この記事でわかること
- 一緒に使ってはいけない決まりはあるか
- 2つの成分の役割と、刺激が出やすい側
- ニキビについて言える効能の範囲
毛穴やニキビが気になって、サリチル酸とナイアシンアミドを両方使いたいけれど、一緒に使って刺激が強くならないか迷いますよね。
結論から言うと、2つを一緒に使ってはいけないという決まりはありません。働く場所が違うので役割を分けて使えます。気をつけたいのは、乾燥や刺激が出やすいサリチル酸の側です。
一緒に使ってはいけない決まりはなく、刺激はサリチル酸の側で見る
2つの組み合わせを禁じた決まりはなく、気をつけるのはサリチル酸の刺激です。日本の化粧品で、サリチル酸に決められているのは量の上限で、100gあたり0.2gまでです。
刺激が重なりやすいのは、サリチル酸の側です。アメリカでは、サリチル酸のニキビ用の薬に、ほかのニキビ用の塗り薬と同時に使うと乾燥や刺激が起きやすい、と表示する決まりがあります。
組み合わせより、サリチル酸をどう重ねるかを見ておけば大丈夫です。
サリチル酸は毛穴の出口の角質に、ナイアシンアミドは角層のうるおいに働く
サリチル酸は毛穴の出口の角質に、ナイアシンアミドは角層のうるおいに働く成分です。毛穴のつまりやニキビは、毛穴の出口の角質が厚くなってふさがり、中に皮脂がたまるところから始まります。
サリチル酸は、古い角質どうしのつながりをゆるめて、はがれやすくする成分です。油になじむので、皮脂がたまる毛穴にとどきやすいとされます。ただ、はがす働きがあるぶん、乾燥や赤み、ヒリつきが出ることがあります。
ナイアシンアミドには、角層のすき間を埋めるセラミドを増やす働きが報告されています。角層が自分でうるおいを保つ力を支える成分で、刺激は少ないほうとされます。ただ、合わない人もいます。
2つは働く場所が違うので、役割を分けて使えます。
毛穴の出口に
うるおいに
毛穴とうるおい
毛穴の出口はサリチル酸、角層のうるおいはナイアシンアミド、と役割を分けて考えるとわかりやすいです。
始めるのは1つずつ。サリチル酸は1日1回から
新しく始めるのは1つずつにして、サリチル酸は1日1回から様子を見ます。どちらが合わなかったのか、わかるようにするためです。
ほかの角質ケアと重ねる日は、とくに注意します。時間や順番を分ける決まりはなく、製品ごとの使い方が優先です。赤みが出たらやめましょう。
化粧品のサリチル酸で言えるのは「肌を滑らかにする」などまでです。「にきびを防ぐ」とうたえるのは、サリチル酸などが有効成分の医薬部外品です。くわしくはサリチル酸の記事へ。
まとめ
- 一緒に使ってはいけないという決まりはない
- サリチル酸は毛穴の出口の角質に、ナイアシンアミドは角層のうるおいに働く
- 刺激が重なりやすいのはサリチル酸の側。1日1回から
- 「にきびを防ぐ」は医薬部外品の効能。赤く腫れたら皮膚科へ
順番は、製品ごとの使い方の説明に合わせましょう。
よくある質問
サリチル酸とナイアシンアミドは一緒に使えますか?
一緒に使ってはいけないという決まりはありません。刺激が出やすいのはサリチル酸の側なので、1日1回から肌の様子を見ましょう。使い方は製品ごとの説明が優先です。
サリチル酸とナイアシンアミドを一緒に使うと何がいいですか?
働く場所が違うので、役割を分けて使えます。サリチル酸は毛穴の出口の角質をはがれやすくし、ナイアシンアミドは角層のセラミドを増やしてうるおいを支えます。
ナイアシンアミドは、酸と一緒だと赤くなりますか?
ふつうの化粧品の中で、ナイアシンアミドが赤みのもとになるニコチン酸に変わることはほとんどありません。変わるのは、強い酸性や強いアルカリ性、高温の条件です。赤みやヒリつきが出たら、使うのをやめて様子を見ましょう。
サリチル酸とナイアシンアミドで、ニキビは防げますか?
「にきびを防ぐ」とうたえるのは医薬部外品です。サリチル酸などが有効成分の薬用の化粧水などがこれにあたります。ふつうの化粧品で言えるのは「肌を滑らかにする」などまでで、ニキビの治療は医薬品や皮膚科の役目です。
この記事で参照した情報
- 厚生労働省「化粧品基準」(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「サリチル酸」
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- 医薬部外品の効能または効果の範囲(参考)(枚方市 掲載資料)
- FDA OTC Monograph M006: Topical Acne Drug Products for Over-the-Counter Human Use(2021年11月23日)
- Arif T. Salicylic acid as a peeling agent: a comprehensive review. Clin Cosmet Investig Dermatol 2015;8:455-461
- Boo YC. Mechanistic Basis and Clinical Evidence for the Applications of Nicotinamide (Niacinamide) to Control Skin Aging and Pigmentation. Antioxidants 2021;10(8):1315
- ドイツ化学会 食品化学会 化粧品作業部会「Data sheets for evaluating the effectiveness of active ingredients in cosmetic products. Niacinamide (Vitamin B3)」
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」(日皮会誌133(3):407-450)
- Finholt P, Higuchi T. Rate Studies on the Hydrolysis of Niacinamide. J Pharm Sci 1962;51:655-661