成分辞典やさしい解説

椿油をやさしく解説!効果と髪への使い方、よくないと言われる理由とは?

あるコスメオタク・2026.10.13・更新 2026.10.21・成分解説

椿油は昔からあるヘアオイルですが、「髪によくない」「デメリットがある」という話も見かけて、使っていいのか迷いますよね。

結論から言うと、椿油は髪や肌に油分を補い、乾燥を防いでつやとうるおいを与える油です。よくないと言われる理由の多くは、つけすぎと古くなった油の酸化なので、量と保管に気をつければ安心して使えます。まずは、どんな油なのかから見ていきましょう。

椿油は、オレイン酸が8割以上をしめる植物の油脂

椿油は、オレイン酸という脂肪酸が8割以上をしめる、植物の油脂です。ヤブツバキという木の種子からとる油で、化粧品の成分表では「ツバキ種子油」と書かれます。ツバキ油、カメリアオイルと呼ばれることもあります。

化粧品の油の分類では、グリセリンに脂肪酸が3つ結びついたトリグリセリドを主成分とする油脂の仲間です。皮脂の主成分と同じ種類のつくりで、椿油ではオレイン酸が3つ結びついたトリオレインが中心です。ほかにパルミチン酸やリノール酸が少し含まれます。

医薬品の規格書である日本薬局方にも「ツバキ油」の名前で載っていて、塗り薬の土台になる基剤など、医薬品をつくるときの添加剤として使われています。椿油は、オレイン酸の多い、昔から使われてきた油と覚えておきましょう。

椿油は、角層の上に油の膜をつくって乾燥を防ぐ

椿油の肌への働きは、角層の上に油の膜をつくって、水分が蒸発するのを防ぐことです。肌の乾燥は、いちばん外側の角層から水分が逃げていくことで起きるからです。

角層は、表面をおおう皮脂膜、細胞の中で水を抱える天然保湿因子、細胞のすき間を埋める細胞間脂質の3つでうるおいを保っています。細胞間脂質の約50%はセラミドです。表面の皮脂膜の油分が足りないと、角層の水分が蒸発しやすくなり、表面がかさついてきます。

椿油は、このうち皮脂膜と同じように、表面を油分でおおう側に働きます。油の膜が水分の通り道にふたをするので、角層の水分が逃げにくくなります。油分が角層になじむことで、かさついた表面もやわらかく感じられます。

椿油は角層の上に油の膜をつくり、水分が逃げるのを防ぎます。

使う前 乾いて、水分が逃げる 使ったあと 油の膜で、水分を保つ 椿油の膜 角層 表皮 真皮

化粧品の効能の範囲でいえば、「皮膚の水分、油分を補い保つ」「皮膚の乾燥を防ぐ」「肌を柔らげる」といった言い方になります。たとえば、椿油を配合した油性のローションを肌に貼って刺激を調べると、安全なローションと判定されたという結果があります。椿油は、油の膜で角層の水分を守る保湿の油です。

髪には、表面に油分を補ってつやを与える

髪に使うときの椿油の役目は、髪の表面に油分を補い、つやを与えてうるおいを保つことです。髪の水分や油分が足りないと、毛先がパサついて、つやがなく見えるからです。

化粧品として言えるのは、「毛髪につやを与える」「毛髪の水分、油分を補い保つ」といった範囲です。椿油は髪の表面を整える役で、傷んだ髪が元に戻るわけではありません。髪の傷みのしくみは髪と頭皮のしくみで解説しています。

たとえば椿油シャンプーでも、髪や頭皮の汚れを落とすのは洗浄成分で、椿油は洗ったあとの髪にうるおいを与える油分のひとつとして入っています。また、化粧品の効能の範囲には、白髪を防ぐ、黒くする、髪が生えるといった働きは入っていません。

ヘアオイルとして使うなら、少量を手のひらに広げてから、パサつきやすい毛先を中心になじませるのが基本です。

よくないと言われる理由は、つけすぎと酸化

「椿油は髪によくない」と聞くと不安になりますよね。よくないと言われる理由は、主につけすぎと、古くなった油の酸化です。どちらも椿油だけの話ではなく、油に共通する性質です。

ひとつめのつけすぎは、油が多すぎて髪がべたついたり、重くなってぺたんとしたりすることです。頭皮にまで多くつけると、もともとある皮脂に油を上乗せすることにもなります。べたつくと感じたら、量を減らすか、つける場所を毛先にしぼりましょう。

