肌の基礎知識やさしい解説

フリーラジカルをやさしく解説!活性酸素との違いと肌で起きることとは?

あるコスメオタク・2026.10.11・更新 2026.10.22・肌の基礎知識

健康や美容の話でよく見かける「フリーラジカル」。なんとなく体に悪そうだけれど、活性酸素と同じものなのか、よくわからないですよね。

結論から言うと、フリーラジカルは対になっていない電子をもつ、反応しやすい原子や分子のことで、活性酸素と重なる部分はあっても同じものではありません。体の中では呼吸のたびに生まれ、まわりの脂質と反応して酸化の連鎖を起こし、体は酵素とビタミンでその連鎖を止めています。まずは、言葉の意味から見ていきましょう。

フリーラジカルとは、対になっていない電子をもつ原子や分子

フリーラジカルとは、対になっていない電子をもつ原子や分子のことで、単にラジカルとも呼ばれます。電子が対になっていないと、不安定で、まわりの物質と反応しやすくなるからです。

安定した原子や分子では、いちばん外側の電子が2つずつ対になっています。その対の片方が失われて1つだけ残ると、残った電子が相手を探すように、ほかの物質と反応しやすい状態になります。化学用語の国際的な決まりでも、ラジカルは対になっていない電子をもつものとされ、「フリー」を付けずにラジカルと呼ぶことが勧められています。

点は電子です。対にならない電子が1つ残ったものがラジカルです。

安定した分子 フリーラジカル 電子が2つずつ対 対にならない電子が1つ 反応しにくい まわりと反応しやすい

よく混同されるイオンは、プラスかマイナスの電気を帯びた原子や分子のことです。ラジカルは電子が対かどうか、イオンは電気を帯びているかどうかと、見ている基準が別なので、両方にあてはまるものもあります。フリーラジカルは、悪者の名前ではなく、電子の状態を表す言葉です。

活性酸素とは、重なるけれど同じではない

フリーラジカルと活性酸素は、重なる部分はあっても同じものではありません。ラジカルかどうかは電子の状態の話、活性酸素かどうかは酸素を含んで反応しやすいかどうかの話で、物差しが違うからです。

活性酸素は、酸素原子を含む反応性の高い物質の総称です。そのうちスーパーオキシドアニオンやヒドロキシルラジカルはラジカルですが、過酸化水素は活性酸素なのにラジカルではありません。スーパーオキシドアニオンは、ラジカルであり、同時にマイナスの電気を帯びたイオンでもあります。

反対に、ラジカルなのに活性酸素としては扱われないものもあります。たとえば、ビタミンEがラジカルを受け止めたあとになるビタミンEラジカルです。2つの言葉は、別の物差しで分けた呼び名と考えると整理しやすくなります。

体の中では、呼吸のたびにラジカルが生まれている

体の中のラジカルは、細胞が酸素を使ってエネルギーをつくるときに、毎日生まれています。呼吸で取りこんだ酸素の一部が、ふだんから不完全に還元されて(電子を受け取りきれずに)、活性酸素やラジカルに変わるからです。

細胞の中のミトコンドリア(エネルギーをつくる小器官)では、電子を受け渡しながら、最後に酸素を水に変えています。このとき電子が途中で酸素に渡ってしまうと、ラジカルであるスーパーオキシドアニオンができます。これは酵素ですぐに過酸化水素に変えられますが、過酸化水素は鉄イオンのような金属にふれると、ラジカルのヒドロキシルラジカルに変わることがあります。

肌では、紫外線もきっかけになります。紫外線のエネルギーを吸収した物質は、それ自体がラジカルとして働いたり、酸素と反応して活性酸素をつくったりします。ラジカルは、ラジカルではない物質からも、くり返し生まれてくるのです。

ラジカルは脂質と反応し、酸化を連鎖のように広げる

ラジカルがかかわる代表的な反応は、脂質の酸化です。油の仲間である脂質は、ラジカルによる酸化で傷みやすい性質があり、しかもその酸化が次々と広がっていくからです。

脂質の酸化は、ラジカルと反応した脂質が新たなラジカルになり、それがまた隣の脂質と反応する、というように次々と広がる連鎖反応で進みます。こうしてできるのが過酸化脂質です。皮膚の表面では、皮脂に含まれるスクワレンや、角層の細胞のすき間の脂質に由来するコレステロールが、紫外線によって過酸化され、過酸化脂質になります。

