この記事でわかること
- 毛穴と、その下にある毛包のつくり
- 皮脂腺の位置と数、顔の毛穴の特徴
- 毛が生えかわる周期
毛穴と聞くと「目立つもの」という印象が強いですが、そもそも肌の中でどんな形をしていて、何のためにあるのか気になりますよね。
結論から言うと、毛穴は毛包(毛を包む管)の入口で、毛の通り道であると同時に、皮脂の出口でもあります。毛包には皮脂腺(皮脂をつくる小さな袋)や立毛筋(毛を立てる小さな筋肉)がつながっていて、ひとまとまりのしくみとして働いています。まずは、毛穴の正体から見ていきましょう。
毛穴は、表皮が落ちこんでできた毛包という管の入口
毛穴は、毛包という管の入口です。毛孔とも呼ばれ、皮膚の表面にある、毛の生えている小さな穴を指します。
毛包は、毛根(皮膚の中にある毛の部分)を包みこむ組織です。表皮が皮膚の中へ落ちこむようにして、毛球(毛包のいちばん下のふくらみ)の底まで続く管をつくっています。管は、毛根をじかに包む内側の鞘(さや)と、外側の結合組織の鞘からできていて、そのあいだを薄い膜が仕切っています。
毛包は体じゅうにあり、頭には多く、足の裏にはまったくありません。頭の毛は約10万本あるといわれています。毛穴は、皮膚の中へ続く管の入口なのです。
毛包は、上から毛漏斗・毛隆起・毛球に分かれている
毛包は、上から順に、ろうとの形の入口、立毛筋がつながる部分、毛をつくる毛球へと分かれていて、場所ごとに役割が違います。
皮脂腺は、毛包の上のほうに開いています。
いちばん上の毛漏斗(ろうとの形をした入口の部分)は、表皮とよく似た育ち方をする細胞でできています。その少し下で外へ少し盛り上がった毛隆起には立毛筋の根もとがつながり、表皮の幹細胞(新しい細胞のもとになる細胞)もあります。いちばん下の毛球の中心には毛乳頭(毛の育ちを支える部分)があり、そのまわりを一列に囲む毛母細胞から毛がつくられます。
立毛筋は、寒さや、恐怖・驚きなどの気持ちの動きで縮み、毛を立てます。毛穴の下には、毛をつくり、皮脂を出し、毛を動かすしくみがまとめて入っているのです。
皮脂腺は毛包の上のほうに開き、細胞ごと皮脂を出す
皮脂腺は毛包の上のほうに開いていて、皮脂は毛穴を通って肌の表面に出てきます。毛穴は、毛の通り道であると同時に、皮脂の出口なのです。
皮脂腺は、手のひらと足の裏をのぞく全身の皮膚にあり、多くは毛に付属して毛包の上部に開いています。毛のない場所には、皮膚の表面にじかに開く皮脂腺もあります。皮脂腺の細胞は油をためたあとこわれ、細胞の成分と一緒に油を出します。この出し方を全分泌と呼びます。
皮脂腺が多いのは、頭や、額・眉間・小鼻・鼻のわきのみぞなどの顔のTゾーン、胸の真ん中、わきの下、へそのまわりなどです。こうした場所では、皮脂腺が1cm²あたり400〜900個と、ほかの場所より密に並んでいます。
わきの下などでは、アポクリン汗腺(わきの下などにある、濃い汗を出す汗腺)の管も毛包に開いていて、その位置は皮脂腺の出口よりさらに上です。毛穴は、毛と皮脂、場所によっては汗も通る出口です。
顔の毛穴は、大きな皮脂腺がつき、毛が細い脂腺性毛包
顔に多いのは、発達した皮脂腺がいくつもついた脂腺性毛包という毛穴です。同じ毛穴でも、場所によってつくりが違います。
脂腺性毛包は顔にもっとも密に集まっていて、次に胸や背中の真ん中にあります。管は太く短く、中の毛はとても細く短いので、毛は毛穴からほとんど外に出ません。大きく活発な皮脂腺がついているうえ、管の中で皮脂がとどまりやすいつくりです。
顔の毛穴は、細い毛と大きな皮脂腺の組み合わせでできています。
毛は、成長期・退行期・休止期をくり返して生えかわる
毛包は、毛を育てる時期、しぼむ時期、休む時期をくり返しています。これを毛周期と呼びます。
頭の毛は、この周期をくり返して生えかわります。
数年
2〜3週間
数か月
生えかわる
頭の毛では、約85%が成長期、1〜2%が退行期、約15%が休止期にあります。成長期の毛は1日に0.3〜0.5mm伸び、1日に約100本が抜けかわります。毛穴の中の毛は、周期に合わせて少しずつ入れかわっているのです。
毛穴は、皮脂・常在菌・表皮のしくみとつながっている
毛穴は、肌のほかのしくみとつながる場所です。毛穴から出る皮脂が何でできていて、どう皮脂膜になるのかは、皮脂とpHの記事で解説しています。
顔の毛穴の中には、アクネ菌の仲間や毛包虫(毛穴にすむ、ごく小さなダニ)などがすんでいます。こうした菌のことは常在菌の記事、毛隆起の幹細胞ともつながる表皮のつくりは表皮と真皮の記事で読めます。毛穴は、表皮・皮脂・菌が出会う小さな入口です。
まとめ
- 毛穴は、毛を包む毛包という管の入口で、毛と皮脂の出口をかねています
- 毛包は、上から毛漏斗・毛隆起・毛球に分かれ、毛隆起には立毛筋がつながり、表皮の幹細胞があります
- 皮脂腺は手のひらと足の裏をのぞく全身にあり、毛包の上のほうに開いて細胞ごと皮脂を出します
- 顔に多い脂腺性毛包は、管が太く短く、大きな皮脂腺に細い毛が生えたつくりです
- 頭の毛は、成長期・退行期・休止期をくり返し、1日に約100本が抜けかわります
毛穴は、毛をつくり、皮脂を届けるための大事な入口です。断面のつくりを知ると、肌の表面の小さな穴の見え方が変わってきます。
よくある質問
毛穴とは何?
毛包という管の入口です。皮膚の表面にある毛の生えている小さな穴で、毛孔とも呼ばれ、皮脂の出口もかねています。
毛包はどんなつくり?
上から、ろうとの形の毛漏斗、立毛筋がつながる毛隆起、毛をつくる毛球に分かれています。毛隆起には表皮の幹細胞があります。
皮脂腺はどこにある?
手のひらと足の裏をのぞく全身にあり、多くは毛包の上のほうに開いています。顔のTゾーンなどでは1cm²あたり400〜900個と密に並んでいます。
顔の毛穴はほかの場所と何が違う?
発達した皮脂腺がいくつもついた脂腺性毛包が多いのが特徴です。管は太く短く、中の毛はとても細く短いつくりです。
毛はどのくらいの周期で生えかわる?
頭の毛では、数年の成長期、2〜3週間の退行期、数か月の休止期をくり返します。1日に約100本が抜けかわります。