この記事でわかること
- ピーリングジェルのポロポロは何でできているのか
- 全成分のどこを見ればAHA入りとわかるのか
- こすりすぎと使う回数で気をつけること
ピーリングジェルでこすると出てくるポロポロを見ると、古い角質がこんなに取れたのかなと思いますよね。
結論から言うと、ポロポロの多くは、塗ったジェルの成分がこすられて固まったものです。古い角質や汚れは、そこにくっついて一緒に取れるとされています。角質がたまっていなくてもポロポロは出るので、出た量を手応えにせず、製品の目安どおりにやさしく使うことが大切です。まずは、ポロポロのでき方から見ていきましょう。
ポロポロの多くは、塗ったジェルの成分が固まったもの
ピーリングジェルのポロポロの本体は、ジェルそのものに入っている成分です。こすったときに、ジェルの成分どうしが結びついて固まるように作られているからです。
ポロポロの本体はジェルの成分で、汚れや角質はそこにくっついて取れるとされます。
塗る
こする
固まる
取れる
こうしたジェルのしくみを示した特許では、肌に塗ってから指でこすると消しゴムのかすのようなものが出てきて、古い角質や汚れをそのかすに吸着させて取り除くしくみとされています。
固まり方にはいくつかの型があります。よく使われるのが、ジェルにとろみをつける増粘剤と、プラスの電気を帯びた界面活性剤の組み合わせです。増粘剤のカルボマーはマイナスの電気を帯びた大きな分子で、中和すると水に溶けてとろみを出します。そこにプラスの電気を帯びるタイプの界面活性剤を合わせると、こすり伸ばすうちに、皮脂や汚れと一緒に成分が消しゴムのかすのように固まるとされています。
ほかに、塗ると膜をつくる水に溶ける高分子を使う型もあります。こちらは、こするうちに肌の上の膜が切れて丸まり、小さな筒のような形になって出てくるとされています。
どの型でも、ポロポロのもとはジェルの側にあると覚えておきましょう。
角質がたまっていなくても、ポロポロは出る
たくさん出ると、それだけ角質がたまっていたのかなと思いますよね。でも、ポロポロの量は、肌にたまっていた角質の量の目安にはなりません。古い角質細胞がたまっていなくても、ポロポロは出てくるとされているからです。
角層の側から見ても、同じことがいえます。皮膚のいちばん外側にある角層は、細胞がおよそ15層重なった10〜20μmほどの薄い層で、頬などではおよそ10層と比較的薄くなっています。
角層はふだん、垢となって少しずつはがれていくので、そのようすに気づくことはありません。まとまってはがれて皮むけとして目に見えるのは、日焼けや肌あれのときです。
ポロポロは、ジェルと古い角質細胞が混ざったものと考えると、量に振り回されずにすみます。
全成分を見ると、AHA入りかどうかがわかる
ピーリングジェルを選ぶときは、全成分表示で、AHAが入っているかどうかを見ておきましょう。AHA入りかどうかで、使うときの注意が変わるからです。
ポロポロのもとになるのは、カルボマーやアクリル系のクロスポリマーといった増粘剤と、ステアルトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムブロミド、ジココジモニウムクロリドのような、プラスの電気を帯びる界面活性剤の組み合わせです。
そのうえで、市販のピーリングジェルには、乳酸、クエン酸、リンゴ酸といったAHAが入っているものと、入っていないものがあります。AHAを含む製品は、肌の表面をはがれやすくする働きがあるとされています。ただし、濃さや、酸性の強さを示すpHが書かれていない製品では、強さまでは比べられません。
AHAを含む製品を使っている間は、紫外線で肌が赤くなりやすくなり、使うのをやめるとその差は見られなくなったという結果があります。そのため、使っている間と、やめてから1週間は日焼け止めを使うよう勧められています。
AHA入りを使う間は紫外線で赤くなりやすいので、やめてから1週間まで日焼け止めを使います。
を使う
やすい
止めを使う
1週間まで
AHAが入っていないジェルなら、この紫外線の注意は当てはまりません。全成分に乳酸・クエン酸・リンゴ酸などの名前があるかを見ておくと安心です。
こすりすぎず、回数は製品の目安に従う
力を入れすぎず、こすりすぎないことが、ピーリングジェルを使うときの基本です。こすること自体が、肌の守りを弱めることがあるからです。
洗顔でも、ゴシゴシ強く洗うと肌を傷めることがあるとされています。こする回数と力が増えるほど、水に溶けたものが皮膚を通りやすくなり、肌の守りが弱まったという結果もあります。また、ジェルに粉末が入っていると、肌への物理的な刺激が強くなり、負担が大きくなりすぎることがあるとされています。
ポロポロの量ではなく、製品の目安とやさしさを基準に使います。
製品の目安
やさしく
やめる
使う回数については、国や学会が決めた基準はありません。製品ごとの目安は週1〜2回や週2回などで、それに従うのが基本です。たくさん出るからといって、回数を増やしたり長くこすったりする必要はありません。赤みやヒリつきが出たら、使うのをやめましょう。
ポロポロの量ではなく、製品の目安とやさしい力加減を基準にしてください。
化粧品のピーリングは、医療のケミカルピーリングとは別もの
