成分辞典やさしい解説

ヒアルロン酸とコラーゲンの違いをやさしく解説!肌の中の役割と化粧品での働きとは?

あるコスメオタク・2026.10.18・更新 2026.10.21・成分解説

ヒアルロン酸もコラーゲンも「うるおい」や「ハリ」のイメージがあって、何が違うのか、化粧品ならどちらを選べばいいのか迷いますよね。

結論から言うと、2つは肌の中では役割の違う成分ですが、化粧品に入ると、どちらも角層で水分を抱える保湿成分です。肌の中では、コラーゲンが肌を支える骨組みになり、ヒアルロン酸がそのすき間で水を抱えるクッションになっています。ただし、塗ったものが肌の中のヒアルロン酸やコラーゲンになるわけではありません。まずは、2つの正体から見ていきましょう。

ヒアルロン酸は水を抱える糖の鎖、コラーゲンは肌を支えるタンパク質

ヒアルロン酸は糖がつながった長い鎖で、コラーゲンはアミノ酸がつながったタンパク質です。並べて語られることの多い2つですが、材料からして別の成分です。

ヒアルロン酸は、2種類の糖が交互にくり返す鎖で、同じ単位が最大で2万5000ほどつながります。コラーゲンは、3本の鎖がロープのようにより合わさった三重らせんの分子で、それが集まって線維になります。

肌の中にある場所も少し違います。コラーゲンは真皮の70%以上を占める、真皮の主役のタンパク質です。ヒアルロン酸は主に真皮にあり、線維がつくる網目のすき間を満たしていて、表皮にもあることがわかっています。どちらも、角層より下の、細胞が生きている層にあるものです。

ヒアルロン酸は水を抱える糖の鎖、コラーゲンは肌を支えるタンパク質の線維と覚えておきましょう。

肌の中では、コラーゲンが骨組み、ヒアルロン酸がクッションになる

肌の中では、コラーゲンが引っぱる力に耐える骨組みになり、ヒアルロン酸がそのすき間で水を抱えるクッションになっています。性質の違う2つが組み合わさることで、真皮は形を保てるからです。

コラーゲンは線維になって真皮に網を張り、肌が引きのばされても形を保てるように支えています。真皮のコラーゲンはおよそ8割がI型、1割半ほどがIII型と呼ばれる種類です。

ヒアルロン酸は、少しの量でも水を含むと大きくふくらみ、組織にかかる押しつぶす力に耐える役目があると考えられています。1gで約6Lの水を保てるとされるほど水を抱える力が強く、真皮の水分を保つ働きを担っています。

肌の中で、体がつくっている2つの役割分担です。

コラーゲン
ロープの骨組み
ヒアルロン酸
水のクッション
真皮の形
形を保つ

引っぱりに強いロープと、押されても戻るクッションの組み合わせで、真皮の形ができています。どちらも、主に真皮の線維芽細胞という細胞がつくっています。肌の中の2つは、体が自分でつくる、ロープとクッションの関係です。角層と真皮で水の持ち方がどう違うかは、肌の水分のしくみの記事でくわしくまとめています。

化粧品に入ると、どちらも角層で水分を抱える保湿成分になる

化粧品に入るヒアルロン酸もコラーゲンも、役目は角層の保湿です。化粧品の成分が働くのは、肌のいちばん外側にある角層までだからです。広告でも、浸透は角層までと示すことになっています。

角層は、表面をおおう皮脂膜、細胞の中で水を抱える天然保湿因子、細胞のすき間を埋める細胞間脂質の3つでうるおいを保っています。細胞間脂質の約50%はセラミドです。このバランスがくずれると、角層の水分が逃げて、かさつきや乾燥による小ジワにつながります。

ヒアルロン酸は保湿剤として幅広く使われ、加水分解コラーゲンも、肌の保湿や、髪に柔らかさを与える目的で配合されます。どちらも水を抱える性質があり、乾いた角層で水分をとどめて、うるおいを保つ側に働きます。

化粧品のヒアルロン酸とコラーゲンが働くのは角層までで、水分を抱えてうるおいを保ちます。

使う前 乾いて、水分が逃げる 使ったあと 角層に水分を抱える 角層 表皮 真皮

化粧品として言える効能も、2つで変わりません。国が決めた化粧品の効能の範囲には「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」「肌にはりを与える」「乾燥による小ジワを目立たなくする」などがあり、ヒアルロン酸やコラーゲンの化粧品が言えるのもこの範囲です。

肌の中にあるものだから、塗れば補えると考えたくなりますよね。でも肌の中の2つは、体の細胞が自分でつくっているものです。化粧品のヒアルロン酸とコラーゲンは、同じ名前で、角層のうるおいという別の役を受け持つ成分と考えると混乱しません。分子の大きさによる使い分けはヒアルロン酸の記事で、塗るコラーゲンの大きさの話はコラーゲンの記事で解説しています。

