この記事でわかること
- リップをこまめに塗ってもいい理由
- なめる癖としみる成分が乾きにつながるしくみ
- 荒れが続くときの相談先
「リップは塗りすぎると、かえって唇が乾く」と聞くと、何回までなら塗っていいのか迷いますよね。
結論から言うと、リップをこまめに塗ること自体は問題ではありません。乾く原因として挙がるのは、塗る回数よりも、なめる癖と、唇の刺激になる成分です。
リップは、こまめに塗ってかまわない
乾いた唇には、リップを1日に何度か塗るのがすすめられています。唇は水分が逃げやすく、油分でふたをするのがいちばん役に立つからです。
たとえば、米国皮膚科学会は、乾いた唇に、リップを1日に何度かと寝る前に塗るよう勧めています。日本の化粧品の用語集でも、唇の手入れは、油分で水分が逃げるのをさえぎるのがもっとも効果的とされます。
つまり、塗る回数を減らす必要はないのです。
乾く原因は、なめる癖と、しみる成分
「塗りすぎで乾く」と感じるときの原因として挙がるのは、なめる癖と、リップの成分です。唇は、もともと乾きやすく刺激を受けやすい場所だからです。
唇には肌のような油の膜がなく、角層もとても薄いので、水分が逃げやすくなっています。乾くとついなめたくなりますが、つばが蒸発するとき、唇はさらに乾きます。
乾くとなめ、なめるとさらに乾く、というくり返しの流れです。
乾く
しめらす
蒸発する
長引く
乾くとなめ、なめると乾く、のくり返しで、荒れが長引きやすいのです。
もうひとつは成分です。清涼感を出すメントールやカンフル、香料や香味は、荒れた唇の刺激になりうるとされます。日本皮膚科学会の指針でも、唇のかぶれの原因にリップクリームが挙がっています。塗ってヒリヒリするなら、効いている合図ではなく、その製品が唇を刺激しているサインです。
なめずに塗り、しみるリップはやめる
なめたくなったら、なめずにリップを塗りましょう。なめる癖を止めることが、くり返しから抜け出す近道だからです。
荒れている間は、香りや清涼感の少ないものを選び、成分表で「メントール」「香料」を探してみましょう。量や回数は、製品の使い方の欄に従います。化粧品で言えるのは「口唇の荒れを防ぐ」「口唇を保護する」までです。
2〜3週間たっても良くならないときは、口唇炎という唇の炎症かもしれません。皮膚科の話なので、製品を持って相談しましょう。
まとめ
- 皮膚科の団体は、リップをこまめに塗るよう勧めている
- 唇は油の膜がなく、角層が薄いので乾きやすい
- 乾く原因になりやすいのは、なめる癖と刺激になる成分
- なめたくなったら、なめずに塗る
- ヒリヒリしたらやめ、荒れが続けば皮膚科へ
回数を減らすより、なめずに、しみないリップを選んで塗りましょう。
よくある質問
リップクリームは、1日に何回塗ってもいいですか?
製品の使い方の欄に従うのが基本です。米国皮膚科学会は、乾いた唇に1日に何度かと、寝る前に塗るよう勧めています。
リップを塗るとヒリヒリするのはなぜですか?
その製品が唇を刺激しているサインと考えられます。効いている合図ではないので、使うのをやめましょう。続くときは皮膚科で相談してください。
唇をなめるのは、よくないのですか?
なめると、かえって乾きやすくなります。つばが蒸発するとき、唇はさらに乾くからです。なめたくなったら、刺激の少ないリップを塗りましょう。
この記事で参照した情報
- 米国皮膚科学会(AAD)「7 dermatologists' tips for healing dry, chapped lips」
- Bhutta BS, Hafsi W. Cheilitis. StatPearls(2023年8月更新)
- Art of prevention: Practical interventions in lip-licking dermatitis. International Journal of Women's Dermatology 2020
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「唇」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「リップケア」
- 日本皮膚科学会接触皮膚炎診療ガイドライン改定委員会「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」(日本皮膚科学会雑誌130巻4号)
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)