- 成分表示の名前
- ポリソルベート80(20・60も同じ仲間)
- 入っている理由
- 水と油をなじませ、香料や油分を水に溶かしこむため
- 安全性のめやす
- アメリカの専門家委員会は、今の使い方と濃度なら化粧品に安全と結論づけています
この記事でわかること
- ポリソルベートが化粧品でしている役目
- 番号20・60・80のちがい
- 評価機関がどう結論づけているか
成分表でよく見かけるポリソルベート80。何のために入っているのか、「肌に悪い」と聞くけれど大丈夫なのか、気になりますよね。
結論から言うと、ポリソルベート80は、水と油をなじませるために入っている乳化剤です。化粧水では、香料や油分を水に溶かしこむ可溶化剤として使われ、化粧品の使い方なら安全と結論づけられています。
ポリソルベート80は、水と油をなじませる成分
ポリソルベート80は、水と油をなじませる界面活性剤です。1つの分子に、水と仲のよい部分と、油と仲のよい部分の両方があるからです。
糖から作るソルビトールに脂肪酸をつなぎ、水になじむ部分を足した形をしています。油を小さな粒にして水に散らすので、乳液やクリームでは乳化、化粧水では香料や油分を透明に溶かす可溶化が役目です。
ポリソルベートは、枠で囲んだところで油の粒を包みこみ、水の中に散らします。
溶けない
包む
水に散る
透明に
つまり、油と水をつなぐ裏方です。しくみは乳化の記事で解説しています。
化粧水では、香料や油分を透明に溶かすために入る
香り付きの化粧水では、にごりを防ぐためにポリソルベートが少量使われます。水に溶けない香料や油分も、包みこまれると透明なまま混ざるからです。
ほかにも、乳液、クリーム、シャンプーなど幅広い製品に入っています。成分表では、まん中から後ろのほうに出ることが多い成分です。番号の20・60・80は、つながる脂肪酸のちがいで、役目は同じ仲間です。
番号がちがっても、水と油をなじませる仲間と見ておけば大丈夫です。
化粧品の使い方なら、安全と結論づけられている
アメリカの専門家委員会は、ポリソルベート20・60・80などを、今の使い方と濃度なら化粧品に安全と結論づけています。人の皮膚の試験で、刺激やかぶれはほとんど見られなかったとされます。
「腸に悪い」という話は、食品の添加物として食べさせたマウスの研究が出どころです。食品では、日本の食品安全委員会が1日の許容量を決めています。
食べる話と、肌に塗る化粧品の話は分けて考えましょう。
まとめ
- ポリソルベートは、水と油をなじませる乳化剤・可溶化剤
- 化粧水では、香料や油分を透明に溶かすために入っている
- 番号の20・60・80は、つながる脂肪酸のちがい
- 専門家委員会は、今の使い方なら化粧品に安全と結論づけている
- 「腸に悪い」は食品として食べた話で、肌に塗る話とは別
成分表で見かけたら、油と水をつなぐ裏方の成分だと思ってください。
よくある質問
ポリソルベート80は、何のために入っていますか?
水と油をなじませるために入っています。乳液やクリームでは乳化、化粧水では香料や油分を透明に溶かしこむ可溶化の役目です。
ポリソルベート20と60と80は、何がちがうのですか?
つながっている脂肪酸の種類がちがいます。20はラウリン酸、60はステアリン酸、80はオレイン酸で、どれも水と油をなじませる同じ仲間です。
ポリソルベート80は肌に悪いと聞きましたが、本当ですか?
化粧品の使い方では、安全とされています。アメリカの専門家委員会は、今の使い方と濃度なら化粧品に安全と結論づけています。腸への影響の話は、食品として食べさせたマウスの研究が出どころで、肌に塗る話とは別です。
この記事で参照した情報
- Cosmetic Ingredient Review (CIR) Final Report on the Safety Assessment of Polysorbates 20, 21, 40, 60, 61, 65, 80, 81, and 85. Int J Toxicol 1984;3(5):1-82
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「界面活性剤」
- COSMILE Europe(Cosmetics Europe)「POLYSORBATE 80」
- 厚生労働省 薬事・食品衛生審議会 添加物部会「ポリソルベート20、60、65及び80」報告書(案)(2007年)
- 食品安全委員会「ポリソルベート 評価書」(2007年6月)
- Chassaing B, et al. Dietary emulsifiers impact the mouse gut microbiota promoting colitis and metabolic syndrome. Nature 2015