- 成分表示の名前
- トレハロース
- 入っている理由
- 水分を抱えてうるおいを保つため(保湿剤)
- 安全性のめやす
- 米国の専門家パネルが今の使い方と濃度で化粧品に安全と評価していますが、赤みやかゆみが出たら使うのをやめます
この記事でわかること
- トレハロースがうるおいを保つしくみ
- 水を抱える成分と油の組み合わせ
- 虫の話や「毒性」の話との違い
トレハロースは、乾燥に強い虫の話や「毒性」の話も耳にするので、肌にいいのか、使っても大丈夫なのか気になりますよね。
結論から言うと、トレハロースは、水分を抱えて肌のうるおいを保つ保湿剤です。虫の話や「毒性」の話は、肌に塗る化粧品とは別の話です。
トレハロースは、水分を抱えて保つ糖の保湿剤
トレハロースは、ブドウ糖が2つつながった糖で、化粧品には保湿剤として入っています。
化学的に反応しにくく、とても安定した糖です。いまは、でんぷんから酵素を使って作られます。成分表では「トレハロース」と書かれます。
乾燥に向くのは、角層で水分を抱えるから
トレハロースが乾燥に向くのは、肌のいちばん外側の角層で水分を抱える成分だからです。まず、乾燥がどう起きるかを見てみましょう。
角層は、表面の皮脂膜、細胞の中で水を抱える天然保湿因子、細胞のすき間を埋める細胞間脂質の3つでうるおいを守っています。このバランスがくずれると、水分が逃げて肌が乾きます。
トレハロースは、肌のいちばん外側の角層で水分を抱えて、うるおいを保ちます。
トレハロースは、グリセリンと同じ、水を抱えこむタイプの保湿成分です。抱えた水分を逃がさないよう、ふたをする油の成分と組み合わせるのが保湿の基本です。
化粧品として言えるのは、うるおいを与え、乾燥を防ぐまで
トレハロースで言えるのは、肌にうるおいを与える、乾燥を防ぐといった範囲です。区分が化粧品の成分だからです。
アメリカの専門家の報告でも、化粧品での役目は保湿剤などとされています。乾燥に強い虫の話は虫の体の中の話で、肌に塗ったときの根拠にはなりません。
乾燥が気になるときの、水を抱える側の保湿成分と考えれば十分です。くわしくはトレハロースの記事で解説しています。
まとめ
- トレハロースは、ブドウ糖が2つつながった糖
- 水を抱えて保つ、保湿剤として入っている
- 虫の話や「毒性」の話は、肌に塗る話とは別
保湿は、ふたをする油の成分と組み合わせるのが基本です。
よくある質問
トレハロースには毒性があるのですか?
「毒性」の話は、食べたトレハロースと腸の細菌を調べたマウスの研究で、肌に塗る化粧品とは別の話です。その後の総説では、ふだんの食事で取っても感染のリスクは高まらないとまとめられています。
クマムシが乾燥に強いのはトレハロースのおかげですか?
クマムシの場合、大きな役目をしているのは別のたんぱく質です。クマムシはトレハロースをほとんどためず、クマムシだけがもつたんぱく質が乾燥を乗りこえるのに欠かせないという結果があります。
化粧品のトレハロースは安全ですか?
アメリカの専門家の委員会が、今の使い方と濃度なら安全と結論づけています。ただ、肌に合うかは人によるので、赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。
この記事で参照した情報
- Fiume MM, et al. Safety Assessment of Monosaccharides, Disaccharides, and Related Ingredients as Used in Cosmetics. Int J Toxicol 2019;38(1_suppl):5S-38S
- Cosmetics Europe「COSMILE Europe」Trehalose
- Boothby TC, et al. Tardigrades Use Intrinsically Disordered Proteins to Survive Desiccation. Mol Cell 2017;65(6):975-984.e5
- Collins J, et al. Dietary trehalose enhances virulence of epidemic Clostridium difficile. Nature 2018;553:291-294
- Buckley AM, Moura IB, Wilcox MH. Is there a causal relationship between trehalose consumption and Clostridioides difficile infection? Curr Opin Gastroenterol 2021;37(1):9-14