- 成分表示の名前
- ペンチレングリコール
- 入っている理由
- うるおいを与え、製品を腐りにくくする補助のため(保湿・防腐補助)
- 安全性のめやす
- アメリカの専門家委員会は今の使い方と濃度なら安全と結論づけていますが、まれにかぶれの報告があります
この記事でわかること
- ペンチレングリコールがうるおいを与えるしくみ
- 「防腐剤フリー」の製品に使われる理由
- 安全性の評価とかぶれの報告
「防腐剤フリー」の化粧品の成分表でよく見かけるペンチレングリコール。何のために入っているのか、肌に悪くないのか、気になりますよね。
結論から言うと、ペンチレングリコールは肌にうるおいを与える保湿剤で、製品を腐りにくくする補助もする成分です。今の使い方なら安全と評価されています。まずは、肌の上での働きから見ていきましょう。
ペンチレングリコールは、うるおいを与える保湿剤
ペンチレングリコールは、角層に水分を抱えさせる保湿剤です。乾燥は、肌のいちばん外側の角層から水分が逃げて、うるおいが足りなくなることで起きます。
ペンチレングリコールは、グリセリンやBGと同じ仲間の多価アルコールで、水となじむ部分をもっています。そのため水分を抱えて、角層にうるおいを与えます。
ペンチレングリコールは水となじむ保湿剤で、角層にうるおいを与えます。
成分表で見かけたら、うるおいのために入っている保湿剤と読んでおけば十分です。
防腐剤リストにないので、「防腐剤フリー」に使われる
ペンチレングリコールは、防腐を助ける役目ももっています。菌がふえにくい状態をつくるので、ほかの防腐剤を減らしたり、使わずにすませたりできるからです。
化粧水、美容液、クリーム、日やけ止めなど、水を含む製品に広く入っていて、成分表ではまん中より上に出ることが多いです。日本の化粧品基準では、配合が制限される防腐剤のリストに入っていません。
「防腐剤フリー」とうたう製品に使われるのは、このためです。
安全と評価されているが、まれにかぶれる人もいる
ペンチレングリコールは、今の使い方と濃度なら安全と評価されています。アメリカの化粧品成分の専門家の委員会が結論づけたもので、化粧品での配合は多くても5%でした。
一方で、顔のクリームなどでかぶれた人の報告があり、パッチテストで陽性になったのは0.57%という結果があります。まれですが、赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。
まとめ
- うるおいを与える保湿剤で、防腐の補助もする
- 防腐剤のリストに入っていないので、「防腐剤フリー」の製品に使われる
- 安全と評価されているが、まれにかぶれの報告がある
「防腐剤フリー」でも何かで保存性を保っている、と知っておくと無添加の表示に迷いにくくなります。
よくある質問
ペンチレングリコールは防腐剤ですか?
日本の化粧品基準で配合が制限される防腐剤のリストには入っていませんが、防腐を助ける働きがあります。菌がふえにくい状態をつくるので、ほかの防腐剤を減らすために使われます。
「防腐剤フリー」の化粧品は、防腐剤入りより肌にやさしいですか?
必ずそうとは限りません。防腐剤のかわりにペンチレングリコールなどで保存性を保っていて、その成分にかぶれる人もいます。肌に合うかどうかは、成分ごとに見るのが実際的です。
ペンチレングリコールでかぶれることはありますか?
まれにあります。顔のクリームなどでかぶれた人の報告があり、パッチテストで陽性になったのは0.57%という結果があります。赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。
この記事で参照した情報
- Johnson W Jr, Bergfeld WF, et al. (Cosmetic Ingredient Review Expert Panel). Safety Assessment of 1,2-Glycols as Used in Cosmetics. Int J Toxicol 2012;31(5 Suppl):147S-168S
- 化粧品基準(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)
- Corazza M, Schenetti C, Schettini N, Zedde P, Borghi A. Pentylene glycol: An emerging cosmetic allergen? Contact Dermatitis 2022;86(1):44-46
- Gallo R, Guarneri F, et al. Frequency of contact allergy to pentylene glycol: retrospective cross-sectional study with data from SIDAPA. Contact Dermatitis 2024;90(3):314-317