肌の悩みやさしい解説

夏の肌悩みをやさしく解説!紫外線と汗と皮脂への対策とは?

あるコスメオタク・2026.10.02・更新 2026.10.21・肌の悩み

夏は日焼けやしみだけでなく、テカリやあせも、冷房の部屋でのかさつきまで悩みが一度に増えて、何から手をつければいいのか迷いますよね。

結論から言うと、夏の肌は、強い紫外線、増える皮脂と汗、冷房で乾いた室内という3つの条件を同時に受けています。それぞれが肌の別の場所で悩みを起こすので、紫外線を防ぐ量と回数、汗の扱い、夏の保湿を分けて考えると整理できます。まずは、夏の紫外線から見ていきましょう。

紫外線は、7月と8月にいちばん強くなる

夏の肌悩みのいちばんの原因は、1年でいちばん強い紫外線です。紫外線の強さの目安のUVインデックスは、7月と8月にピークを迎えます。

つくばの2025年の日最大UVインデックスの月平均で、色の濃い6〜8月がいちばん強い時期です。

1.9 1 3.0 2 3.5 3 4.9 4 5.0 5 7.0 6 8.5 7 7.7 8 6.0 9 3.4 10 2.4 11 1.6 12 月

気象庁がつくばで観測した日最大UVインデックスの月平均は、2021年から2025年の各年で、7月が6.7〜8.5、8月が6.8〜8.8でした。環境省の区分では6〜7が「強い」、8〜10が「非常に強い」で、日中の外出をできるだけ控えようという段階に届く年もあります。

1年の紫外線のおよそ70〜80%は4〜9月に集中し、夏は午前10時から午後2時までに1日のおよそ70%が降ります。薄い雲なら、80%以上が通り抜けます。

くもりの日も、夏の昼間は紫外線がいちばん多い時間だと考えておきましょう。

暑さと湿気で、皮脂と汗が増える

夏は、皮脂が1年でいちばん多くなり、汗もたくさんかく季節です。暑さと湿気が、皮脂と汗を増やすからです。

同じ人の顔を1年を通して測ると、夏がいちばん皮脂の多い季節でした。日本人の女性の頬では、3月中旬から8月末にかけて、皮脂の量が約3倍になっていたという結果もあります。

汗を出すエクリン汗腺は、日本人で約230万個あり、1日に最大10Lの汗を出すとされています。汗の99%以上は水分で、乳酸を含むためpH5.7〜6.5の弱酸性です。

夏のテカリやべたつきは、皮脂と汗が増える季節だから起きやすいのです。

冷房の室内は、夏でも乾いている

汗をかく夏は、肌はうるおっていると思う人は多いと思います。でも、冷房の効いた室内は、夏でも乾いた空気になっています。

エアコンの普及で、夏でも湿度の低い環境で過ごす時間が長くなっています。オフィスなどの建物に国が定める管理の基準は、温度18〜28℃、湿度40〜70%で、室内を外より涼しくするときは、その差を大きくしすぎないことと決められています。

夏の肌は、外では紫外線と汗、中では乾いた空気という、正反対の環境を行ったり来たりしているのです。

紫外線は、日焼けとしみ、長い目では光老化につながる

紫外線を浴びると、肌はまず赤くなり、そのあと黒くなります。どちらも、紫外線で肌の細胞が傷ついたことへの反応です。

紫外線のうちUVBは、表皮の細胞の核にある遺伝子に直接吸収されて傷をつけます。すると炎症が起きて、翌日には皮膚が痛みを伴って赤く腫れ、1週間ほどたつと、傷んだ皮膚が薄い膜のようになってはがれ落ちます。これが赤くなる日焼けです。

赤くなる日焼けも黒くなる日焼けも、紫外線で肌が傷ついたことへの反応です。

紫外線を
浴びる
翌日
赤くなる
数日後
黒くなる
1週間で
むける

黒くなる日焼けは、表皮のいちばん下にある色素細胞(メラノサイト)が刺激されて、メラニンをたくさん作った結果です。紫外線を浴びた表皮の細胞が、色素細胞をさかんに働かせる合図を出しています。メラニンが作られすぎてたまると、しみになります。

長い目で見た影響は、角層よりずっと下の真皮に出ます。くり返し日光を浴びた皮膚は厚くごわごわになって色も濃くなり、真皮で肌の張りを保つ弾性線維が壊れてかたまります。これが光老化です。UVAは波長が長く皮膚の深くまで入りますが、UVBはUVAの600〜1000倍強いといわれ、しみやしわなどの光老化についても、日本皮膚科学会はUVBの影響が圧倒的だとしています。日光を浴びない太ももの内側に深いしわがないように、光老化は防げる変化です。

