える効能は、厚生労働省が定めた56項目に限られ、そばかすについて言えるのは「日やけを防ぐ」と「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」の2つだけです。医薬部外品の薬用化粧品では「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」が認められ、有効成分の働き方によっては「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」と書ける場合があります。
化粧品と医薬部外品で言えるのは「防ぐ」までで、そばかすの効能がある市販薬は飲み薬です。
化粧品
「日やけによる
シミ、ソバカス
を防ぐ」
医薬部外品
「メラニンの
生成を抑え、
しみ、そばかす
を防ぐ」
市販の飲み薬
「しみ、
そばかす」
の緩和
すでにあるそばかすを消す、薄くする、なくすといった表現は、化粧品にも医薬部外品にも認められていません。化粧品で選ぶなら、日焼け止めで「防ぐ」が基本です。
市販薬でそばかすの効能があるのは、ビタミンCとL-システインの飲み薬
市販薬でそばかすの効能があるのは、ビタミンCとL-システインを主な成分にした飲み薬です。ビタミンCであるアスコルビン酸とL-システインを主な成分にした第3類医薬品で、しみ、そばかす、日やけやかぶれによる色素沈着をやわらげることが効能として認められています。
「やわらげる」であって「消す」ではなく、添付文書には、しばらく使っても変化がないときは医師や薬剤師に相談するという注意もあります。一方、トラネキサム酸を主成分にした第1類医薬品の飲み薬の効能は、しみのうち肝斑に限られ、そばかすは対象に入りません。
塗る薬として海外でしみに使われるハイドロキノンは、日本では医薬品として承認されておらず、医薬部外品の有効成分でもありません。化粧品に入っている場合に言えるのは、ほかの化粧品と同じ56項目の範囲までです。市販薬で選ぶなら、効能に「そばかす」が入っているかを確かめましょう。
そばかすのレーザー治療は保険の対象外で、合併症を知って慎重に
そばかすのレーザー治療は、保険の対象外の自由診療で、合併症もあるので慎重に選びます。美容を目的とした治療は保険の対象にならず、照射のあとに色が変わることもあるからです。
医療では、そばかすにレーザーや光治療が用いられています。日本皮膚科学会などの美容医療診療指針では、老人性色素斑にレーザーや光治療が有効とされ、推奨度1、つまり行うことを強くすすめる位置づけです。そばかすは多発して範囲が広いことから、Qスイッチレーザーのほかに、光治療や長いパルスのレーザーで全体に照射する方法が用いられています。
合併症として、照射のあとに色が濃くなる炎症後色素沈着や、逆に色が抜ける色素脱失が起こりうることが指針に挙げられています。また、保険で受けられる皮膚のレーザー治療は、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症などに限られるため、そばかすのレーザー治療は全額自己負担の自由診療になります。そばかすは紫外線で濃くなる性質があるので、治療を受けたあとも紫外線対策が前提です。
美容医療を受ける前には、厚生労働省と消費者庁が4つの確認を呼びかけています。使う薬や機器がどんなものか自分でも説明できるか、効果だけでなくリスクや副作用も知って納得したか、ほかの方法や選択肢の説明も受けて自分で選んだか、そしてその治療は今すぐ必要か、という4つです。国民生活センターも、不安をあおられたり、割引のあるモニター契約を勧められたりしても、その場で契約や施術をせず、施術前にリスクや副作用を確かめるよう呼びかけています。契約のトラブルは消費者ホットライン188に相談できます。
レーザーを考えるときは、4つの確認をして、その場で決めないことが大切です。
まとめ
- そばかすは、家族内で出やすい体質に紫外線が重なってできる小さな褐色の斑で、3歳ごろから出て思春期に最も目立ち、夏に濃く冬に薄くなります
- 老人性色素斑は中年期から顔や手の甲に出るやや大きめの斑、肝斑は頬などに左右対称に広がる斑で、太田母斑と見誤ることもあるため見分けは皮膚科で
- 化粧品と医薬部外品で言えるのは「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」までで、消す、薄くするとは言えません
- 市販薬では、ビタミンCとL-システインの飲み薬の効能にそばかすが入り、トラネキサム酸の飲み薬は肝斑に限られます
- レーザー・光治療は保険の対象外で、色素沈着や色抜けの合併症があり、4つの確認をして即日の契約や施術は避けましょう
そばかすは体質と紫外線が重なってできるものなので、まず日々の紫外線対策を続け、消したいと思ったときは医師の説明をよく聞いて、落ち着いて選んでいきましょう。
よくある質問
そばかすの原因は何ですか?
家族内で出やすい生まれつきの体質に、日光、とくに紫外線が重なることです。肌の中ではメラニンをつくる細胞の数は増えておらず、一部の細胞の働きが活発になって周りより多くメラニンをつくるため、小さな点のような褐色の斑になります。
そばかすは遺伝しますか?
家族内で出やすく、一部はメラノコルチン1受容体という遺伝子の型の違いが関わるとされています。ただし体質だけで決まるのではなく、夏の日光で濃くなり冬に薄くなるように、紫外線も大きく関わります。
そばかすとシミの違いは何ですか?
出る時期と場所と形が違います。そばかすは3歳ごろから日に当たる部位に直径3mmほどの小さな斑が多数出て、老人性色素斑は中年期から顔や手の甲にやや大きめの卵形の斑が出て年齢とともに増え、肝斑は大人になってから頬などに左右対称に広がります。見分けは皮膚科で診てもらいましょう。
そばかすは化粧品で消せますか?
消せるとは言えません。化粧品で言えるのは「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」、医薬部外品でも「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」までで、すでにあるそばかすを消す、薄くするという表現はどちらにも認められていません。
そばかすのレーザー治療は保険がききますか?
保険の対象にはなりません。保険で受けられる皮膚のレーザー治療は太田母斑や異所性蒙古斑などに限られるため、自由診療になります。炎症後色素沈着や色素脱失の合併症があり、受ける前に4つの確認をして、その場での契約や施術は避けましょう。
この記事で参照した情報
- 北海道大学皮膚科 公開教科書PDF 第16章 色素異常症「B. 色素増加を主体とするもの」1. 雀卵斑(p.309)
- MSDマニュアル家庭版「色素沈着」(Shinjita Das, 2024年8月更新)
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「色素沈着」(Shinjita Das, 2024年8月更新)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「アザとホクロ」Q4 太田母斑
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年 薬食発0721第1号)
- 日本化粧品工業連合会「化粧品等の適正広告ガイドライン 2020年版」(表2 薬用化粧品の効能)
- PMDA 一般用医薬品 添付文書(アスコルビン酸・L-システインを主成分とする第3類医薬品、効能「しみ、そばかす、日焼け・かぶれによる色素沈着」の緩和)
- 日本皮膚科学会ほか「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」(日本美容外科学会会報 Vol.44 特別号, 2022)
- 宮田成章「メラニン色素性病変に対するピコ秒レーザーの活用方法」日本レーザー医学会誌 45巻1号, 2024
- 国民生活センター「増加する美容医療サービスのトラブル-不安をあおられたり、割引のあるモニター契約を勧められても慎重に判断を!-」(2023年8月30日)
- 厚生労働省「確認してください!美容医療を受ける前にもう一度」
- 消費者庁「美容医療を受ける前に確認したい事項と相談窓口について」
この記事が入っているテーマ別まとめ