この記事でわかること
- 顔に塗る日焼け止めの量と、2回重ねる理由
- 塗り直しの目安と、メイクの上からの塗り直し方
- 耐水性の★の意味と、紫外線が強い時期・時間帯
日焼け止めを塗っているのに焼けてしまうと、量が足りないのか、塗り直しが必要なのか迷いますよね。
結論から言うと、顔には1円硬貨1個分を2回重ねて塗り、2〜3時間おきに塗り直すのが基本です。クリーム状なら1回分はパール粒1個分です。SPFの数字を上げることより、この量と塗り直しのほうが大切です。
顔には1円硬貨1個分を、薄く2回重ねて塗る
顔に塗る量は、1回分を2回重ねるのが目安です。環境省のマニュアルで、具体的な量と塗り方が示されています。
1回分は、液状に出るタイプなら1円硬貨1個分、クリーム状に出るタイプならパール粒1個分です。手のひらに取り、額、鼻の上、両頬、あごに分けて置いてから、まんべんなくていねいに塗り伸ばします。そのあと、もう一度同じ量を重ねます。
顔には、この手順を2回くり返して、測ったときの量に近づけます。
手にとる
分けて置く
伸ばす
重ねる
よく聞く「500円玉大」という覚え方より、一度に多く取らず、薄く2回重ねるのがポイントです。何か所かに分けて置くと、塗り忘れや塗りムラを避けられます。鼻の頭や肩、背中の上のほうなど、日光にさらされやすいところは念入りに塗りましょう。
腕や脚は、表と裏に1本ずつ直線を描くようにつけてから、手のひらでらせんを描くように伸ばすと、ムラになりにくくなります。顔も体も、分けて置いて、薄く重ねると覚えておけば大丈夫です。
SPFは決まった量で測った値。少なく塗ると下がる
SPFは、決まった量を塗ったときに、どれだけ赤くなる日焼けを防げるかを表す数字です。だから塗る量が少ないと、表示どおりには働きません。
測り方はこうです。人の背中の何も塗っていないところに、5、6段階の量の紫外線を当てます。翌日かすかに赤くなった場所のうち、いちばん少ない紫外線の量を最小紅斑量とします。日焼け止めを塗ったところでも同じように測り、塗ったところの最小紅斑量を、塗っていないところの最小紅斑量で割った値がSPFです。
このとき塗る量は、1平方センチあたり2ミリグラムと決まっています。実際に使うときの効果は、その人の紫外線への敏感さや、塗る量、汗のかき方に左右されます。環境省が「2回塗る」としているのも、薄く1回では足りないという前提に立った目安です。
PAも同じ考え方で、UVAを当てて肌が黒くなる反応を目印に比を求め、PA+からPA++++の4段階に分けます。また、SPFは足し算になりません。下地の20とファンデーションの30を重ねても、50にはならないのです。数字は、決まった量を塗ってはじめて出る値と考えましょう。
塗り直しは2〜3時間おき。肌の上に残っているぶんだけ働く
日焼け止めは、肌の上に残っているぶんだけ働きます。手や服に触れたり、汗をかいてタオルやハンカチで拭いたりすると、落ちてしまうからです。
そのため、落ちたと思ったらすぐに重ね塗りをし、そうでなくても2、3時間おきに塗り直すことがすすめられています。この目安は、環境省と日本化粧品工業会の資料で同じです。SPFやPAの数値が高くても、濡れたり拭いたりして落ちてしまえば、表示どおりには働きません。
塗り忘れやすいのは、耳、首、襟元、袖まわり、うなじ、腕の後ろ、足の甲です。朝の1回で1日もつ、と思いがちですが、外にいるあいだはこまめに足すことが大切です。
メイクの上からは、汗や皮脂を押さえてから重ねる
メイクをしている日は、汗や皮脂を押さえてから、スプレーやスティック、パウダーの日焼け止めを重ねます。メイクの上から使いやすい形だからです。
メイクの上からの塗り直しに、公的な決まった手順はありません。製品の使い方の説明では、まずティッシュで汗や皮脂を軽く押さえ、肌が濡れていれば水気を取ってから重ねる方法が紹介されています。
メイクの上から塗り直すときの流れです。
押さえる
とる
重ねる
おきに
スプレーの日焼け止めは、顔に直接吹きつけず、いったん手のひらに出してから少しずつなじませます。米国食品医薬品局も顔に直接吹きつけないよう注意していて、米国皮膚科学会は、吸い込まないよう顔や口のまわりや風に向かって吹きつけないこと、吹きつけたあとは手でのばしてムラなく覆うことをすすめています。
メイク品のSPFだけで済ませるのは心配が残ります。SPFは決まった量を塗って測った値で、塗る量が少なければ下がるからです。米国皮膚科学会も、SPF入りの化粧品を使っていても、外にいるときはおよそ2時間ごとに日焼け止めを塗り直すようすすめています。
耐水性の★は「落ちにくさ」の目安で、「強さ」ではない
★マークは、水に濡れても落ちにくいかどうかの目安で、紫外線を防ぐ強さの目安ではありません。
★はUV耐水性の表示で、塗った膜が水で取れにくいことを示します。★と★★の2段階があり、測り方は国際規格にもとづいていますが、★で表示するのは日本だけのルールです。
