- 成分表示の名前
- カルボマー
- 入っている理由
- 水にとろみをつけ、ジェルの質感をつくるため(増粘)
- 安全性のめやす
- アメリカの専門家委員会は、刺激が出ないように処方されていれば今の使い方と濃度で安全と結論づけています
この記事でわかること
- カルボマーが水をジェルに変えるしくみ
- ジェルや乳液に多く、成分表で後ろに出る理由
- 専門家委員会が出した安全性の結論
成分表で「カルボマー」という名前をよく見かけるけれど、何のために入っていて、肌に悪くないのか気になりますよね。
結論から言うと、カルボマーは化粧品にとろみをつけるための増粘剤で、刺激が出ないように処方されていれば安全と評価されています。肌に働きかける成分ではなく、感触をつくる裏方です。
カルボマーは、水にとろみをつける増粘剤
カルボマーは、水にとろみをつけて、ジェルの質感をつくる成分です。網のように広がる大きな分子が、水を抱えてふくらむからです。
カルボマーは、アクリル酸という材料をたくさんつなげてつくる合成のポリマーです。水に混ぜて中和すると、さらさらの液がジェルになります。
カルボマーが、さらさらの水をジェルに変えるまでの流れです。
混ぜる
水を抱える
ジェルに
枠で囲んだところで、水がとろみに変わります。とろみで、油と水が分かれるのを防ぐ役目もあります。ポリマーのしくみはポリマーの記事で解説しています。
ジェルや乳液に多く、成分表では後ろのほうに出る
カルボマーは水をもとにした製品に多く、成分表では後ろのほうに書かれます。少しの量でとろみが出るので、入っている量が少ないからです。
たとえば、ジェル、美容液、乳液、日焼け止めなどです。アメリカの届け出では、使われた製品の大半が洗い流さないものでした。成分表は多い順に書く決まりなので、量の少ない増粘剤は後ろに並びます。
後ろのほうにあっても、とろみをつくる役目はしっかり果たしています。読み方は成分表示の記事で解説しています。
刺激が出ない処方なら、今の使い方で安全とされている
「合成のポリマー」と聞くと、肌に悪くないか心配になりますよね。アメリカの専門家委員会は、刺激が出ないように処方されていれば、今の使い方と濃度で安全と結論づけています。大きな分子なので、皮膚から中に入りにくいと考えられているからです。
人の試験でも、刺激やかぶれのおそれは低いという結果です。つくる途中で混ざるベンゼンという不純物は、できるだけ減らすよう求められています。日本の化粧品基準でも、配合が制限される成分には入っていません。
成分表にあっても、心配しすぎなくて大丈夫です。肌に合わないと感じたら、使うのをやめましょう。
まとめ
- カルボマーは、水にとろみをつける合成の増粘剤
- 中和すると網のような分子が広がり、水を抱えてジェルになる
- ジェルや乳液など、水をもとにした製品に多い
- 少しの量で働くので、成分表では後ろのほうに出る
- 専門家委員会は、刺激が出ない処方なら安全と結論
肌に働きかける成分ではなく、とろみや感触をつくる裏方の成分です。
よくある質問
カルボマーは、何のために入っている成分ですか?
化粧品にとろみをつけるための増粘剤です。水を抱えてふくらむ大きな分子で、ジェルの質感をつくったり、油と水が分かれるのを防いだりする目的で入っています。
カルボマーは肌に悪いですか?
アメリカの専門家委員会は、刺激が出ない処方なら安全と結論づけています。人の試験でも刺激やかぶれのおそれは低く、大きな分子なので皮膚から中に入りにくいと考えられています。
カルボマーが成分表の後ろのほうにあるのはなぜですか?
少しの量でとろみが出るため、入っている量が少ないからです。成分表は多い順に書く決まりなので、増粘剤は後ろのほうに出ることがほとんどです。
この記事で参照した情報
- 米国CIR(Cosmetic Ingredient Review)「Amended Safety Assessment of Acrylates Copolymers as Used in Cosmetics」最終改訂報告(2019年1月)
- 米国CIR「Safety Assessment of Cross-Linked Alkyl Acrylates as Used in Cosmetics」International Journal of Toxicology 2017;36(5 suppl 2):59S-88S
- 欧州委員会 CosIng「CARBOMER」(参照番号74820。機能: 乳化安定・ゲル形成・粘度調整)
- COSMILE Europe「CARBOMER」(Cosmetics Europe 成分データベース)