使い方と選び方やさしい解説

飲む日焼け止めとは|効果の根拠と、塗る日焼け止めの代わりにならない理由

あるコスメオタク・2026.10.06・更新 2026.10.21・使い方と選び方

飲むだけで日焼けを防げるなら、塗る日焼け止めはもう要らないのでは、と思いますよね。

結論から言うと、「飲む日焼け止め」と呼ばれるものは薬ではなく食品で、塗る日焼け止めの代わりにはなりません。飲んだ人が日差しで赤くなりにくくなったという結果はありますが、その差は塗る日焼け止めよりずっと小さく、日差し対策の基本は日陰や帽子、服、そして塗る日焼け止めです。まずは、どんな仕組みで売られているのかから見ていきましょう。

飲む日焼け止めは、日本では食品として売られている

「飲む日焼け止め」は、日本では医薬品ではなく食品として売られています。商品の種類の正式な名前ではなく、紫外線対策をうたうサプリメントの通称で、いわゆる健康食品か、機能性表示食品のどちらかになります。

いわゆる健康食品は、健康を保つ効果などをうたって食品として売られるものを広く指す言葉で、国が中身を審査する仕組みはありません。機能性表示食品は、事業者が安全性と機能性の科学的根拠などを、販売前に消費者庁長官へ届け出れば、機能性を表示できる制度です。

機能性表示食品は、事業者が自分の責任で根拠を届け出て表示する食品です。

事業者が
根拠を示す
販売前に
届け出る
国は
審査しない
表示は
助けるまで

いわゆるトクホ、特定保健用食品とは違って、機能性表示食品は国が審査をしません。表示が正しいかどうかは、事業者が自分の責任で担います。食品なので薬のような効き目はうたえず、医薬品のような効能をうたえば、法律上は医薬品として扱われます。消費者庁も、インターネットで売られる健康食品の大げさな表示の例として、日焼け止めに効果があるとうたうものを挙げて、表示を改めるよう求めています。どちらの形で売られていても、国が効き目を確かめた食品ではありません。

機能性表示食品の表示は、紫外線から肌を守るのを助ける、まで

紫外線に関わる機能性表示食品の表示は、紫外線の刺激から肌を守るのを助ける、という言い方にとどまります。紫外線を防ぐ、跳ね返すとは書かれていません。

たとえば、乳酸菌とコラーゲンペプチド、スフィンゴミエリンを組み合わせた食品では、紫外線の刺激から肌を保護するのを助ける機能と、肌のうるおいを保ち乾燥をやわらげる機能がある、という趣旨の表示です。アスタキサンチンを1日6mgとる食品では、紫外線の刺激から肌を守るのを助ける機能や、肌のうるおいと弾力を保つ機能が報告されている、という趣旨の表示があります。

どちらも、届け出た事業者が自分で根拠を示した表示で、国が効き目を認めたという意味ではありません。届出の内容は消費者庁のデータベースで誰でも見られるので、広告の言葉が届出の文より強くなっていないかを見比べると安心です。

飲んだ試験では、日差しで赤くなりにくくなったという結果がある

飲む日焼け止めに使われる成分では、飲んだ人が紫外線で赤くなりにくくなったという結果があります。試験では、紫外線を当てて肌がかすかに赤くなるのに必要な最も少ない量、つまり最小紅斑量が増えたかどうかを見ます。この量が増えるほど、赤くなりにくいということです。

たとえば、ローズマリーの葉とグレープフルーツのポリフェノールを組み合わせて飲むと、最小紅斑量が約27〜30%増えたという結果があります。アスタキサンチンでも、偽物を飲んだ人より最小紅斑量が増えたという結果があり、ビタミンCとビタミンEを一緒に飲んだ試験でも増えています。ポリポディウム・ロイコトモスという植物の葉のエキスでは、飲んだあとに紫外線を当てると、赤みが小さくなったという結果があります。

試験をまとめた報告でも、ポリフェノールの仲間やコラーゲンなどで最小紅斑量が増えるなどの変化が見られています。ただ、どれも赤くなるまでの紫外線の量が少し増える、という程度の変化です。

