肌の基礎知識やさしい解説

活性酸素をやさしく解説!紫外線と肌の老化の関係とは?

あるコスメオタク・2026.09.19・更新 2026.10.22・肌の基礎知識

「活性酸素が肌を老化させる」と聞くと、なんだか怖いもののように思えて、体の中で何が起きているのか気になりますよね。

結論から言うと、活性酸素は呼吸で取りこむ酸素の数%が変化した反応しやすい酸素で、体の中でいつも生まれ、体の働きにも使われています。体にはそれを無害にするしくみがあり、そのバランスが崩れた状態を酸化ストレスといいます。肌では紫外線が活性酸素を生み、長い年月をかけて真皮のコラーゲンが減る光老化につながります。

活性酸素は、反応しやすくなった酸素

活性酸素は、酸素の一部が不安定になって、多くの物質と反応しやすくなったものです。呼吸で取りこむ酸素のうち、数%が活性酸素に変わると考えられています。

代表は、一重項酸素、スーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素の4種類です。

よく一緒に出てくるのが「フリーラジカル」です。フリーラジカルは、対になっている電子の一方が失われて、不安定になった物質のことです。活性酸素の中には、スーパーオキシドアニオンやヒドロキシルラジカルのようにフリーラジカルであるものもあれば、過酸化水素のようにそうでないものもあります。くわしくはフリーラジカルの記事で解説しています。活性酸素=フリーラジカル、ではないと押さえておきましょう。

活性酸素は、細胞が酸素を使うたびに生まれ、酵素で水に変えられる

活性酸素は特別なときだけでなく、呼吸をしているかぎり、毎日体の中で生まれています。呼吸で取りこんだ酸素の一部が、ふだんから不完全に還元されて(電子を受け取りきれずに)、活性酸素に変わるからです。

細胞の中でエネルギーをつくるミトコンドリア(細胞の中の発電所のような小器官)では、電子を受け渡しながら、最後に酸素を水に変えています。このとき電子が途中で酸素に渡ってしまうと、スーパーオキシドアニオンができます。

活性酸素が、酵素で水になるまでの流れです。

酸素を
使う
スーパー
オキシド
過酸化
水素
水になる

できたスーパーオキシドは、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)という酵素で、すばやく過酸化水素に変えられます。過酸化水素は、カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどの酵素で水になります。ただし過酸化水素は、鉄イオンのような金属にふれると、反応しやすいヒドロキシルラジカルに変わることがあります。活性酸素は、生まれるそばから、酵素のリレーで片づけられているのです。

活性酸素は、体が細菌と戦い、合図を送るのにも使っている

活性酸素は、ただの有害なものではありません。体は、免疫や細胞どうしの情報伝達、代謝の調節などに活性酸素を使っています。

たとえば白血球は、スーパーオキシドや過酸化水素といった活性酸素の力を借りて、細菌などから体を守っています。体は、細菌を攻撃する武器として、あえて活性酸素を作って使っているのです。

ほかにも、感染を防ぐこと、血管をゆるめること、排卵や受精、細胞が役割ごとに分かれていく分化、アポトーシス(いらなくなった細胞が自分から死ぬしくみ)などにもかかわっています。だから活性酸素は、ゼロにするものではなく、量のバランスが大切なものです。

酸化ストレスは、活性酸素が処理できる量を超えた状態

酸化ストレスとは、活性酸素が、体の処理できる量を超えて増えた状態です。体には、活性酸素を処理する抗酸化のしくみが備わっていて、ふだんはバランスがとれています。

活性酸素の側に傾いた状態が、酸化ストレスです。

活性酸素 紫外線などで増える 抗酸化のしくみ 酵素やビタミン

抗酸化を受けもつのは、さきほどの酵素に加えて、アルブミンのような大きなたんぱく質と、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、グルタチオン、尿酸などの小さな物質です。これらが互いに働き合って、活性酸素を無害にしています。

活性酸素を増やすものには、紫外線、放射線、大気汚染、タバコ、薬剤、金属、酸化した食べもの、それに過度な運動があります。処理できる量を超えると、活性酸素はたんぱく質の性質を変えたり、過酸化脂質をつくったり、遺伝子を傷つけたりします。酸化ストレスは、量とバランスの話です。

紫外線は、肌の中で活性酸素を生む

紫外線は、肌の中の物質にエネルギーを渡して、活性酸素を生みます。肌にとって、いちばん身近な活性酸素のきっかけです。

紫外線のエネルギーを吸収した物質は、光増感物質と呼ばれます。光増感物質はエネルギーの高い状態になり、それ自体がフリーラジカルとして働いたり、酸素や水と反応して活性酸素を作ったりします。

つまり紫外線は、肌に当たって日焼けを起こすだけでなく、活性酸素という、もうひとつのダメージのもとも作ります。紫外線を浴びることが、肌の中で活性酸素が増える入り口になっているのです。

長年の紫外線は、真皮のコラーゲンが減る光老化につながる

長い年月、紫外線を浴び続けて、肌の老化がさらに進んだ状態を「光老化」といいます。活性酸素は、この流れの途中にかかわっています。

光老化した肌の真皮では、コラーゲン線維が著しく減り、エラスチン線維が増えて変性し、毛細血管やリンパ管も減ります。表皮でも、メラノサイト(メラニンをつくる細胞)やケラチノサイト(表皮の大部分をつくる細胞)の並び方が不規則になります。

紫外線で生まれた活性酸素は、細胞の中の合図を動かして、コラーゲンを切る酵素を増やします。この酵素がコラーゲンの線維を切ることで、真皮のコラーゲンが減っていきます。

紫外線から光老化につながる流れのひとつです。

紫外線を
浴びる
活性酸素が
できる
分解酵素
が増える
コラーゲン
が減る

ハリを支えるコラーゲンが減り、弾力を受けもつエラスチンが変性する。これが、光老化した真皮で起きていることです。

まとめ

活性酸素は、体が使いもすれば、増えすぎると害にもなる、量とバランスの話です。「悪者」とだけ覚えるより、体の中で生まれて片づけられる流れとして知っておくと、紫外線と肌の関係も見えやすくなります。

よくある質問

活性酸素はすべて悪いもの?

いいえ、体を守るために使われている面もあります。白血球は活性酸素を使って細菌と戦っていて、困るのは量が多すぎてバランスが崩れたときです。

活性酸素は体のどこでできる?

主に、細胞の中でエネルギーをつくるミトコンドリアでできます。酸素を水に変える途中で電子が酸素に渡ると、スーパーオキシドアニオンが生まれます。

体は活性酸素をどうやって無害にしている?

酵素のリレーで片づけています。スーパーオキシドはSODで過酸化水素に、過酸化水素はカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼで水に変えられます。

紫外線と活性酸素はどう関係する?

紫外線のエネルギーを吸収した肌の中の物質が、酸素や水と反応して活性酸素を生みます。活性酸素はコラーゲンを切る酵素を増やす流れにかかわり、長年の紫外線は真皮のコラーゲンが減る光老化につながります。

活性酸素とフリーラジカルは同じ?

同じではありません。活性酸素の中にはフリーラジカルのものもあれば、過酸化水素のようにそうでないものもあります。

この記事が入っているテーマ別まとめ

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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