日本化粧品工業会によると、★は水にふれる場面で効果が保たれることを示すもので、汗に対して効果が保たれることを示すものではありません。★の製品を2つ重ねても★★相当にはならず、耐水性が保てる時間も一律には示せません。SPFとPAが同じなら、耐水性の表示があってもなくても、紫外線を防ぐ効果は同じです。
★の多い製品でも、結局は2〜3時間を目安にこまめに塗り直すことに戻ってきます。
紫外線は4〜9月と、夏の10〜14時に集中する
紫外線は、1年では4〜9月、1日では正午をはさむ時間に集中します。この時期と時間を知っておくと、塗り直しや外での過ごし方を決めやすくなります。
1年のうちでは春から初秋にかけて強く、4〜9月に1年間のおよそ70〜80%が降り注ぎます。1日のうちでは、夏は午前10時から午後2時までに1日のおよそ70%、冬は同じ時間帯に1日の80〜85%が集中します。南に行って緯度が低くなるほど強くなります。
環境省のマニュアルでは、紫外線の強い時間帯、おおむねUVインデックス3以上の時間を避けて外で過ごすことが第一で、日焼け止めはそのあとの手段です。日焼け止めも、いつ、何をするときに使うかで選ぶものです。強い時間を避けて、塗る量と塗り直しを守る。この順番で考えましょう。
まとめ
- 顔には液状なら1円硬貨1個分、クリーム状ならパール粒1個分を、5か所に置いて2回重ねる
- SPFは1平方センチあたり2ミリグラムを塗って測った値。少なく塗ると表示どおりには働きません
- 塗り直しは2〜3時間おき。落ちたと思ったらすぐ重ねます
- メイクの上からは、汗や皮脂を押さえてからスプレー・スティック・パウダーを重ねます
- 耐水性の★は「落ちにくさ」の目安。紫外線は4〜9月と夏の10〜14時に集中します
SPFの数字を上げるより、きちんと2回塗って、2〜3時間おきに足すほうが確実です。まずは明日の朝、2回重ねるところから始めてみましょう。
よくある質問
顔に塗る日焼け止めの量はどのくらい?
液状なら1円硬貨1個分、クリーム状ならパール粒1個分を2回重ねて塗ります。額、鼻の上、両頬、あごに分けて置き、まんべんなく伸ばしてから、もう一度同じ量を重ねます。
日焼け止めはどのくらいの間隔で塗り直す?
2〜3時間おきが目安です。手や衣類に触れたり、汗を拭いたりすると落ちるので、落ちたと思ったらすぐに重ね塗りしましょう。
メイクの上から日焼け止めを塗り直すには?
汗や皮脂をティッシュで押さえてから、スプレー・スティック・パウダーの日焼け止めを重ねます。スプレーは顔に直接吹きつけず、手のひらに出してからなじませます。
下地とファンデーションのSPFを重ねると足し算になる?
なりません。たとえばSPF20の下地とSPF30のファンデーションを重ねても、SPF50にはなりません。
耐水性の★が多いほど紫外線を防ぐ力が強い?
いいえ、★は水に濡れたときの落ちにくさの目安です。同じSPF・PAなら、耐水性の表示があってもなくても紫外線を防ぐ効果は同じで、汗への強さを示すものでもありません。
この記事で参照した情報
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル 2020」(2020年3月改訂版)
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「SPF」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「PA」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「サンプロテクター」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「サンバーン」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「サンタン」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「ウォータープルーフ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「紫外線防御」
- 花王 スキンケアナビ「紫外線を防ぐケア」
- 日本化粧品工業会「紫外線編」
- 日本化粧品工業会「紫外線の防ぎ方」
- 日本化粧品工業会「紫外線編 よくあるご質問」(UV耐水性)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「サンスクリーン剤の使い方」
- 米国食品医薬品局「日焼け止め:日差しから肌を守るには」
- 米国皮膚科学会「日焼け止めのよくある質問」
- コーセー「UVカット化粧品に関するQ&A」
- 資生堂 アネッサ「日焼け止めの使用期限・使用方法とは」
- 花王 よくあるご質問(スプレータイプの日焼け止めの使い方)
- 日本化粧品工業会「紫外線防止効果関連の自主基準」
この記事が入っているテーマ別まとめ