この記事でわかること
- 家庭用LED美顔器の区分と、言える範囲
- 光の色による届く深さの違いと、研究の結果
- 目の安全、使えない人、続ける時間の3つのデメリット
LED美顔器は光を当てるだけで手軽そうですが、本当に効果があるのか、目に悪くないのか、買う前に迷いますよね。
結論から言うと、家庭用のLED美顔器は医療機器ではない雑貨が基本で、言えることは化粧品と同じ程度の範囲までです。デメリットとして知っておきたいのは、目の安全、使えない人がいること、続ける時間がいることの3つです。まずは、区分から見ていきましょう。
LED美顔器で買う前に知っておきたい、3つのデメリットです。
目の安全
ゴーグルをつけて
直視しない
使えない人
光に敏感になる
薬や持病など
時間と継続
1回で
変わらない
家庭用のLED美顔器は、医療機器ではない雑貨が基本
家庭用のLED美顔器は、病気の治療を目的としない美容用の機器として扱われ、医療機器ではない雑貨として売られているものが基本です。医療機器かどうかは、何を目的にした機械かで決まるからです。
たとえば経済産業省は2003年、660nmのLEDの光を体に当てる美容用機器について、疾病の治療を行うものではないため家庭用光線治療器とはみなせない、と判断しています。雑貨として売る美容機器が表示できるのは、肌のキメを整える、肌を滑らかに保つといった化粧品に認められた効能と同程度の範囲までで、たるみを引き締めて小顔にする、血行をよくする、新陳代謝を促すといった目的の機器は医療機器に当たります。この考え方は、美顔器全般の記事でくわしく書いています。
医療機器はリスクの低い順に一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器に分かれます。家庭用で光を使う管理医療機器の一般的名称にあるのは家庭用赤外線治療器や家庭用紫外線治療器です。箱に一般医療機器や管理医療機器と書かれていても、その機器が届け出たり認証を受けたりした範囲でのことで、医師が使うレーザーや光線療法の装置とは別物です。
買う前に、製品本体や外箱の表示で区分を確かめることから始めましょう。
光の色で届く深さが違い、青は浅く、赤と近赤外はより深い
LED美顔器の光は色ごとに波長が違い、肌に届く深さも違います。青い光は肌の浅いところで吸収と散乱が最も大きく、赤と近赤外の光はそれより深くまで届くからです。
青い光は肌の浅いところで吸収されやすく、赤と近赤外の光はそれより深くまで届きます。
赤から近赤外の光は、細胞の中でエネルギーをつくるミトコンドリアの酵素に受け取られる、という考えが多くの研究者に支持されています。ニキビの研究で使われているのは青が414〜445nm、赤が630〜670nmの光で、しわの研究では633nmの赤と830nmの近赤外が使われています。家庭用のマスクにも、赤630nmと近赤外830nmの組み合わせのように、研究で使われた波長に近い光を出す製品があります。
研究が集まっているのは青と、赤・近赤外の光なので、色の数の多さより、どの色の光かを見て選ぶのがおすすめです。
研究は、ニキビとしわの結果が中心
光を当てるだけで本当に変わるのか、気になりますよね。LED美顔器の研究で結果が出ているのは、おもにニキビとしわです。青い光はニキビの研究に、赤と近赤外の光はニキビとしわの研究に使われてきたからです。
たとえば、家庭用の機器で赤か青、または両方の光を当てると、白い光や偽の機器と比べてニキビの数の減り方が大きかったという結果があります。報告された副作用は、軽い乾燥、かゆみ、赤み、皮むけなどでした。医療機関で行う青色光療法は、日本皮膚科学会のニキビの診療ガイドラインで「行ってもよい」という位置づけです。
しわについては、830nmと633nmの光を当てた側で、しわの計測値が最大で36%減り、弾力が最大で19%上がったという結果があります。ただ、これは医療機関用のLED装置の結果で、家庭用のマスクとは装置も光の量も違います。
家庭用のLED美顔器は、化粧品の延長にある手入れのひとつとして、期待しすぎずに使うのがちょうどいいでしょう。
デメリット1。目を守るため、ゴーグルをつけて直視しない