黒くなれば肌は守られている、と思うかもしれませんね。でも、黒くなるのは皮膚が傷ついた結果の反応です。日焼けは、焼く前に防ぐのがいちばんです。

皮脂はニキビ、汗はあせも、冷房は乾燥につながる

紫外線のほかの夏の悩みは、皮脂腺、汗の出口、角層と、それぞれ別の場所で起きています。

皮脂の多い部位では、ニキビができやすくなります。あせもは、汗の通り道がふさがれて、汗が皮膚の中にたまることで起きます。ふさがる深さによって3つの型に分けられ、大半が温かく湿った気候で起きます。

角層は、冷房の乾いた室内で水分を失いやすくなります。さらに日焼けすると、皮膚の生まれ変わりが速まりすぎてリズムが乱れ、肌荒れの状態になります。

皮脂が多くても、角層の水分が足りているとは限りません。テカるのにかさつく、ということも夏には起きるのです。

手入れは、紫外線を防ぐ量と回数、汗の扱い、夏の保湿

夏の手入れの中心は、紫外線を防ぐことです。日傘やつばが全周にある帽子、長袖で肌に届く紫外線を減らすのが第一で、日焼け止めは最後の砦とされています。

日焼け止めは、顔なら1円硬貨1個分、クリーム状ならパール粒1個分を2回重ね、2〜3時間おきに塗り直します。SPFは1平方センチあたり2mgを塗って測った値なので、薄く1回では表示どおりの効果になりません。紫外線の強い午前10時から午後2時を避けるのも、立派な対策です。

汗は、こすらずに押さえて拭き取ります。タオルで拭くと日焼け止めも落ちるので、落ちたと思ったら重ね塗りをします。あせもを防ぐには、汗をかいたままにせず、冷やして乾かし、通気性の悪い服や、軟膏を厚く塗ることを避けます。

冷房の部屋では、外との温度差を大きくしすぎず、湿度40%以上を目安にします。洗顔のあとに乾くなら、脂性肌でも保湿用の化粧品を使うよう、日本皮膚科学会のQ&Aでも勧められています。焼けてしまったあとは、できるだけ早く冷やすことが第一です。冷たい水でぬらしたタオルなどを当て、水ぶくれや腫れがあれば皮膚科を受診します。赤みが引いて乾いた肌には、保湿のローションなどで水分を補います。

防ぐ、こすらない、夏も保湿する。この3つが夏の手入れの柱です。

成分は、悩みと働く場所で選ぶ

夏の成分は、悩みごとに働く場所が分かれているので、悩みに合わせて選びます。

日焼け止めは、角層の表面に膜をつくって、紫外線を吸収したり散らしたりするものです。化粧品として「日やけを防ぐ」「日やけによるシミ・そばかすを防ぐ」効能が認められています。

しみには、医薬部外品の有効成分として「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」効能が認められた成分があります。トラネキサム酸は表皮の細胞から色素細胞への合図を抑え、アルブチンはメラニンを作る酵素チロシナーゼの働きを妨げるとされています。どれも「防ぐ」効能で、できたしみを消すものではありません。

ニキビには、サリチル酸などが、医薬部外品の有効成分として「にきびを防ぐ」効能で使われています。あせもは、医薬部外品の化粧水や乳液の効能に「あせも」を防ぐことが含まれ、ふつうの化粧品では打粉(ベビーパウダー)だけが「あせもを防ぐ」と言えます。保湿成分が働くのは角層で、化粧品では「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」の範囲です。

成分を選ぶときは、医薬部外品の表示と効能の欄を見ると、どの悩みに向くかがわかります。

まとめ

夏の悩みは多いようでいて、原因ごとに分けると手入れははっきりします。焼く前の準備に、いちばん手をかけてみてください。

よくある質問

夏の紫外線はどれくらい強いですか?

つくばの観測値では、7月と8月の日最大UVインデックスの月平均が6.7〜8.8で、環境省の区分で「強い」から「非常に強い」に届く年もあります。夏は午前10時から午後2時に、1日の約70%が降ります。

夏も保湿は必要ですか?

必要です。エアコンで湿度の低い環境にいる時間が長く、日焼けも肌荒れのもとになります。脂性肌でも洗顔のあとに乾くなら保湿用の化粧品を使うよう、日本皮膚科学会のQ&Aでも勧められています。

日焼け止めはどれくらい塗ればいいですか?

顔なら1円硬貨1個分、クリーム状ならパール粒1個分を2回重ね、2〜3時間おきに塗り直します。SPFは1平方センチあたり2mgを塗って測った値なので、薄く1回では表示どおりの効果になりません。

あせもはなぜできますか?

汗の通り道がふさがれて、汗が皮膚の中にたまることで起きます。汗をかいたままにせず、冷やして乾かし、通気性の悪い服を避けましょう。

しみを防ぐ成分で、できたシミは消えますか?

できたシミを消す効能はありません。医薬部外品の有効成分として認められているのは「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」効能で、予防の範囲です。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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