この記事でわかること
- ウォータープルーフのマスカラでもにじむ理由と防ぎ方
- マスカラの3つのタイプと、まつ毛美容液の注意
- 目もとに使える色素、まつ毛エクステの決まり、目に入ったときの手順
ウォータープルーフのマスカラなのに、夕方には目の下が黒くなっている。落ちないはずなのに、どうしてにじむのか不思議に思いますよね。
結論から言うと、ウォータープルーフは水に強いだけで、油にはなじむからです。にじみの原因は汗や涙ではなく、皮脂と化粧品の油分です。まずは、にじむしくみから見ていきましょう。
ウォータープルーフがにじむのは、皮脂や油分になじむから
ウォータープルーフのマスカラが皮脂でにじむのは、製品の欠陥ではなく、もともとの性質です。ウォータープルーフは、水や汗、涙では落ちにくいようにできていますが、油にはなじむからです。
目のまわりには、肌から出る皮脂や、ファンデーションなどの化粧品の油分がふれます。マスカラがこの油になじむとくずれて、下まぶたについてしまいます。
フェイスパウダーで目のまわりをおさえると、枠で囲んだ「油分がふれる」ところを減らせます。
油分がふれる
油になじむ
つく
だから、対策は目のまわりの油分をおさえることです。特にリキッドやクリームのような油分の多いファンデーションを使う日は、フェイスパウダーなどで目のまわりをよくおさえてから仕上げましょう。
にじむのは、水ではなく油が原因と覚えておけば、対策を選びやすくなります。
マスカラは3種類あり、どれにも弱いところがある
マスカラは、油性・水性皮膜・水性非皮膜の3つのタイプに分かれ、どのタイプにも弱いところがあります。中身のつくりが違うので、強い相手と弱い相手が変わるからです。
マスカラの3つのタイプは、強いものと弱いものがそれぞれ違います。
油性
水に強いが、皮脂でくずれることがある
水性皮膜
水にも皮脂にも強い
水性非皮膜
皮脂に強い
油性タイプは、軽い油に色材やワックスを混ぜたもので、水に強いぶん、皮脂などの影響でくずれて、下まぶたにつくことがあります。水性皮膜タイプは、樹脂が乾いて膜になり、水にも皮脂にも強いタイプです。水性非皮膜タイプは、膜をつくらず、皮脂に強いタイプです。
アイライナーも同じ3つに分かれます。水性皮膜タイプは膜によるつっぱり感を感じることがあり、水性非皮膜タイプは水に弱く、汗や涙でくずれやすいという弱点があります。
また、マスカラに求められるのは落ちにくさだけではありません。まばたきや涙でくずれにくい一方で、クレンジングで落としやすいことと、目に支障が出ない安全性も大事な品質です。専用のクレンジング料が用意されている製品もあるので、落とし方はまず使い方の説明を確かめ、それに合うクレンジングを選びましょう。
全部に強いマスカラはないので、自分のくずれ方に合うタイプを選ぶと、期待外れが減ります。
まつ毛美容液は、化粧品として「伸びる」とは言えない
化粧品のまつ毛美容液で言えるのは、「毛髪にはり、こしを与える」「毛髪のつやを保つ」などの範囲で、「伸びる」「増える」は入っていません。化粧品で言える効能の範囲は国が決めていて、毛を伸ばしたり増やしたりすることは、その中にないからです。
2019年7月末の時点で、医薬部外品として承認されたまつ毛美容液もありません。頭髪用の医薬部外品の育毛剤も、まつ毛への効能が認められたものではないため、まつ毛には使わないよう呼びかけられています。
それでも「伸びる」とうたう製品はあり、表示の調査では化粧品15銘柄のうち約半数に、化粧品の効能の範囲を超えると考えられる表示がありました。「2週間でまつ毛が伸びる」などの表示には、裏づけとなる根拠が示されていないとして、消費者庁が措置命令を出しています。
トラブルの相談も多く、まつ毛美容液による危害の情報は2015年度以降で381件ありました。皮膚のトラブルが78.7%を占め、赤みやかゆみ、痛み、腫れが多く、角膜潰瘍と診断された例もありました。
まつ毛美容液は、はりやこしを与えるものとして選び、赤みやかゆみが出たらすぐに使うのをやめましょう。
目もとの色素は「粘膜に使うかどうか」で分かれる
目のまわり用の化粧品には、目のまわり専用の色素の決まりがあると思いますよね。でも、使える色素を分けているのは「目のまわりかどうか」ではなく、「粘膜に使うかどうか」です。化粧品に使えるタール色素を決めている省令が、化粧品を「粘膜に使用されることがない化粧品」とそれ以外に分けているからです。
ふつうの化粧品に使えるのは、省令の別表の第一部と第二部の色素です。粘膜に使用されることがない化粧品には、それに加えて第三部の色素も使えます。この条文には「目のまわり」「眼」「まつ毛」という言葉は出てきません。
化粧品基準も同じ考え方で、成分の表は「粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの」「同 洗い流さないもの」「粘膜に使用されることがある化粧品」の3つに分かれています。ここでも、区分の軸は粘膜かどうかと洗い流すかどうかです。
目もと用の製品は、使い方の説明に書かれた場所に使うのが基本です。
まつ毛は、目に異物が入るのを防ぐ毛
まつ毛には、目に異物が入るのを防ぐ働きがあると考えられています。まぶたのふちに並び、目の入り口をふちどるように生えているからです。
まつ毛は、2〜3列に並んで生えています。上まぶたに100〜150本、下まぶたに50〜75本ほどあり、長さは7〜8mm、太さは直径約91μmといわれます。1日に約0.18mmずつ伸び、生えかわりの周期は3〜5か月です。
上まつ毛のほうが密に生えて長く、上向きに曲がり、下まつ毛は下向きに曲がっています。いま伸びている時期にある毛の割合は、上まつ毛が41%、下まつ毛が15%で、上下でずいぶん違います。東洋人のまつ毛は短め、少なめ、下がりめという特徴があり、そのぶんマスカラで変わって見えやすいとされています。
まつ毛は目を守る毛なので、目もとのメイクは落とすところまで考えて選びましょう。
まつ毛エクステは、美容師が美容所で行うもの
まつ毛エクステンションの施術には、美容師の免許と、届け出をした美容所が必要です。まつ毛エクステは美容師法の「美容」にあたり、美容師は美容所で美容を行うと決められているからです。
そのため、届け出をしていない場所で施術することはできません。ネイルだけのサービスは「美容」にあたらないので、まつ毛エクステとは決まりが逆になります。
