この記事でわかること
- ppmは%でいうとどれくらいなのか
- 化粧品でppmが使われるのはどんな場面か
- 「〇〇ppm配合」を見かけたときの読み方
化粧品のパッケージで「〇〇を1,000ppm配合」と書かれていると、数字は大きく見えるけれど、多いのか少ないのか迷いますよね。
結論から言うと、ppmは「100万分の1」を表す単位で、ppmの数字を1万で割ると%になります。1,000ppmなら0.1%で、1%にするには10,000ppmが必要です。ここから、計算のしかたと、化粧品での読み方を見ていきましょう。
ppmは100万分の1。製品1kgに1mgで1ppm
ppmは、全体を100万としたときに、その中にどれだけ含まれるかを表す単位です。%が100分の1を表すのに対して、ppmは100万分の1なので、ごく小さな量を表すのに向いています。
重さで考えると、製品1kgの中に1mg入っていれば1ppmです。同じ1kgの中に10g入っていれば1%、1g入っていれば0.1%で、‰という記号で書くパーミル、つまり1000分の1にあたります。さらに小さな単位として10億分の1を表すppbがあり、1ppmは1,000ppbです。
ppmは、%ではゼロが並んで書きにくい、ごく少ない量のための単位と考えておきましょう。
ppmを%に直すには1万で割り、%からは1万をかける
ppmの数字を1万で割れば%になり、反対に%の数字に1万をかければppmになります。1%は100分の1、1ppmは100万分の1なので、1%はちょうど10,000ppmにあたるからです。
1%のマスの中には、ppmで数えると10,000ppm分が入っています。
製品全体を100マスに分けた1マスが1%です。その1マスをさらに100に分けた1つが100ppmで、それをもう100に分けた1つが1ppmになります。たとえば、100ppmは0.01%、1,000ppmは0.1%で、10,000ppmでやっと1%です。
水の場合は1リットルを1kgとみなせるので、1リットルに1mg溶けていれば1ppmと同じになります。ただし、油を多く含む製品のように重さが水と違うものでは、mg/Lとppmはぴったり同じにはなりません。
数字が大きく見えても、1万で割ると小数点以下の量ということがよくあります。
ppmは法律で認められた単位。何もつかなければ重さの比率
ppmは、日本の計量法で濃度の単位として認められています。計量法では、重さの比率である質量百万分率と、体積の比率である体積百万分率が、濃度の法定計量単位に入っているからです。国際単位系の単位とは別の枠ですが、法律で使える単位です。
ただ、同じppmでも、重さの比率か体積の比率かで意味が変わります。日本薬局方や医薬部外品の原料の規格書では、何もつけずに書いたppmは重さの比率を指し、体積の比率のときはそのことを書き添えて区別します。単位の専門家のあいだでも、%やppmを使うときは何の比率かを示すことが大切とされています。
化粧品の規格で見るppmは、ふつうは重さの比率と読めば大丈夫です。
化粧品でppmがよく出てくるのは、不純物の上限
化粧品のまわりでppmがよく使われるのは、原料や色素に混じってよい不純物の上限です。不純物はごく少ない量なので、%よりppmのほうが書きやすいからです。
たとえば、医薬部外品の原料の規格を改めた国の通知には、1,2-オクタンジオールという原料で、重金属は5ppm以下、ヒ素は2ppm以下という例があります。化粧品の色にも使われるタール色素では、赤色401号のヒ素は2ppm以下、重金属は20ppm以下と決められています。
一方で、防腐剤などの配合の上限を決めた化粧品基準は、「100gの中に何gまで」で書かれています。100gの中の1gは1%なので、たとえば安息香酸の上限の0.2gは0.2%、ppmに直すと2,000ppmです。
ごく少ない不純物はppm、配合する成分の量は%、と書き方が分かれていると知っておくと、数字を読みやすくなります。
「〇〇ppm配合」は、%に直して何の量かを見る
「〇〇ppm配合」を見かけたら、まず%に直し、次に何の量か、配合目的が書かれているかを見ます。ppmの数字だけでは、どれくらい入っていて何のためなのかまでは伝わらないからです。
