肌の悩みやさしい解説

ニキビ跡をやさしく解説!赤み・茶色・凹み・盛り上がりの違いとは?

あるコスメオタク・2026.09.28・更新 2026.10.21・肌の悩み
肌の悩みニキビシミ

ニキビがおさまったのに、赤みや茶色い色、へこみが残ってしまった。この跡はそのうちなくなるのか、気になりますよね。

結論から言うと、赤みは時間とともに引き、茶色い跡も時間をかけて薄れていくことが多い一方、へこみや盛り上がりは残りやすく、化粧品でなくすことはできません。いちばんの対策は、ニキビを潰さずに早めに治療して、跡をつくらないことです。

ニキビ跡は、色の跡と形の跡に分かれる

ひとくちにニキビ跡といっても、平らな色の跡と、肌の形が変わった跡があります。原因が起きている場所が違うので、残りやすさも違うからです。

色の跡は、炎症のあとの赤みと、メラニンが増えた茶色です。形の跡は、へこみと盛り上がりです。日本皮膚科学会のニキビ治療のガイドラインでは、へこみ、盛り上がり、色素沈着をまとめて「痤瘡瘢痕」、つまりニキビの跡と呼び、炎症のあとにしばらく残る赤みは一時的なものとして別に扱っています。

アメリカの皮膚科の学会も、平らな色の跡はふつう本当の傷跡ではなく、時間とともに薄れていくものとしています。どちらの考え方でも、形が変わったへこみや盛り上がりのほうが残りやすいという点は同じです。

赤みは一時的で、茶色はメラニンが増えた色

赤い跡は炎症のなごりで時間とともに引き、茶色い跡は、炎症の刺激でメラニンが増えてできた色です。

赤いニキビがおさまって平らになっても、赤みはしばらく残ります。日本皮膚科学会の一般向けの解説でも、この赤みは時間とともに引いていくので、心配はいらないとしています。

茶色い跡は、少し流れが違います。肌に炎症が起こると、炎症にかかわる物質が色素をつくる細胞を刺激し、メラニンが多くつくられて、まわりの細胞に渡されます。

茶色い跡ができるまでの流れで、紫外線を浴びると色が濃くなることがあります。

ニキビの
炎症
メラニンが
増える
まわりに
渡される
茶色い
跡になる

メラニンはふつう、肌の生まれ変わりとともに外へ出ていきますが、薄れるまで数か月から数年かかることがあります。炎症で表皮のいちばん下の細胞が傷つき、メラニンが真皮に落ちてしまうと、青みがかった灰色に見え、長引くこともあります。メラニンは紫外線でも増えるので、跡が気になる時期は日焼け止めを欠かさないことが基本です。

へこみと盛り上がりは、真皮の変化で残りやすい

へこみと盛り上がりは、角層よりずっと下の真皮で、傷が治っていく途中のコラーゲンの作り直しがうまくいかずにできる跡です。コラーゲンが減るとへこみ、増えすぎると盛り上がるからです。

へこんだ跡ができるまでの流れで、変化は角層よりずっと下の真皮で起きています。

炎症が
強い
真皮が
傷つく
線維が
減る
へこんだ
跡が残る

たとえば、ニキビで皮膚科を受診した人の90.8%に何らかの跡があり、へこんだ跡は61.2%、盛り上がった跡は14.2%の人に見られたという結果があります。へこみの跡には、小さく見えて深くまで届くアイスピック型、円形や楕円形にへこむボックスカー型、幅が広く浅いローリング型があり、完全になくなるのは例外的とされています。

盛り上がりの跡は、硬い手ざわりがあり、あごのラインや胸、背中にできやすいとされます。もとの傷の範囲にとどまるものが肥厚性瘢痕、傷より広く広がるものがケロイドで、ケロイドは残ることが多く、できやすい体質があると考えられています。ニキビがおさまって3〜12か月ほどたってから皮膚が厚くなり始めたら、早めに皮膚科に相談しましょう。

跡を残さない近道は、潰さないことと早めの治療

ニキビ跡への対策でいちばん確かなのは、跡をつくらないことです。ガイドラインも、軽いニキビでも跡が残ることがあり、早めに治療すれば跡を防げるとしているからです。

ニキビ跡をつくらないために、ニキビができたときから気をつけたいことです。

潰さない
いじらない
早めに
皮膚科へ
紫外線を
防ぐ

跡のある人のうち15.0%は、軽いニキビしか経験していなかったという結果もあります。ニキビを自分で押しても毛穴の中の皮脂をうまく出しきれず、中途半端に押すことで、かえって炎症が悪くなることがあります。そして、炎症が強いほど跡になりやすくなります。頬杖をつく、こする、膿を出そうとつつくのも避けたい行動です。

