この記事でわかること
- アトピー性皮膚炎で保湿が大事な理由
- 皮膚科の保湿剤と化粧品の違い
- 保湿で発症を防げるかの答え
アトピー性皮膚炎があると、どの保湿剤を使えばいいのか、市販の化粧品でもいいのか迷いますよね。
結論から言うと、保湿は治療の大事な一部ですが、治療を決めるのは医師です。化粧品は薬の代わりにはならず、乾燥を防ぐところまでを支えます。
保湿が大事なのは、刺激を防ぐ働きが弱い肌だから
アトピー性皮膚炎で保湿が大事なのは、もともと外からの刺激を防ぐ働きが弱い肌だからです。
治療は、炎症=赤みやかゆみをおさえる薬、保湿と洗い方のスキンケア、悪くするきっかけをさける対策の3本柱です。塗り薬で炎症をおさめても、スキンケアをおこたると、ぶり返しやすいとされています。入浴で、肌を守る皮脂が流れ落ちることも重なります。
だから保湿は、薬と並ぶ治療の柱の1本なのです。
治療の保湿剤は医師が選び、化粧品は乾燥を防ぐまで
治療に使う保湿剤は皮膚科で出る医薬品で、化粧品にできるのは乾燥を防ぐことまでです。
皮膚科で出る保湿剤は、ヘパリン類似物質・尿素・白色ワセリンなどの医薬品で、医師が肌を見て選びます。学会の案内では、刺激の少ない石けんで軽く洗い、使い心地のよい保湿剤を1日2回塗ることがすすめられています。
日本皮膚科学会が案内している、ふだんのスキンケアの流れです。
洗う
選ぶ
塗る
主治医へ
市販の保湿化粧品にできるのは、うるおいを与え、乾燥を防ぐことまでです。使うかどうかは、主治医に相談して決めましょう。
毎日の保湿で、発症まで防げるわけではない
赤ちゃんのころから保湿していれば防げるのでは、と思う人も多いと思います。毎日の保湿で、アトピー性皮膚炎の発症まで防げるわけではありません。
家族にアレルギーのある赤ちゃんに、毎日保湿をしても、2歳で湿疹がある割合はほとんど変わらなかったという結果があります。
保湿は、いまある肌を支えるための手入れと考えましょう。くわしくはアトピー性皮膚炎と保湿の記事で解説しています。
まとめ
- 治療は薬・スキンケア・悪化因子の対策の3本柱です
- 治療に使う保湿剤は、皮膚科で出る医薬品が基本です
- 刺激の少ない石けんで軽く洗い、保湿剤は1日2回塗ります
- 化粧品にできるのは、乾燥を防ぐことまでです
迷ったら、主治医に相談しましょう。
よくある質問
アトピー性皮膚炎に市販の保湿化粧品は使えますか?
化粧品にできるのは、うるおいを与え、乾燥を防ぐことまでです。使うかどうかは、主治医に相談して決めましょう。
皮膚科ではどんな保湿剤が出ますか?
ヘパリン類似物質、尿素、白色ワセリンなどの医薬品で、医師が肌を見て選びます。学会の案内では、使い心地のよいものを1日2回塗ることがすすめられています。
赤ちゃんのころから保湿すればアトピーは防げますか?
防げるわけではありません。家族にアレルギーのある赤ちゃんに毎日保湿をしても、2歳で湿疹がある割合はほとんど変わらなかったという結果があります。
この記事で参照した情報
- 日本皮膚科学会・日本アレルギー学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021」(日皮会誌131(13):2691-2777)
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「アトピー性皮膚炎」Q24 スキンケアについて
- Chalmers JR, et al. Daily emollient during infancy for prevention of eczema: the BEEP randomised controlled trial. Lancet 2020;395(10228):962-972
- American Academy of Dermatology「Eczema types: Atopic dermatitis skin care」(2023年10月10日更新)
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)