商品で特定の成分を目立たせて書く特記表示には決まりがあります。厚生労働省の通知では、成分を特記するときは配合目的を必ず併記することになっています。化粧品の表示の業界ルールでも、効果を出せない量しか入れずに、わかりにくい配合目的をつけて目立たせる表示は、消費者を誤認させる表示にあたるとされています。
エキスの量にも注意が必要です。成分表では、植物などから取り出したエキスは、エキスそのものと、水やエタノールといった溶かしている液を分けて書くルールがあります。ところが「〇〇エキス1,000ppm配合」のような表示では、どちらの量なのかが書かれていないことがあります。
「1,000ppm」が、液を含めた原料全体の量か、緑の粒のエキスそのものの量かで、意味が変わります。
「〇〇ppm配合」を見かけたら、この順に確かめます。
表示を見る
%に直す
見る
見る
ppmで書くこと自体が、よい・悪いの目印になるわけではありません。%に直しておけば、ほかの商品の配合量とも同じ目線で比べられます。%に直す、何の量かを見る、配合目的を見るの3つを覚えておきましょう。
まとめ
- ppmは100万分の1で、製品1kgに1mg入っていれば1ppmです
- ppmを1万で割ると%になり、10,000ppmでやっと1%です
- ppmは計量法で認められた単位で、規格書では何もつかないppmは重さの比率を指します
- 化粧品でppmがよく出てくるのは不純物の上限で、配合の上限は%で書かれています
- 「〇〇ppm配合」は、%に直し、何の量か、配合目的があるかを確かめます
ppmは難しそうに見えますが、1万で割るだけで%と同じ目線で比べられます。数字を見かけたら、まず%に直してみてください。
よくある質問
ppmを%に直すにはどうすればいいですか?
ppmの数字を1万で割ると%になります。100ppmは0.01%、1,000ppmは0.1%、10,000ppmで1%です。反対に%をppmにするときは1万をかけます。
1ppmは重さでいうとどれくらいですか?
製品1kgの中に1mg入っている量が1ppmです。1%なら1kgの中に10g、0.1%なら1gにあたります。
ppmは法律で認められた単位ですか?
認められています。計量法では質量百万分率と体積百万分率が濃度の法定計量単位に入っていて、国際単位系とは別の枠に置かれています。
化粧品でppmはどんなところに使われますか?
原料やタール色素に混じってよい不純物の上限によく使われます。たとえば赤色401号のヒ素は2ppm以下、重金属は20ppm以下です。配合の上限は%で書かれています。
「〇〇エキス1,000ppm配合」は何の量ですか?
溶かしている液を含めた原料全体の量か、エキスそのものの量か、表示だけでは区別できないことがあります。%に直したうえで、何の量かと配合目的を見ておきましょう。
この記事で参照した情報
- 計量法(平成4年法律第51号)第4条・別表第三(e-Gov 法令検索)
- 厚生労働省「第十八改正日本薬局方」通則
- 厚生労働省「医薬部外品原料規格2021」通則(令和3年3月25日 薬生発0325第1号)
- 日置昭治「化学分析のしかた―量の表しかた」ぶんせき 2011年2号、日本分析化学会
- BIPM. The International System of Units (SI), 9th edition 2019, 5.4.7
- 滋賀県「ミニ知識 濃度の『単位』について―水の場合、大気の場合―」
- 厚生労働省医薬食品局長「『医薬部外品原料規格2006』の一部改正について」(平成22年4月21日 薬食発第0421002号)
- 医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令(昭和41年厚生省令第30号)別表
- 厚生省「化粧品基準」(平成12年厚生省告示第331号)
- 厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課長「化粧品における特定成分の特記表示について」(令和7年3月10日 医薬監麻発0310第3号)
- 化粧品公正取引協議会「化粧品の表示に関する公正競争規約」第6条
- 化粧品公正取引協議会「化粧品の表示に関する公正競争規約 運用基準」第4条
- 厚生労働省「化粧品の全成分表示の表示方法等について」(平成13年3月6日 医薬監麻発第220号・医薬審発第163号)
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