成分辞典やさしい解説

ポリクオタニウムをやさしく解説!番号の意味とシャンプーでの役目とは?

あるコスメオタク・2026.09.29・更新 2026.10.21・成分解説

シャンプーの成分表で「ポリクオタニウム-10」のような番号つきの名前を見ると、何のために入っているのか、番号が大きいほうがいいのか、気になりますよね。

結論から言うと、ポリクオタニウムはプラスの電気をもつ大きな分子の仲間で、すすぎのときに髪に付いて指どおりをよくするために入っています。後ろの番号は成分を見分けるためのもので、数字が大きいほど強い、良いという意味はありません。まずは、髪に付くしくみから見ていきましょう。

ポリクオタニウムは、プラスの電気でマイナスの髪に付く

ポリクオタニウムが髪に付くのは、プラスの電気をもつ分子が、マイナスの電気を帯びた髪の表面に引き寄せられるからです。

髪の表面は、ふだんの状態ではマイナスの電気を帯びています。髪はpHが約3.67のところでプラスとマイナスがつり合うため、それより酸性の弱い水の中ではマイナスに傾くのです。ブリーチなどで傷んだ髪では、マイナスの電気がさらに多くなります。髪の中の結びつきが酸化されて、酸性の部分が増えるためです。

マイナスの電気を帯びた髪に、プラスの電気をもつポリクオタニウムが引き寄せられます。

ポリクオタニウム 髪の表面

プラスとマイナスが引き合うので、ポリクオタニウムは髪の表面に付きます。トリートメントに入るベヘントリモニウムクロリドも、同じようにプラスの電気で髪に付く成分です。ポリクオタニウムは、プラスの電気を手がかりに髪に付く成分です。

シャンプーでは、すすぎでできる小さなかたまりが髪に付く

シャンプーの中のポリクオタニウムは、すすぎで水に薄まったときにできる小さなかたまりとして髪に付きます。シャンプーは、すすぎの途中でこのかたまりができるように組み立てられているからです。

原液の中のポリクオタニウムは、マイナスの電気をもつ洗浄成分と一緒に溶けています。すすぎで水に薄まると、ある濃さのところで液が2つに分かれ、小さなかたまりが現れます。このかたまりはコアセルベートと呼ばれ、ポリクオタニウムと洗浄成分がまとまってできたものです。

ポリクオタニウムは、枠で囲んだ「かたまりができる」ところで洗浄成分とまとまり、髪に付きます。

原液では
溶けている
すすぎで
薄まる
かたまり
ができる
髪に付いて
なめらか

コアセルベートが髪に付くことで、髪がなめらかになるとされています。コアセルベートのできる濃さの範囲や量、髪への付きやすさによって、すすぎのときの感触が変わることが研究で示されていて、その性質は、ポリクオタニウムがもつプラスの電気の多さや分子の骨組みで変えられるとされています。硫酸系の洗浄成分を使わない市販のシャンプーでも、コアセルベートの量や粒の大きさと使い心地の関係が調べられています。

シャンプーのポリクオタニウムは、すすぎのときに働く成分と覚えておきましょう。

番号は成分を見分けるための目印で、大小に意味はない

ポリクオタニウムの番号は、別々の成分を見分けるための目印で、数字の大小が強さや安全性を表しているわけではありません。化粧品の成分に国際的な名前をつけるときの決まりで、任意の番号をつけてよいことになっているからです。

その決まりでは、4種類以上の材料をつないでできた大きな分子は、主な材料や分子のグループ名のあとに任意の番号をつけて名前にしてよく、例としてポリクオタニウム-1が挙がっています。番号は増え続け、少なくとも99まで進んでいます。

同じポリクオタニウムという名前でも、番号が違えば原料も性質も違う別の成分です。番号でわかるのは、別の成分だということだけで、ひとまとめにして良い悪いを決めることはできません。

代表的なものは、もとになる原料が違う

ポリクオタニウムは番号ごとに、もとになる原料が違います。どれもプラスの電気をもつ大きな分子ですが、骨組みになる材料が別々だからです。

シャンプーやトリートメントでよく見かけるのが、ポリクオタニウム-10です。セルロースからつくるヒドロキシエチルセルロースという成分に、プラスの電気をもつ部分をつけたもので、髪を整える、とろみをつける、やわらかさを与えるといった目的で、0.1%以下から5%ほどの濃さで使われます。ポリクオタニウム-7はアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドという2つの材料をつないだもの、ポリクオタニウム-11はビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートをつないだものの一部に、プラスの電気をもたせたものです。

