この記事でわかること
- 成分表で「香料」の一語で済む理由
- 「香料」の中身と、海外での書き分け
- かぶれとの関係と「無香料」の意味
成分表をいちばん下まで読むと「香料」の2文字がありますが、ほかは全部書いてあるのに中身は何なのか、自分の肌に合うのか不安になりますよね。
結論から言うと、香料だけは中身を書かずに「香料」とまとめて書いてよい決まりです。その2文字には何十種類もの香りの物質が混ざっていて、肌に合うかどうかは成分表ではわからないので、気になる人は皮膚科のパッチテストで調べられます。まずは、なぜ一語で済むのかから見ていきましょう。
成分表で、香料だけは「香料」の一語でよい
日本の成分表では、香料だけは「香料」の一語で書いてよいことになっています。全成分表示の書き方を定めた国の通知に、香料は「香料」と記載することができる、という決まりがあるからです。
この通知は、ほかの成分については、まとめ書きを認めない方向で細かく決めています。あらかじめ何種類かを混ぜてある原料も、含まれる成分ごとに分けて書くのが原則です。植物エキスも、抽出物と抽出に使った溶媒を分けて書きます。
1つの原料を1つの名前で済ませないのが基本なのに、香料だけは分けなくてよい。かなり特別な扱いなのです。
「香料」の中身は、何十種類もの香りの物質の組み合わせ
成分表の「香料」の中身は、何十種類もの香りの物質を組み合わせたものです。においのもとは世の中に40〜50万あるといわれ、そのうち香料として使われる約6,000種から選んで組み合わせているからです。
香料は、天然から取り出す天然香料と、化学合成でつくる合成香料に分かれ、使われる香料の大半は合成香料です。
天然香料と合成香料を組み合わせたものを、調合香料と呼びます。
天然から取り出す
化学合成でつくる
2つを調合
ひとつの花の香りでも、バラの香りを分析すると100以上の成分の集まりです。それをまとめて表すのが「香料」の2文字です。
配合量の目安は0.01〜0.5%で、成分表のいちばん後ろにあるのは、実際に量が少ないからです。
ヨーロッパでは、かぶれやすい香料物質を個別に書く
ヨーロッパ(EU)では、香料をまとめて書いたうえで、かぶれを起こしやすい香料物質は個別の名前も書く決まりです。EUの化粧品規則第19条が、附属書IIIに載っている香料物質を、一定の量をこえたら個別に書くよう定めているからです。
境目は、肌に残る製品で0.001%、洗い流す製品で0.01%です。対象は長く24物質でしたが、2023年の改正で56物質が加わりました。新しく売り出す製品は2026年7月31日まで、すでに店にある製品は2028年7月31日までに、新しい表示に切りかえる決まりです。
日本は「香料」の一語でよいので、同じ製品でもヨーロッパ向けには個別名が並び、日本向けには「香料」だけということが起こり得ます。海外で買った製品の成分表が違って見えても、成分ではなく書き方の決まりが違うだけ、という場合があるのです。
化粧品のかぶれの原因でいちばん多いのが香料
化粧品によるかぶれで、いちばん多い原因の原料は香料です。日本皮膚科学会の接触皮膚炎診療ガイドラインで、香料は化粧品によるかぶれの原因の30%以上を占めるとされているからです。
アレルギーによるかぶれは、ある物質に触れて体がその物質を覚えたあと、同じ物質にまた触れたときに出ます。
アレルギーのかぶれは、体が物質を覚えたあと、また触れたときに出ます。
肌につく
覚える
触れる
出る
皮膚科のパッチテストでは、何種類かの香料物質を混ぜた試薬で、香料アレルギーの70〜80%をまとめて見つけられます。成分表を眺めるだけでは、自分がどの成分に反応しているかはわからないので、敏感肌で原因を知りたいときは、皮膚科でのパッチテストが確実です。
香りつきの製品で赤みやかゆみが出たら、使うのをやめて皮膚科で相談しましょう。
「無香料」は、香料を入れていないという意味
「無香料」は香料を配合していないという意味で、においがないという意味ではありません。化粧品の油分や界面活性剤には、それぞれ素材そのもののにおいがあるからです。
香料には、香りをつける役目と、原料のにおいをカバーする役目の両方があります。そのため、無香料の製品のほうが素材のにおいを感じることは十分に起こります。「無香料なのに変なにおいがする」のは、不良品ではなく設計どおりということもあるのです。
逆に、香料が入っていてもにおいをほとんど感じない製品もあります。確実なのは成分表で、末尾に「香料」があるかどうかで判断できます。
まとめ
- 成分表の「香料」は、約6,000種の中から選ばれた何十種類かの混合物で、配合量の目安は0.01〜0.5%です
- 日本の全成分表示は、混ぜた原料や抽出物も分けて書かせるのに、香料だけは「香料」の一語でよい決まりです
- EUでは、附属書IIIの香料物質は個別の名前も書きます。対象に56物質が加わりました
- 化粧品によるかぶれの原因でいちばん多いのは香料で、原因の30%以上を占めます
- 「無香料」は香料を入れていないという意味で、においがないという意味ではありません
成分表の末尾の2文字は、いちばん短いのに、いちばん多くの物質が入っています。香りで肌が荒れやすい人は「香料」の有無を見て、原因を知りたいときは皮膚科で調べてもらいましょう。
よくある質問
成分表の「香料」には何が入っている?
何十種類もの香りの物質を組み合わせた混合物です。香料として使われる物質は約6,000種あり、そこから選んで組み合わせています。配合量の目安は0.01〜0.5%です。
なぜ香料だけ中身を書かなくていい?
全成分表示の書き方を定めた国の通知で、香料は「香料」と書けばよいと決められているからです。ほかの原料は、あらかじめ混ぜた原料でも成分ごとに分けて書くのが原則で、香料はかなり特別な扱いです。
「無香料」ならにおいはしない?
無香料は香料を入れていないという意味で、においがないという意味ではありません。油分や界面活性剤など素材そのもののにおいがあるので、無香料の製品で素材のにおいを感じることは十分あります。
香料で肌がかぶれることはある?
あります。化粧品によるかぶれで、いちばん多い原因の原料は香料で、原因の30%以上を占めます。自分がどの成分に反応しているかは、皮膚科のパッチテストで調べられます。
海外の製品は香料の書き方が違う?
違うことがあります。ヨーロッパでは、特定の香料物質を個別の名前でも書く決まりがあるため、同じ製品でもヨーロッパ向けには個別名が並び、日本向けには「香料」だけということが起こり得ます。
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