跡が残りやすい条件としては、深くて痛むニキビ、ニキビを潰したりいじったりすること、治療が遅れること、近い家族にニキビ跡のある人がいることが挙げられています。ニキビがよくなったあとも、再発を防ぐニキビの治療薬を続けて、新しい炎症をつくらないことが跡を増やさないことにつながります。

皮膚科の治療は、跡の種類に合わせて選ぶ

へこみや盛り上がりが気になるときは、皮膚科で跡の種類を見てもらい、治療を選びます。跡の種類によって、ガイドラインでの治療の位置づけが違うからです。

ガイドラインで選択肢の一つとして推奨度C1とされているのは、盛り上がった跡へのステロイドの注射です。盛り上がりへのトラニラストの飲み薬、切除、冷凍凝固や、へこみへのヒアルロン酸などを注入する治療、医療機関でのピーリング、レーザー治療、赤みにビタミンCを塗ることは、推奨度C2です。C2は効かないという意味ではなく、今のところ推奨しない、という位置づけです。医療機関でのピーリングは、炎症によってかえって色が濃くなることがあるので慎重に、とも注意されています。

美容クリニックで保険のきかない治療を受けるときは、期間や費用、期待できる効果、起こりうる副作用について、十分に説明を受けてから決めることがすすめられています。美容医療をめぐる相談は、2024年度に10,744件寄せられています。不安をあおられたり、割引のあるモニター契約をすすめられたりしても、その場で契約しないことが大切です。期間が1か月を超え、金額が5万円を超える一定の美容医療の契約は、書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができ、困ったときは消費者ホットラインの188に相談できます。

ケロイドになりやすい体質の人は、傷ができたら早くから皮膚科で治療を受けることが何より大切です。

化粧品にできるのは、新しいニキビと日やけを防ぐこと

化粧品や薬用化粧品にできるのは、新しいニキビや日やけを防いで、跡のもとになる炎症や紫外線を減らすことです。国が認めている効能に、ニキビ跡を名指ししたものや、できた跡を薄くするものはないからです。

ふつうの化粧品で言えるのは、洗顔料が洗浄によってニキビを防ぐことや、日焼け止めの「日やけを防ぐ」までです。医薬部外品の薬用化粧品では、「にきびを防ぐ」や、メラニンを抑える有効成分の「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」といった効能が認められています。どれも「防ぐ」の範囲です。

「ニキビ跡に」とうたう商品を見たら、医薬部外品かどうかと、効能が「防ぐ」の範囲かどうかを確かめましょう。跡が深い、広がってきた、なかなか引かないといったときは、皮膚科で相談するのが確実です。

まとめ

ニキビ跡は、できてからなくすより、つくらないほうがずっと確実です。ニキビを潰さず、早めに皮膚科で治療して、紫外線を避けることから始めてみてください。

よくある質問

ニキビ跡の赤みはなくなりますか?

炎症のあとに残る赤みは一時的なもので、時間とともに引いていきます。日本皮膚科学会の一般向けの解説でも、心配はいらないとしています。

茶色いニキビ跡はどれくらい続きますか?

薄れるまで数か月から数年かかることがあります。メラニンが真皮まで落ちると長引くことがあり、紫外線を浴びると濃くなることもあるので、日焼け止めを欠かさないようにしましょう。

化粧品でニキビ跡はなくせますか?

なくせません。化粧品や薬用化粧品の効能は「防ぐ」までで、ニキビ跡を名指しした効能はありません。新しいニキビや日やけを防いで、跡のもとを減らすのが化粧品の役目です。

へこんだニキビ跡はどんな治療をしますか?

皮膚科で、ヒアルロン酸などを注入する治療やピーリング、レーザー治療などが行われます。日本皮膚科学会のガイドラインでは、これらは推奨度C2で、今のところ推奨しないという位置づけです。

ニキビを潰すと跡になりますか?

潰すのは避けてください。自分で押しても皮脂をうまく出しきれず、かえって炎症が悪くなることがあり、炎症が強いほど跡になりやすくなります。

この記事で参照した情報

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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