成分辞典やさしい解説

ローズPDRNをやさしく解説!バラ由来とサケ由来の違いとは?

あるコスメオタク・2026.10.02・更新 2026.10.21・成分解説

「サーモンの代わりにバラから」とうたうローズPDRNの化粧品。サケのPDRNと何が違うのか、同じように期待していいのか、気になりますよね。

結論から言うと、ローズPDRNはバラの培養細胞などから取ったDNAのかけらに付けられた呼び名で、成分表ではサケ由来と同じ「DNA-Na」と書かれます。違うのは原料とかけらの長さで、化粧品として言えるのは「肌を整える」などの範囲です。まずは、どうやってつくられるのかから見ていきましょう。

「ローズPDRN」は、バラの培養細胞から取ったDNAのかけら

「ローズPDRN」は、バラの細胞を育ててDNAを取り出し、細かく切ったものなどに付けられた呼び名です。法律や学会で決まった成分名ではなく、原料会社やブランドの呼び方です。

「ローズPDRN」の原料のひとつができるまでで、成分表ではサケ由来と同じ「DNA-Na」になります。

細胞を
育てる
DNAを
取り出す
細かく
切る
サケと同じ
表示名

出どころのひとつは、韓国の原料会社が開発した原料です。ダマスクバラの細胞を培養器で育て、そこからDNAを取り出して細かく切ったもので、この作り方は2024年に特許が登録されました。花びらをしぼったものではなく、培養した細胞がもとになっている点が、バラの名前から受けるイメージとは違うところです。

成分表には「ローズPDRN」という名前は出てきません。日本の全成分表示では、DNAの部分は「DNA-Na」と書かれ、サケ由来のPDRNも同じ名前です。韓国の成分辞典でも、バラ由来をうたう原料とサケ由来の原料は同じ表示名で登録されています。

成分表を見ても、そのDNAがバラから取られたのか、サケから取られたのかはわからないと覚えておきましょう。

サケ由来との違いは、原料とかけらの長さ

名前が同じなら、サケのPDRNと同じものだと思いますよね。でも、ローズPDRNとサケ由来のPDRNは、原料も、DNAのかけらの長さも違います。同じ「PDRN」でも、別の原料からつくられた別の成分だからです。

もとのPDRNは、サケの仲間の精子のDNAを原料にした成分で、医薬品として承認され、研究が積み重ねられてきました。一方、特許に書かれたローズPDRNの一例では、DNAのかけらの長さは100〜300塩基対、分子量にして7万4000ダルトン以下で、医薬品として使われてきたサケ由来のPDRNの5万〜150万ダルトンと比べると短い側にあります。

植物から取った原料には、DNAのほかにポリフェノールや多糖、RNAなどが混ざりうることも、植物由来のPDRNを調べた総説で指摘されています。バラ由来のDNAのかけらについては、実験室で表皮の細胞や皮膚片に紫外線などのストレスを与えたとき、酸化によるストレスがおさえられたという結果があります。

サケ由来の医薬品としての働きを、ローズPDRNにそのまま当てはめることはできない、と考えておくのが安心です。

同じ呼び名でも、中身は原料や製品ごとに違う

「ローズPDRN」は決まった名前ではないので、同じ呼び名でも中身は一つではありません。原料の段階でも、製品の段階でも、入っているものや量が違うからです。

原料では、バラの培養細胞から取ったDNAそのもののほかに、バラの花のエキスにDNAと溶剤を混ぜた複合原料も「ローズPDRN」として売られています。この場合、全成分表示には「ダマスクバラ花エキス」と「DNA-Na」が別々の成分として並びます。

製品では、違いはもっと大きくなります。韓国の公式サイトで配合量が表示されている製品の例では、あるマスクはDNA-Naが10.1ppm、つまり約0.001%で、ダマスクバラエキスは0.1ppmでした。別のマスクでは、ダマスクバラエキスが5,000ppm、つまり0.5%入っているのに対し、DNA-Naは50ppbと、ppmのさらに1000分の1の単位でした。反対に、「ローズPDRN」をうたいながら、全成分にバラ由来の成分が一つもなく、DNA-Naだけが入っているセラムもあります。

「ローズPDRN配合」を見たら、成分表のこの2つを確かめます。

成分表を
見る
DNA-Na
の位置
バラの
エキスを探す

日本では配合量の表示義務がないので、気になるときは成分表の並び順を見て、DNA-Naやバラのエキスがどのあたりに書かれているかを確かめるのが近道です。

化粧品として言えるのは「肌を整える」などの範囲

ローズPDRNが入った化粧品で言えるのは、「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」などの範囲です。日本では、化粧品が広告でうたえる効能は、国が定めた56項目に限られているからです。

たとえば、肌のキメを整える、肌にはりを与える、といった表現は、この56項目の中にあります。一方で、業界の広告ガイドラインでは、細胞、ターンオーバー、老化防止といった言葉は化粧品では使えないとされています。DNA-Naもダマスクバラ花エキスも、医薬部外品の有効成分としての承認はありません。韓国で機能性化粧品と表示されている製品も、その有効成分はナイアシンアミドやアデノシンなど別の成分です。