同じ「ピーリング」という言葉なので、皮膚科のピーリングと同じようなものだと思いますよね。でも、化粧品のピーリングジェルと、皮膚科などで行うケミカルピーリングは、別のものです。
ケミカルピーリングは、皮膚に化学薬品を塗って皮膚をはがすことで起こる変化を利用する治療です。国は、これを仕事として行えば医業にあたると示しています。厚生労働省の通知でも、酸などの化学薬品を皮膚に塗り、しわやしみに対して表皮をはがす行為が、医師でなければできない行為の例に挙げられています。
化粧品の側でも、言えることの範囲は決まっています。厚生労働省が定める化粧品の効能56項目には「角質」や「ピーリング」という言葉はなく、いちばん近いのは、汚れを落とすことで皮膚を清浄にする、という項目です。国の広告の基準では、写真や図でも、認められた効能を超える印象を与える表現は認められていません。
化粧品のピーリングジェルは、汚れを落として肌を清浄にする手入れとして使いましょう。
まとめ
- ポロポロの多くは、塗ったジェルの成分がこすられて固まったもので、角質や汚れはそこにくっついて取れるとされています
- 角質がたまっていなくてもポロポロは出るので、量の多さで角質の量は判断できません
- 全成分では、AHAが入っているかどうかを見ます。AHA入りは、使う間とやめてから1週間は日焼け止めを
- こすりすぎに注意し、回数は製品の目安に従います。国や学会が決めた基準はありません
- 化粧品の効能56項目に「角質」「ピーリング」の語はなく、医療のケミカルピーリングは医業です
ポロポロの量を手応えにせず、全成分と使い方の目安を確かめて、やさしく使ってみてください。
よくある質問
ピーリングジェルのポロポロは角質ですか?
多くは塗ったジェルの成分がこすられて固まったもので、角質や汚れはそこにくっついて取れるとされています。角質だけでできているわけではありません。
ポロポロがたくさん出るのは角質がたまっているからですか?
そうとは限りません。古い角質細胞がたまっていなくてもポロポロは出てくるとされていて、出た量で角質の量は判断できません。
ピーリングジェルは週に何回使えばいいですか?
国や学会が決めた回数の基準はなく、製品ごとの目安に従うのが基本です。目安は週1〜2回や週2回などです。
AHA入りのピーリングジェルで気をつけることは?
紫外線対策です。AHAを含む製品を使っている間は紫外線で肌が赤くなりやすくなるため、使っている間とやめてから1週間は日焼け止めを使うよう勧められています。
ピーリングジェルと皮膚科のケミカルピーリングは同じですか?
別のものです。ケミカルピーリングは薬剤で皮膚をはがす治療で、仕事として行えば医業にあたるとされています。
この記事で参照した情報
- 特開2007-217299「ゴマージュ化粧料」(出願人 株式会社コーセー、2007年8月30日公開)
- 特開2007-119437「ゴマージュ化粧料」(出願人 エステートケミカル株式会社、2007年5月17日公開)
- 特開2004-035573「ゴマージュ化粧料組成物」(出願人 協和工業株式会社、2004年2月5日公開)
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「カルボキシビニルポリマー」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「陽イオン性界面活性剤」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「角層」
- ロゼット株式会社「ロゼット ゴマージュ」製品ページ
- 株式会社Cure「ナチュラルアクアジェル」製品ページ
- 株式会社アースケア ヘルプセンター(ピーリングゲルのよくある質問)
- 米国食品医薬品局(FDA)「Alpha Hydroxy Acids」
- 日本化粧品工業会「肌の汚れを落とす ―洗浄料―」
- Kikuchi K, et al. Vulnerability of the skin barrier to mechanical rubbing. Int J Pharm 2020
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- 厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)
- 日本化粧品工業会 講習資料「化粧品等の適正広告ガイドライン」(2020年6月15日、京都府掲載)
- 厚生労働省医政局医事課長通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日 医政医発第105号)
- 日本皮膚科学会「ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)」2008年
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「ケミカルピーリング」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「ケミカルピーリング」