成分表では、名前の中の「ヒアルロン酸」「コラーゲン」で見分ける

成分表では、名前に「ヒアルロン酸」か「コラーゲン」が入っているかで見分けられます。仲間の成分も、名前の中にこの言葉が残っているからです。

ヒアルロン酸の仲間でいちばんよく見るのはヒアルロン酸Naです。表示名称の決まりでは、元素記号のNaは元素名のナトリウムに置き換えて書けるので、ヒアルロン酸ナトリウムと書かれていても同じものです。ほかに、加水分解ヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸Na、ヒアルロン酸クロスポリマーNaなどの名前も見かけます。

コラーゲンの仲間でよく見るのは加水分解コラーゲンで、牛や豚の骨や皮を、酸やアルカリ、酵素で分解してつくった成分です。アテロコラーゲンという名前もあります。どの名前でも、化粧品の中での役目は保湿の範囲です。

商品の表に「ヒアルロン酸配合」「コラーゲン配合」と特別に書く場合は、保湿剤など、配合する目的をあわせて書くことが業界の広告の決まりで求められています。成分表で迷ったら、名前の中の「ヒアルロン酸」「コラーゲン」を探すだけで大丈夫です。

飲むものと注入するものは、化粧品とは別に考える

飲むサプリや美容医療の注入は、化粧品とは別のものとして考えます。同じ名前でも、塗る・食べる・注入するでは、届く場所も国の区分も違うからです。

同じ名前でも、塗る・食べる・注入するで国の区分が違います。

塗る

化粧品

食べる

食品

注入する

医療機器

食べるコラーゲンはタンパク質なので、おなかでアミノ酸やペプチドまで分解されてから吸収されます。飲むヒアルロン酸も食品で、化粧品の効能とは別の区分です。

注入は医療で、医師が行うものです。ヒアルロン酸の注入材は高度管理医療機器として承認されたもので、添付文書では、真皮の中ほどから深いところに注入して、ほうれい線などの顔のしわを整える目的とされています。血管に入ると、まれに視力障害や失明などを起こすおそれがあると警告されていて、塗る化粧品とはまったく別のものです。

化粧品の効果の話に、食品や医療の話を混ぜないのがポイントです。

化粧品で選ぶなら、どちらでもいい。形と肌に合うかで決める

結局どちらを選べばいいのか、迷う人は多いと思います。化粧品で選ぶなら、どちらが上ということはなく、どちらも乾燥対策の保湿成分として選べば十分です。肌の中での役目の違いは、塗ったときの効能の違いにはつながらないからです。

迷ったら、成分名よりも、化粧水かクリームかといった製品の形と、自分の肌に合うかどうかを優先しましょう。

気にしておきたいのは由来です。コラーゲンは牛や豚などの動物からつくるタンパク質で、ヒアルロン酸は主に細菌の発酵や鶏のとさかからつくられます。国の研究所の解説では、コラーゲン入りの保湿クリームなどを使っていた人が、コラーゲンの飲料やサプリでアレルギーを起こした報告があるとされています。アレルギー体質の人は新しいものを少しずつ試し、異変があれば使うのをやめて医師に相談しましょう。

「真皮まで届く」といった広告の言い方は、化粧品で言える範囲を超えています。しわやハリが本格的に気になるときも、塗る化粧品と医療の注入を同じ物差しで比べず、注入を考えるなら医師からリスクの説明を十分に受けてから決めましょう。化粧品なら、形と肌に合うかで選ぶのがいちばんです。

まとめ

ヒアルロン酸とコラーゲンは、肌の中では役割の違う相棒で、化粧品の中ではどちらも保湿の仲間です。名前の印象にまどわされず、乾燥を防ぐ成分として気軽に取り入れてみてください。

よくある質問

ヒアルロン酸とコラーゲンの違いは何ですか?

糖の鎖か、タンパク質の線維かの違いです。肌の中では、コラーゲンが引っぱる力に耐える骨組みになり、ヒアルロン酸がその線維のすき間で水を抱えるクッションになっています。

化粧品ならヒアルロン酸とコラーゲン、どっちがいいですか?

どちらも保湿成分で、優劣はありません。化粧品で言えるのは、うるおいを与える、乾燥を防ぐ、はりを与えるといった範囲で、2つで変わりません。製品の形や肌に合うかどうかで選びましょう。

塗ったヒアルロン酸やコラーゲンは、肌の中のものになりますか?

なりません。化粧品の成分が働くのは角層までで、肌の中のヒアルロン酸やコラーゲンは、真皮の線維芽細胞という細胞がつくっています。化粧品のものは、角層で水分を抱えてうるおいを保ちます。

ヒアルロン酸Naとヒアルロン酸ナトリウムは違うものですか?

同じものです。成分の表示名称では、元素記号のNaを元素名のナトリウムに置き換えて書けます。成分表では、加水分解ヒアルロン酸やアセチルヒアルロン酸Naなどの仲間も見かけます。

飲むヒアルロン酸やコラーゲンは、塗るものと同じですか?

別のものとして考えます。飲むものは食品で、化粧品とは国の区分が違います。食べたコラーゲンは、おなかでアミノ酸やペプチドまで分解されてから吸収されます。

あるコスメオタクの写真

この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

ひとことメモ:仕上がりや使用感には個人差があります。記載内容はブランドが公表している情報、および実際に使用した際の内容に基づくものです。

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