肌の基礎知識やさしい解説

エラスチン線維をやさしく解説!肌に弾力を与えるゴムのような線維とは?

あるコスメオタク・2026.10.22・肌の基礎知識

エラスチンは、コラーゲンとセットで名前を見かけることが多いけれど、何がちがうのか、よくわからないと思いますよね。

結論から言うと、エラスチン線維は、真皮の中でゴムのように伸び縮みして、肌に弾力を与える線維です。弾性線維とも呼ばれ、量は真皮の線維の数%と少ないものの、皮膚の弾力を受けもっています。つくり、真皮での並び方、コラーゲン線維とのちがいの順に見ていきましょう。

エラスチン線維は、伸びて元に戻るゴムのような線維

エラスチン線維は、伸び縮みする性質で、皮膚に弾力を与えてはりを保つ線維です。弾性線維、弾力線維とも呼ばれます。

エラスチン線維は、皮膚のほか、動脈の壁や肺、腱、靭帯など、伸び縮みが必要な場所にあります。大動脈や靭帯では乾燥重量(水分を除いた重さ)の約50%を占めますが、皮膚では量が少なく、真皮の線維の数%です。太さは1〜3マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)で、真皮の深いところほど太くなります。

量は少なくても、皮膚の働きのうえでは重要な線維です。少ない量で、皮膚の弾力を受けもっています。

中心のエラスチンを、細いミクロフィブリルが取りまいている

エラスチン線維は、中心のエラスチンと、そのまわりを取りまくミクロフィブリル(ごく細い糸状の足場)でできています。エラスチンが伸び縮みを生み、ミクロフィブリルがその足場になっています。

ミクロフィブリルは太さ10〜12ナノメートルの細い糸で、フィブリリンというたんぱく質が集まってできています。2つの成分の割合は真皮の中の場所によってちがい、その組み合わせが線維の形と働きに表れています。

エラスチンのもとは、トロポエラスチンというたんぱく質です。トロポエラスチンのアミノ酸の約4%はリシンで、このリシンどうしが架橋(分子のあいだにかかる橋)でつながり、水に溶けない網になります。橋の中には、4つのリシンをまとめてつなぐデスモシンという形もあります。

エラスチン線維のつくりと架橋。

エラスチン ミクロフィブリル 鎖どうしをつなぐ架橋

架橋されて溶けなくなったエラスチンが、ゴムのように伸び縮みする性質をもっています。架橋でつながった網が、伸びても戻る力のもとです。

基底膜から網状層まで、つながった網をつくっている

真皮のエラスチン線維は、表皮のすぐ下の基底膜から皮下組織まで、切れ目なくつながった網をつくっています。真皮の深さによって、線維の太さと向きが変わります。

いちばん上のオキシタラン線維は、ミクロフィブリルを多く含む細い線維で、基底膜から真下に向かって乳頭層をつらぬいています。その先で、水平に走る少し太いエラウニン線維につながります。網状層には、エラスチンを主成分とする太い成熟した弾性線維が、コラーゲン線維のあいだを皮膚の表面と平行に走っています。

真皮の深さごとのエラスチン線維。

表皮乳頭層網状層 オキシタラン線維 エラウニン線維 コラーゲン線維 成熟した弾性線維

基底膜のすぐ下で縦に伸びるミクロフィブリルは、基底膜を真皮につなぎとめる役目もしています。真皮の深いところの線維は、体の部位ごとに決まった方向に走っています。深さごとに形を変えながら、1つの網として真皮全体に広がっています。

コラーゲン線維は強さ、エラスチン線維は戻る力を受けもつ

コラーゲン線維は引っぱる力に強いけれどあまり伸びず、エラスチン線維は強さでは及ばないけれど弾力に富んでいます。皮膚を支える役目を、この2つの線維で分担しているからです。

量と太さもちがいます。真皮の線維の90%以上はコラーゲン線維で、エラスチン線維は数%です。太さは、コラーゲン線維の束が2〜15マイクロメートル、エラスチン線維が1〜3マイクロメートルです。材料も、コラーゲン線維はコラーゲン、エラスチン線維はエラスチンと、別のたんぱく質です。

引っぱったときの2つの線維のちがい。

ふだん引っぱったとき コラーゲン線維エラスチン線維

線維の並び方を調べた研究では、エラスチン線維はコラーゲン線維の束に沿って、同じ向きに走っていた、という結果があります。真皮を酵素で消化して見ると、エラスチン線維は、なめらかに枝分かれしたゴムバンドのような形をしています。コラーゲン線維が強さ、エラスチン線維が戻る力を受けもつ組み合わせです。

エラスチン線維は、ほとんど入れかわらない

エラスチン線維は、一度できるとほとんど入れかわらず、長く使われ続けます。入れかわりがとても遅いため、年月による変化がそのまま積み重なっていきます。

皮膚のエラスチンにたまる、古いたんぱく質の目印を年齢ごとに調べた研究では、目印が年齢とともに増え続け、ほとんど入れかわりがない、という結果があります。自然に年を重ねると、エラスチン線維は少しずつ減っていきます。

エラスチン線維をつくるのは、コラーゲン線維と同じく線維芽細胞です。真皮の中で、線維芽細胞がつくり、コラーゲン線維と組んで働く線維です。

まとめ

少ない量でも、真皮全体に網を広げて肌の弾力を受けもっているのが、エラスチン線維です。

よくある質問

エラスチン線維とは?

真皮にある、ゴムのように伸び縮みする線維です。皮膚に弾力を与えてはりを保ち、弾性線維とも呼ばれます。

弾性線維とエラスチンのちがいは?

弾性線維は線維の名前、エラスチンはその主成分のたんぱく質です。弾性線維は、エラスチンと、そのまわりを取りまくミクロフィブリルでできています。

エラスチン線維は真皮にどのくらいある?

真皮の線維の数%です。90%以上を占めるコラーゲン線維に比べると、ずっと少ない量です。

コラーゲン線維とエラスチン線維のちがいは?

コラーゲン線維は強さ、エラスチン線維は弾力を受けもちます。コラーゲン線維は引っぱる力に強いもののあまり伸びず、エラスチン線維は強さでは及ばないものの伸び縮みします。

エラスチン線維は入れかわる?

ほとんど入れかわりません。入れかわりがとても遅く、一度できたエラスチン線維が長く使われ続けます。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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