韓国では、PDRNをうたう化粧品の広告が当局の取り締まりの対象になっています。報道によると、PDRN化粧品の虚偽・誇大広告の摘発は2023年の7件から2026年上半期には41件に増え、2023年以降の106件のうち約76%は医薬品と誤認させる広告でした。国会では、PDRNという成分名そのものが医薬品と誤認させる余地がある、という指摘も出ています。これはバラ由来に限らず、「PDRN」をうたう化粧品全体に向けられた動きです。

ローズPDRNの化粧品は、肌を整える化粧品のひとつとして選ぶのがちょうどいい見方です。

気をつけたいのは、バラの香りの成分によるかぶれ

バラ由来の成分で気をつけたいのは、香りの成分によるかぶれです。バラの精油や花水には、香料のアレルゲンになる成分が含まれているからです。

アメリカで化粧品成分の安全性を評価している専門家委員会は、ダマスクバラの花エキスや精油、花水など10成分について、かぶれを起こさないように処方されていれば今の使い方と濃度では安全とまとめています。注意点として挙げられているのが香料のアレルゲンで、精油にはゲラニオール、シトロネロール、オイゲノールなどが含まれ、シトロネロールが約35%、ゲラニオールが約18%を占めます。日本では、かぶれが疑われた人にパッチテストをしたところ、バラの精油に陽性だった人は0.4%でした。

「ヴィーガンだから魚アレルギーでも安心」と思う人もいると思います。魚アレルギーの主な原因は魚のたんぱく質なので、植物由来のDNAは魚のたんぱく質を避けたい人の選択肢にはなります。ただ、サケ以外の原料はたんぱく質がやや多い傾向があるという指摘もあります。

赤みやかゆみが出たら使うのをやめ、魚アレルギーがある人は、使う前に医師に相談しましょう。

「サケと同じ」「純度99%」「花びらのDNA」はうのみにしない

売り文句を見ると、サケのPDRNより進んだ成分のように感じますよね。でも、「サケと同じ効果」「進化版」「純度99%」「花びらのDNA」は、どれもそのまま受け取らないほうがいい言葉です。

「サケのPDRNと同じ効果」「PDRNの進化版」「次世代PDRN」は、医薬品として使われてきたサケ由来のPDRNの話を、原料もかけらの長さも違うバラ由来に重ねた言い方です。同じ「PDRN」の名前でも、中身は別の成分です。

「純度99%のローズPDRN」は、原料としての純度の話で、製品にどれだけ入っているかとは別です。配合量が表示されている製品の例では、DNA-Naはppmやppbの単位でした。「バラの花びらのDNA」というイメージも、韓国の原料は培養した細胞や根から、研究用の素材は園芸用のバラの茎・葉・花からDNAを取っていて、資料とは合いません。成分表の「ダマスクバラ花エキス」は、DNAとは別の成分です。

「バラ」や「ヴィーガン」の響きより、成分表に何がどれだけ入っているかで見ましょう。

まとめ

「バラ」や「ヴィーガン」の響きより、成分表に何がどれだけ入っているかで見て、肌を整える化粧品のひとつとして選んでみてください。

よくある質問

ローズPDRNとは何ですか?

バラの細胞を培養してDNAを取り出し、細かく切ったものなどに付けられた呼び名で、法律や学会で決まった成分名ではありません。韓国の原料会社がダマスクバラの培養細胞から作る方法で2024年に特許を登録しています。バラの花のエキスにDNAを混ぜた複合原料も同じ名前で売られています。

ローズPDRNは成分表にどう書かれますか?

DNAの部分は「DNA-Na」と書かれ、サケ由来のPDRNと同じ名前です。成分表からはバラ由来かサケ由来かはわからず、バラの名前が出るのは別にダマスクバラ花エキスなどが入っている場合だけです。

ローズPDRNとサケのPDRNは何が違いますか?

原料とDNAのかけらの長さが違います。サケ由来はサケの仲間の精子のDNAで医薬品として使われてきた成分、ローズPDRNはバラの培養細胞などから取ったDNAで、かけらは短い側です。サケ由来の医薬品としての働きを、そのまま当てはめることはできません。

ローズPDRNの化粧品で、どんな効果がうたえますか?

日本の化粧品で言えるのは「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」などの範囲です。「細胞」「ターンオーバー」「老化防止」といった言葉は化粧品では使えません。

ヴィーガンのローズPDRNなら魚アレルギーでも安心ですか?

魚のたんぱく質を避けたい人の選択肢にはなりますが、サケ以外の原料はたんぱく質がやや多い傾向があるという指摘もあります。バラの精油や花水には香料のアレルゲンも含まれるので、魚アレルギーがある人は使う前に医師に相談してください。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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