- 成分表示の名前
- パンテノール(医薬部外品ではD-パントテニルアルコール)
- 入っている理由
- 肌や髪のうるおいを保つため(保湿)
- 安全性のめやす
- 米国の専門家委員会が今の使い方と濃度なら安全としていますが、まれにかぶれの報告があります
この記事でわかること
- パンテノールが肌の中で変わるもの
- 乾燥に向く理由
- 肌荒れに向く理由
化粧水やヘアケア製品の成分表でパンテノールを見かけて、何のために入っているのか、肌荒れにいいのか気になりますよね。
結論から言うと、パンテノールは、肌のいちばん外側の角層のうるおいを保つために入っている保湿成分です。角層から逃げる水分を減らすので、乾燥や肌荒れが気になるときに向いています。
パンテノールは、肌の中でビタミンB5に変わる保湿成分
パンテノールは、肌に塗ると吸収され、パントテン酸に変わるとされる成分です。パントテン酸は、ビタミンB5とも呼ばれるビタミンです。
化粧品での役目は、肌のうるおいを保つ保湿成分です。髪を整える成分としても使われます。
乾燥に向くのは、角層から逃げる水分を減らすから
パンテノールが乾燥に向くのは、角層から逃げる水分を減らすからです。乾燥は、角層の水分が外へ逃げて、うるおいが足りなくなることで起きます。
パンテノールを塗ると、角層から逃げる水分が減り、うるおいが保たれます。
実際に、パンテノールを1%や5%入れた製剤を塗り続けると、肌から逃げる水分の量が減ったという結果があります。化粧品で言えるのは、製品として「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」までです。
水分の出口を減らして、角層にうるおいをとどめる成分と考えるとわかりやすいです。
肌荒れに向くのは、刺激を受けても角層の水分を保つから
パンテノールが肌荒れに向くのは、刺激を受けても角層の水分を保つからです。洗浄成分などの刺激を受けると、角層の水分が下がり、肌があれやすくなります。
たとえば、5%のパンテノールのバームを塗った肌に洗浄成分で刺激を与えると、塗っていない側だけ角層の水分が下がり、塗った側では水分が保たれたという結果があります。薬用の化粧水などに、有効成分として入った前例もあります。どの効能がつくかは、商品ごとの承認で決まります。
刺激から角層のうるおいを守る側の成分です。くわしくはパンテノールの記事で解説しています。
まとめ
- パンテノールは、肌の中でビタミンB5に変わるとされる保湿成分
- 角層から逃げる水分を減らすので、乾燥に向く
- 刺激を受けても角層の水分を保った結果があり、肌荒れに向く
まれにかぶれの報告もあるので、赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。
よくある質問
パンテノールとビタミンB5は、同じものですか?
同じではありません。パンテノールは、肌や体の中でパントテン酸、つまりビタミンB5に変わる前の形です。体の中で働くのは、変わったあとのパントテン酸です。
パンテノールは肌荒れや乾燥に向きますか?
向いています。塗ると肌から逃げる水分が減り、洗浄成分で刺激を与えても角層の水分が保たれたという結果があります。
薬用化粧品では、パンテノールは何と表示されますか?
医薬部外品では「D-パントテニルアルコール」と書かれます。化粧品では「パンテノール」と書かれ、原料としては同じものです。
パンテノールで、かぶれることはありますか?
まれに、かぶれの報告があります。アメリカの専門家の委員会は、今の使い方と濃度なら化粧品に安全に使えると結論していますが、赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「パントテン酸」
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- 厚生労働省「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて」(平成20年12月25日 薬食審査発第1225001号)
- Camargo FB Jr, Gaspar LR, Maia Campos PMBG. Skin moisturizing effects of panthenol-based formulations. J Cosmet Sci 2011;62(4):361-369
- Biro K, et al. Efficacy of dexpanthenol in skin protection against irritation: a double-blind, placebo-controlled study. Contact Dermatitis 2003;49(2):80-84
- Scott LN, et al. Safety Assessment of Panthenol, Pantothenic Acid, and Derivatives as Used in Cosmetics. Int J Toxicol 2022;41(3_suppl):77-128
- Weber B, Hylwa S. Panthenol Allergic Contact Dermatitis: Sources of Exposure, Reported Cases, and a Call for More Frequent Testing. Dermatitis 2025;36(4):343-351