名前にポリクオタニウムとつかない仲間もあります。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、豆からとれる多糖のグアーガムにプラスの電気をもたせたもので、カチオン化グアーとも呼ばれ、髪や肌を整える成分や、とろみをつける成分として使われます。

反対に、クオタニウム-15は名前が似ていますが、ポリクオタニウムの仲間ではなく、ホルムアルデヒドを出す防腐剤として知られる別の成分です。名前の頭に「ポリ」がつくかどうかを見てみてください。

代表的なものは、今の使い方で安全と評価されている

ポリクオタニウム-10、-7、-11とカチオン化グアーは、いずれも今の使い方で化粧品の成分として安全と評価されています。米国の化粧品成分の安全性を評価する専門家の委員会が、成分ごとに評価しているからです。

ポリクオタニウム-10は、含む製品を肌に使っても、刺激やアレルギー反応、光によるアレルギー反応は見られなかったという結果があります。皮膚から中へはほとんど入らず、髪や肌の表面のケラチンに付くとされています。ポリクオタニウム-11は、見直しの評価でも安全とされ、試験でアレルギー反応は起きなかったという結果があります。

ポリクオタニウム-7では、原料のアクリルアミドが製品に残る量は最大で10ppmほどで、毒性の面で問題にならないほど少ないと評価されています。カチオン化グアーは分子が大きいため、皮膚から中に入ることは起こりにくいと考えられています。

体質によっては合わないこともあるので、頭皮や顔に赤みやかゆみが出たら使うのをやめ、続くようなら皮膚科に相談しましょう。

番号やアクリルアミドの噂は言いすぎ

「番号が大きいほど高性能」「ポリクオタニウム-7は危ない」といった話を見かけると、不安になりますよね。どちらの話も、名前や材料の印象だけでふくらんだ言いすぎです。

番号は成分を見分けるための任意の番号なので、大きいほど高性能という話は成り立ちません。ポリクオタニウム-7のアクリルアミドも、材料としてつなげて使われるもので、製品に残る量はごくわずかと評価されています。

「髪にたまって重くなる」という話もよく聞きます。すすぎのあとの感触は、ポリクオタニウムの種類や組み合わせる洗浄成分で変わるので、重く感じるなら軽めの使い心地の製品を試してみるのが手軽です。噂は、評価された数字や使い心地で見直すと落ち着いて判断できます。

選ぶときは番号より使い心地で

ポリクオタニウムの番号から、シャンプーの良し悪しを判断することはできません。すすぎのときの感触は、ポリクオタニウムの種類や、組み合わせる洗浄成分によるコアセルベートのでき方で変わるからです。

シャンプーやトリートメントとして言えるのは「クシどおりをよくする」「毛髪の帯電を防止する」といった範囲です。たとえば、すすぎのときにきしむ、乾かしたあとにからまる、といったことが気になるかどうかを目安にすると選びやすくなります。

番号より、実際にすすいだときの使い心地で選ぶのが近道です。

まとめ

成分表でポリクオタニウムを見かけたら、番号の大きさではなく、すすいだあとの髪の手ざわりで相性を確かめてみてください。

よくある質問

ポリクオタニウムの番号は何を表していますか?

成分を見分けるための任意の番号です。数字の大小が、強さや安全性、プラスの電気の多さを表しているわけではありません。

ポリクオタニウムはシャンプーの中で何をしていますか?

すすぎで薄まったときに洗浄成分と小さなかたまりをつくり、それが髪に付いて指どおりをなめらかにするとされています。

ポリクオタニウムは安全ですか?

代表的なポリクオタニウム-10・-7・-11とカチオン化グアーは、今の使い方で化粧品の成分として安全と評価されています。頭皮や顔に赤みやかゆみが出たら、使うのをやめましょう。

ポリクオタニウム-7のアクリルアミドは心配ありませんか?

製品に残るアクリルアミドは最大で10ppmほどで、毒性の面で問題にならないほど少ないと評価されています。

クオタニウム-15はポリクオタニウムの仲間ですか?

仲間ではありません。名前は似ていますが、ホルムアルデヒドを出す防腐剤として知られる別の成分です。

この記事が入っているテーマ別まとめ

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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