ふたつめの酸化は、油が空気中の酸素と結びついて傷むことです。油の酸化は、脂肪酸の中の不飽和結合という反応しやすい部分から進みます。椿油は、この部分を2つもつリノール酸が少ないので、リノール酸の多い油に比べると傷みにくい方向です。ただ、オレイン酸もこの部分を1つもつので、椿油も光や熱で少しずつ酸化します。天然の抗酸化成分は茶の種子の油より少ないという分析もあります。

傷みにくい方向の椿油も、光や熱で少しずつ酸化します。

光や熱に
当たる
油が
酸化する
においが
変わる
古い油は
使わない

酸化した油は、においや質が変わります。熱と光を避けて保管し、開けたら早めに使い切ることが、椿油を気持ちよく使うコツです。

顔や頭皮に合うかは人による。少量から試せば安心

椿油は顔にも頭皮にも使えますが、合うかどうかは人によるので、少量から試すのが安心です。オレイン酸の多い油は、肌や頭皮の状態によっては刺激になることがあるからです。

頭皮には、誰にでもいるマラセチアというカビの仲間がいて、皮脂を分解して脂肪酸をつくります。フケが出やすい人では、オレイン酸を頭皮につけるとフケが出やすくなったという結果があります。また、同じくオレイン酸の多いオリーブ油を腕に塗り続けると、角層のまとまりが弱まり、軽い赤みが出たという結果もあります。ひまわり油では、そうした変化は見られませんでした。

はじめて使うときは、腕の内側などで少量を試し、赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。頭皮に使ってフケやかゆみが増えたら、頭皮への使用をやめ、続くときは皮膚科に相談します。

食用の椿油は、食べるためにつくられた油で、肌や髪に塗ることを目的にしていません。料理用は開けたあと熱や光にさらされることも多いので、肌や髪には、化粧品として売られている製品を表示どおりに使いましょう。

サザンカ油は椿油によく似ていて、リノール酸がやや多い

サザンカ油は、椿と同じツバキの仲間のサザンカの種子からとる油で、中身は椿油によく似ています。違いは、サザンカ油のほうがリノール酸がやや多いことです。

リノール酸は反応しやすい部分を2つもつので、そのぶんサザンカ油は椿油より酸化しやすい方向と考えられます。また「カメリア」はツバキの仲間全体を指す名前なので、カメリアオイルと呼ばれる油が、ヤブツバキ以外のツバキの仲間の油のこともあります。油をとるために育てられる別のツバキの仲間の油もオレイン酸が8割以上と椿油に近い一方、お茶の木の種子の油はパルミチン酸やリノール酸が多く、椿油とは別物です。

どの植物の油かは、成分表の名前で確かめるのがいちばん確実です。

まとめ

椿油は、油の膜で肌や髪のうるおいを守る、昔ながらの油脂です。少量から、新しいうちに、製品の表示どおりに使ってみてください。

よくある質問

椿油の効果は?

髪や肌に油分を補い、乾燥を防いでつやとうるおいを与えることです。肌では角層の上に油の膜をつくり、水分が蒸発するのを防ぎます。化粧品として言えるのは「毛髪につやを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」といった範囲です。

椿油をヘアオイルとして使うときの使い方は?

まずは製品に書かれた使い方に従います。椿油だけの製品なら、少量を手のひらに広げてから、パサつきやすい毛先を中心になじませると、つけすぎを防げます。べたつくときは量を減らしましょう。

椿油は髪によくないって本当?デメリットは?

よくないと言われる理由は、主につけすぎと古くなった油の酸化です。つけすぎると髪がべたついて重くなり、古い油はにおいや質が変わります。少量を毛先中心に使い、熱と光を避けて早めに使い切りましょう。

椿油で白髪は防げますか?

化粧品の効能の範囲に、白髪を防ぐ、黒くするといった働きは入っていません。椿油の役目は、髪の表面に油分を補い、つやとうるおいを与えることです。

食用の椿油を髪や肌に使ってもいいですか?

肌や髪には、化粧品として売られている製品を使いましょう。食用の油は食べるためにつくられたもので、肌や髪に塗ることを目的にしていません。料理用は熱や光にさらされて古くなりやすいことも考えて、使い分けます。

あるコスメオタクの写真

この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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