その差は、塗る日焼け止めのSPFとは桁が違う

飲む試験で見られた変化は、塗る日焼け止めのSPFとくらべると、桁違いに小さいものです。SPFも、同じ最小紅斑量を使って、塗ったところと塗っていないところをくらべた倍率だからです。

SPF30なら、決められた条件で、赤くなるまでの紫外線の量が30倍になります。いっぽう、ローズマリーとグレープフルーツの試験では、増えたのは約27〜30%でした。測り方の条件が違うので、飲む試験の数字をSPFに置きかえることはできませんが、増え方の大きさがまったく違うことはわかります。

飲むものだけで日差しの中に出るのは、塗る日焼け止めの代わりとしては足りないと考えましょう。

環境省と皮膚科の紫外線対策は、日陰・服・塗る日焼け止め

公的な紫外線対策の基本は、日陰や帽子、服で紫外線を減らし、そのうえで日焼け止めを塗ることです。環境省と日本皮膚科学会の資料に挙げられている対策に、サプリメントや飲むものは入っていません。

環境省と日本皮膚科学会が挙げる紫外線対策の基本で、飲むものは入っていません。

強い時間を
避ける
日陰や
日傘を使う
帽子や
服で覆う
日焼け止め
を塗る

環境省の紫外線環境保健マニュアル2020は、紫外線の強い時間帯を避ける、日陰を使う、日傘や帽子を使う、衣服で覆う、サングラスをかける、日焼け止めを上手に使う、の6つを挙げています。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aも、日傘やつばの広い帽子、長袖、長ズボンで皮膚に届く紫外線をできるだけ減らすことを第一とし、そのうえで日焼け止めを塗るとしています。

海外では、アメリカの食品医薬品局が、紫外線のUVAとUVBから守ると表示したサプリメントの販売会社に警告書を出しています。そうした表示は薬にあたり、その製品は承認を受けていない薬になる、というのが理由です。食品に、日焼け止めの役目を任せることはできないのです。

使うなら、紫外線対策の基本に足す補助として

飲む日焼け止めを使うなら、日陰や日傘、帽子、服、塗る日焼け止めに足す補助として考えます。試験で見られた変化は小さく、基本の対策の代わりにはならないからです。

とる量は、研究で使われた量ではなく、手元の製品の表示どおりにしましょう。研究では、一般的なサプリメントよりかなり多い量が使われていることもあります。

差が出やすいのは、むしろ塗る日焼け止めの量と塗り直しです。環境省のマニュアルは、顔では手のひらに1円玉を置いたくらいの面積が埋まる量を2回塗り、2、3時間おきに塗り直すことをすすめています。飲むものを足すかどうかより先に、塗る量と回数を守るほうが、紫外線対策としては確かです。

まとめ

飲むものを足すかどうかは、塗る日焼け止めを量どおりに塗り、こまめに塗り直してから考えても遅くありません。

よくある質問

飲む日焼け止めとは何ですか?

紫外線対策をうたうサプリメントの通称で、日本では医薬品ではなく食品として売られています。いわゆる健康食品か機能性表示食品で、国が効き目を審査したものではありません。

飲む日焼け止めは塗る日焼け止めの代わりになりますか?

代わりにはなりません。環境省と日本皮膚科学会の紫外線対策は日陰・日傘・帽子・衣服と塗る日焼け止めで、飲むものは入っていません。

飲む日焼け止めの効果はどれくらいですか?

飲んだ試験で、赤くなるまでに必要な紫外線の量が約27〜30%増えたという結果があります。SPF30は決められた条件で30倍なので、増え方は桁が違います。

機能性表示食品なら国が効果を認めていますか?

認めていません。事業者が科学的根拠を消費者庁長官に届け出る制度で、トクホと違って国は審査をしません。

飲む日焼け止めはどう使えばいいですか?

塗る日焼け止めや日傘、帽子、服に足す補助として、製品の表示どおりにとります。研究で使われた量をそのまま飲む目安にはしません。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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