LED美顔器を使うときは、付属のゴーグルをつけて、光を直視しないことが基本です。青い光には、目の網膜への影響が心配されているからです。
2019年には、オーストラリアの医薬品の規制当局が、赤と青の光を当てる家庭用のニキビ用マスクを、青い光の目への安全性に懸念があるとして回収しています。網膜色素変性症や眼白子症などの遺伝性の目の病気がある人や、目の光への感受性を高める薬を飲んでいる人では網膜が傷つくおそれがあるという内容で、報告された目の症状は、おおむね軽く、まれで、一時的なものでした。
青い光そのものについても、フランスの衛生安全の機関が2019年、網膜への光毒性として、強い光を短時間浴びたときの急性の影響と、長く浴び続けたときの加齢黄斑変性のリスク上昇を挙げ、水晶体が青い光を十分にさえぎらない子どもは特に影響を受けやすいとしています。これは照明や画面についての勧告ですが、LED美顔器も目のすぐ前で光を出す機器です。画面の青い光と肌の関係は、ブルーライトの記事で分けて書いています。
目を閉じていても、ゴーグルをつけてから光を当てる習慣にしておくと安心です。
デメリット2。光に敏感になる薬や持病、妊娠中、肌トラブル中は使えない
LED美顔器には、使えない人がいます。光に対する反応は、体の状態や飲んでいる薬で変わることがあるからです。
家庭用のLEDマスクの取扱説明書では、妊娠中や授乳中の人、エリテマトーデスや光線過敏症などの光に関わる病気の人、光線過敏症を起こす可能性のある薬を飲んでいる人、湿疹や皮膚トラブルが出ている人、皮膚のアレルギーがある人は使わないこととされています。薬を飲んでいる人、12歳未満の人、高齢の人、慢性の病気がある人は、使う前に医師に相談するよう案内されています。
光線過敏症は、ふつうなら反応を起こさない量の紫外線でも肌が炎症を起こす状態で、薬が原因になることがあります。病院の薬剤部の案内では、キノロン系やテトラサイクリン系の抗菌薬、チアジド系の利尿薬を含む降圧薬、ケトプロフェンやジクロフェナクの湿布や塗り薬などが例に挙げられ、降圧薬では飲み始めて1〜2か月ごろに出ることが多いとされています。これは紫外線での話ですが、薬で光に敏感になっている人は、自分で判断せずに医師か薬剤師に相談してから使いましょう。美容医療の施術のあとの肌も、クリニックの指示が最優先です。
当てはまるか迷うときは、使う前に医師か薬剤師に相談するのがいちばん安全です。
デメリット3。1回では変わらず、続ける時間がいる
LED美顔器は、1回使って何かが変わる機器ではなく、続ける時間がいります。研究で変化が出たのも、決まった回数を続けて使ったあとだからです。
LED美顔器を使う前と使うときに確かめたい4つの手順です。
見る
確かめる
をつける
守る
取扱説明書の例では、1回10分か20分で、それを超えて使わないこととされ、週2〜3回から始めて週4〜5回までを目安にしています。家庭用LED機器で報告された副作用は、軽い乾燥、かゆみ、赤み、皮むけ、ほてり、頭痛、ニキビの一時的な悪化などです。赤みやひりつきが続くときは使うのをやめて、ひかない場合は皮膚科に相談しましょう。
買ってはいけない美顔器があるとすれば、それは特定の製品ではなく、医療機器と同じ効果がある、何週間で必ず変わる、という言葉で選んでしまうことです。続けられるかどうかも含めて考えてみてください。
まとめ
- 家庭用LED美顔器は医療機器ではない雑貨が基本で、言えるのは化粧品と同じ程度の範囲までです
- 青い光は肌の浅いところで吸収されやすく、赤と近赤外の光はより深くまで届きます
- 研究の結果はおもにニキビとしわで、しわの結果は医療機関用の装置のものです
- ゴーグルをつけて光を直視しないことが基本で、光に敏感になる薬や持病、妊娠中、肌トラブル中は使えません
- 1回10〜20分を週に数回、続けて使う道具です。医療機器と同じ効果をうたう言葉では選ばないようにします
LED美顔器は、区分の上でも化粧品の延長にある道具です。目を守り、使えない人に当てはまらないかを確かめたうえで、長く続けられるかどうかも含めて考えてみてください。
よくある質問
LED美顔器のデメリットは何ですか?