危害の情報は2010年度以降で599件あり、毎年100件以上寄せられています。症状は「目が痛い」「目が充血した」「まぶたが腫れた、かぶれた」「目がかゆい」などです。接着剤に使われるシアノアクリレートには、アレルギー性の皮膚の反応を起こすおそれや、目への刺激性があります。また、つけ爪用とまつ毛エクステ用の接着剤を調べた商品テストでは、すべての検体からホルムアルデヒドが見つかったという結果があります。
お店を選ぶときは美容所かどうかを確かめ、目に異常が出たらすぐに眼科や皮膚科で診てもらいましょう。くわしくはまつ毛エクステの記事で解説しています。
化粧品が目に入ったら、こすらずにすぐ洗い流す
化粧品が目に入ったら、こすらずに、すぐに水かぬるま湯でよく洗い流します。まずは目に入ったものを、早く外へ流し出すことが大切だからです。
化粧品が目に入ったときの手順です。
ない
洗い流す
しながら
眼科へ
洗うときは、まばたきをしながら流します。痛みやかすみ、異物感などが残るときは、眼科の専門医に相談しましょう。受診のときは、全成分表示が書かれた製品と外箱を持っていくと役立ちます。
あわてずに、こすらない、すぐ流すの2つを覚えておけば大丈夫です。
まとめ
- ウォータープルーフは水に強く、油にはなじみます。皮脂でにじむのは性質どおりで、目のまわりの油分をおさえると防げます
- マスカラは油性・水性皮膜・水性非皮膜の3タイプで、どれにも弱いところがあります
- 化粧品のまつ毛美容液で言えるのは「はり、こしを与える」などの範囲で、「伸びる」は入っていません
- 使える色素は「粘膜に使うかどうか」で分かれます。まつ毛エクステは美容師が美容所で行います
- 化粧品が目に入ったら、こすらずに水かぬるま湯ですぐ洗い流します
目のまわりは、粘膜と皮膚のさかいめです。にじみにくさだけでなく、落とすところまで含めて選ぶと、目もとのメイクを安心して楽しめます。
よくある質問
ウォータープルーフのマスカラがにじむのはなぜ?
水や汗、涙には強くても、油にはなじむからです。にじみの原因は皮脂や化粧品の油分で、製品の欠陥ではありません。油分の多いファンデーションを使うときは、目のまわりをフェイスパウダーでおさえると防ぎやすくなります。
マスカラにはどんな種類がある?
油性、水性皮膜タイプ、水性非皮膜タイプの3つです。油性は水に強い一方で皮脂でくずれることがあり、水性皮膜タイプは水や皮脂に強い、というようにタイプごとに得意・不得意があります。
まつ毛美容液でまつ毛は伸びる?
化粧品として言えるのは「毛髪にはり、こしを与える」などの範囲で、「伸びる」「増える」は入っていません。2019年7月末の時点で、医薬部外品として承認されたまつ毛美容液もありません。
頭髪用の育毛剤をまつ毛に使ってもいい?
使わないようにしましょう。医薬部外品の育毛剤は頭髪用で、まつ毛への効能は認められていません。
化粧品が目に入ったらどうする?
こすらずに、すぐ水かぬるま湯でまばたきをしながらよく洗い流します。痛みやかすみ、異物感が残るときは眼科の専門医に相談し、全成分表示が書かれた製品と外箱を持っていきます。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「マスカラ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「マスカラの仕上がり」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「マスカラのブラシ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「アイライナー」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「アイシャドー」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「アイブロウ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「アイメークアップ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「まつ毛」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「つけまつ毛」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「ウォータープルーフ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「皮膜形成高分子」
- 厚生労働省医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- 医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令(昭和41年8月31日 厚生省令第30号)
- 化粧品基準(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)
- 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 事務連絡「化粧品基準及び医薬部外品の製造販売承認申請に関する質疑応答集(Q&A)について」(令和3年3月25日)
- 国民生活センター「まつ毛美容液による危害が急増!-効能等表示の調査もあわせて実施-」(2019年8月8日公表)
- 同 報告書本文(PDF)
- 国民生活センター「後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害」(平成27年6月4日)
- 厚生労働省「まつ毛エクステンションの危害」
- 消費者庁「株式会社ハウワイに対する景品表示法に基づく措置命令について」(令和3年6月3日 消表対第932号)
- 東京都生活文化局消費生活部生活安全課 商品テスト「つけ爪、まつげエクステンション等に使用する接着剤の安全性」(平成29年2月)
- 日本化粧品工業会「化粧品Q&A」
- 化粧品公正取引協議会「化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則 別表1【種類別名称】」
- 公益社団法人日本眼科医会「コンタクトレンズと目のお化粧―健康で美しい目を守るには―」