体のビタミンEは、枠の段階で連鎖を断ち切ります。

紫外線を
浴びる
ラジカル
ができる
連鎖で
広がる
過酸化脂質
になる

体の中でも、フリーラジカルや活性酸素は細胞膜の脂質やたんぱく質と反応し、酸化が進むと細胞の働きが損なわれることにつながります。ラジカルの反応の特徴は、1つの反応が、次の反応を呼ぶことにあります。

連鎖を止めるのは、体の酵素とビタミンE・ビタミンC

体には、酸化の連鎖を防いだり止めたりするしくみが備わっていて、その中心が体の酵素とビタミンE・ビタミンCです。ラジカルを先に片づける守りと、広がる連鎖を途中で断ち切る守りの、2段がまえになっています。

ひとつめは、スーパーオキシドジスムターゼやカタラーゼなど、体の中の酵素による予防の守りです。ふたつめはビタミンCやビタミンE、カロテノイドなどで、生まれたラジカルを捕まえて、連鎖の始まりを抑えたり、広がる連鎖を断ち切ったりします。

油に溶けるビタミンEは、細胞膜の中で脂質の酸化を運ぶラジカルを捕らえ、自分がビタミンEラジカルになることで連鎖を止めます。そしてビタミンCが、働いたあとのビタミンEをもとの形に戻します。肌では、ビタミンEは皮脂にのって表面に届きますが、紫外線を浴びると主に角層で減っていきます。ビタミンEとビタミンCは、助け合って酸化を抑える関係です。

「老化の原因」という説は、いまは単純すぎると考えられている

フリーラジカルが老化の原因と聞くと、とても気になりますよね。ただ、フリーラジカルが老化の原因だという説は、いまは単純すぎると考えられています。酸化のダメージを増やしても寿命が変わらない結果が重なったからです。

この説は、なぜ老いるのかを説明する主流の説として広まりました。ところがその後、主な抗酸化の遺伝子を働かなくしたマウスで、酸化によるダメージは増えたのに寿命は変わらなかったという結果が重なりました。

いまでは、酸化によるダメージは、老化にかかわるさまざまなダメージのひとつとして考えられています。ラジカルは、老化をひとりで決める悪者ではなく、体の中で起きる反応のひとつです。

まとめ

フリーラジカルは悪者の名前ではなく、電子の状態を表す言葉です。体の中で生まれ、連鎖し、止められる流れとして知っておくと、「酸化」という言葉の意味がぐっとわかりやすくなります。

よくある質問

フリーラジカルとは何ですか?意味を簡単に教えてください

対になっていない電子をもつ、不安定で反応しやすい原子や分子のことです。安定した原子や分子では電子が2つずつ対になっていて、その片方が失われて1つだけ残った状態をフリーラジカル、または単にラジカルと呼びます。

フリーラジカルと活性酸素の違いは何ですか?

重なる部分はありますが、同じものではありません。活性酸素は酸素を含む反応性の高い物質の総称で、スーパーオキシドアニオンやヒドロキシルラジカルはラジカルですが、過酸化水素は活性酸素なのにラジカルではありません。

ラジカルとイオンの違いは何ですか?

ラジカルは電子が対になっていないもの、イオンは電気を帯びたもので、基準が違います。そのため両方にあてはまるものもあり、スーパーオキシドアニオンはラジカルであり、マイナスの電気を帯びたイオンでもあります。

フリーラジカルは体の中のどこで生まれますか?

主に、細胞の中でエネルギーをつくるミトコンドリアで生まれます。酸素を水に変える途中で電子が酸素に渡ると、ラジカルであるスーパーオキシドアニオンができます。肌では紫外線もきっかけになります。

フリーラジカルは肌にどんな影響がありますか?

肌の表面では、皮脂のスクワレンなどが紫外線で酸化されて過酸化脂質になります。脂質の酸化はラジカルが次々と受け渡される連鎖反応で広がり、体は酵素やビタミンE、ビタミンCなどでこれを抑えるしくみをもっています。

この記事が入っているテーマ別まとめ

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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