目の安全、使えない人がいること、続ける時間がいることの3つです。家庭用の多くは医療機器ではない雑貨で、言えるのは化粧品と同じ程度の範囲までです。1回で変わる機器ではなく、1回10〜20分を週に数回、続けて使うことが前提です。
LED美顔器に効果はありますか?
家庭用の機器で赤や青の光を当てると、ニキビの数の減り方が大きかったという結果があります。しわの結果は医療機関用の装置のものです。家庭用は雑貨で言えるのは化粧品と同じ程度の範囲までなので、化粧品の延長として期待するのがちょうどいいでしょう。
LED美顔器は目に悪いですか?
青い光と網膜についての懸念があり、ゴーグルをつけて直視しないことが基本です。2019年にオーストラリアの規制当局が、遺伝性の目の病気がある人や目の光への感受性を高める薬を飲んでいる人で網膜が傷つくおそれがあるとして、赤と青の光を当てる家庭用マスクを回収しています。
LED美顔器を使ってはいけない人は?
妊娠中・授乳中、光に関わる病気、光線過敏症を起こす薬、肌トラブル中の人です。家庭用LEDマスクの取扱説明書では、これらの人は使わないこととされ、薬を飲んでいる人、12歳未満、高齢の人、慢性の病気がある人は使う前に医師に相談するよう案内されています。
買ってはいけない美顔器はありますか?
特定の製品ではなく、医療機器と同じ効果をうたう言葉で選ぶことが避けたい点です。家庭用LED美顔器は医療機器ではない雑貨が基本で、言えるのは肌のキメを整えるなど化粧品と同じ程度の範囲までです。箱の表示を見て区分を確かめ、使えない人に当てはまらないかを先に確かめましょう。
この記事で参照した情報
- 経済産業省「電気用品安全法 対象・非対象の解釈 光波美容器」(2003年5月26日)
- 東京都保健医療局 健康安全部薬務課「雑貨等の広告について(薬事該当性)」
- 東京都保健医療局「医療機器のリスク分類と販売業・貸与業の許可・届出」
- 島根県浜田保健所「医療機器の一般的名称(管理医療機器・一般医療機器)」
- Veloso TM, da Fonseca AS, Costa dos Santos G Jr. Effects of light-emitting diodes on cell biology. Front Photonics 2022;3:1018773
- Ershadi S, Barbieri JS. At-Home LED Devices for Acne Vulgaris: A Systematic Review and Meta-Analysis. JAMA Dermatol 2025;161(5):552-555
- Lee SY, et al. A prospective, randomized, placebo-controlled, double-blinded, and split-face clinical study on LED phototherapy for skin rejuvenation. J Photochem Photobiol B 2007;88(1):51-67
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」CQ17
- オーストラリア政府 Product Safety「Light Therapy Acne Mask and Activator リコール」(PRA 2019/17693)
- ANSES(フランス食品環境労働衛生安全庁)「LEDs: ANSES's recommendations for limiting exposure to blue light」(2019年5月14日)
- 一宮市立市民病院 薬剤局 DIニュース「薬剤性光線過敏症」(2021年8月)
- 家庭用LEDフェイスマスク 取扱説明書(輸入販売元、2022年8月)