肌の基礎知識やさしい解説

皮脂腺をやさしく解説!皮脂をつくって毛穴へ送り出す腺とは?

あるコスメオタク・2026.10.22・肌の基礎知識

「皮脂腺」という言葉はよく聞くけれど、肌のどこにあって、どうやって皮脂をつくっているのか、意外と知らないと思いますよね。

結論から言うと、皮脂腺は、肌の中で毛穴につながっている、皮脂をつくる小さな腺です。手のひらと足の裏をのぞく全身にあり、顔や頭にとくに多く集まっています。細胞そのものが脂でいっぱいになってこわれることで皮脂を出し、その量には男性ホルモンが大きくかかわります。場所、しくみ、ホルモンの順に見ていきましょう。

皮脂腺は、毛穴の奥の毛包について皮脂をつくる腺

皮脂腺は、皮脂をつくって外へ出す腺で、毛穴の奥の毛包(毛を包む袋のような部分)にくっついています。脂腺とも呼ばれ、皮膚では皮脂腺と毛包が必ずセットで存在します。

皮脂腺があるのは、表皮の下の真皮の上のほうで、毛包と立毛筋(毛を立たせる小さな筋肉)のあいだです。皮脂腺は、脂をつくる細胞が集まった丸い小葉と、皮脂を運ぶ導管でできていて、導管は毛包の中につながっています。

皮脂腺は、真皮の上のほうで毛包と立毛筋のあいだにあります。

毛 毛穴 皮脂腺 立毛筋 毛包 表皮 真皮

つくられた皮脂は、毛包の中にたまるか、毛穴から肌の表面に出ていきます。皮脂腺は、毛穴という出口を毛と分け合っている腺なのです。

皮脂腺は、手のひらと足の裏以外の全身にあり、顔と頭に多い

皮脂腺は手のひらと足の裏をのぞく全身の皮膚にあり、頭や顔などでは1平方センチメートルあたり400〜900個と、ほかの場所よりずっと密に集まっています。皮脂腺がよく発達しているこうした場所は、脂漏部位と呼ばれます。

脂漏部位は、頭、額、眉間、小鼻のわき、小鼻から口もとへのびる線のあたり、あご、胸の中央、肩甲骨のあいだ、へそのまわりなどです。顔の額から鼻にかけてのいわゆるTゾーンも含まれます。腕や脚では、皮脂腺の密度はずっと低くなります。額や頬、胸の前では、思春期のあとに皮脂腺が大きくなる一方、毛は産毛のように細くなる毛包が見られます。

唇やまぶた、乳輪などには、毛包につかずに肌の表面へ直接開く独立脂腺があります。まぶたのふちにあるマイボーム腺も、この仲間です。皮脂腺の数は、体の場所によって大きく違うのです。

皮脂腺の細胞は、脂でいっぱいになると細胞ごとこわれて皮脂になる

皮脂腺では、細胞が脂をためこんで最後にはこわれ、細胞のかけらと一緒に脂が出されます。この出し方を全分泌と呼びます。細胞がつくった脂だけを外へ出すのではなく、細胞そのものが皮脂の材料になるからです。

小葉のいちばん外側には、平たい細胞が並んでいます。これが皮脂腺の細胞のもとで、分裂して生まれた細胞は、細胞の中に脂の粒をつくりながら、小葉の内側の導管の入り口のほうへ移っていきます。

細胞が脂でいっぱいになると、こわれて皮脂になります。

こわれて 皮脂になる 脂をためて 内側へ進む 外側の細胞が 分裂する

こうして出される皮脂の成分は、トリグリセリド、ワックスエステル、スクワレン、コレステロール、コレステロールエステルなどです。成分ごとの割合は皮脂膜の記事で解説しています。皮脂は、皮脂腺の細胞そのものが姿を変えたものなのです。

皮脂腺の働きをいちばん大きく左右するのは、男性ホルモン

皮脂腺の働きにいちばん大きくかかわるのは、アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンです。男性ホルモンは、皮脂腺を大きくし、細胞の分裂と皮脂づくりを増やすからです。

男性ホルモンは、女性の体にもあります。皮脂の量を調節しているのは、男性では主にテストステロン、女性では副腎(腎臓の上にある小さな臓器)でつくられる男性ホルモンです。皮脂腺の細胞は、テストステロンをジヒドロテストステロンという別の男性ホルモンに変える酵素を持っています。

女性ホルモンでは、エストロゲンは皮脂腺の働きをおさえ、プロゲステロンは高めるという見方が多くあります。甲状腺ホルモンや成長ホルモンなども、皮脂づくりにある程度かかわると考えられています。皮脂腺は、体の中のホルモンの信号を受けて働く腺なのです。

皮脂の量は、生まれたばかりのころに多く、思春期に大きく増える

皮脂の量は年齢で大きく変わり、生まれたばかりの赤ちゃんで多く、子どものころは少なく、思春期に男女とも急に増えます。皮脂腺の働きを左右するホルモンが、年齢によって変わるからです。生まれたばかりのころは、お母さんから受けついだホルモンが大切だといわれます。

皮脂の量が最も多くなるのは、女性では10〜20歳代、男性では30〜40歳代です。そのあとは少しずつ減っていきますが、男性のほうが減りにくい傾向があります。

皮脂腺は、一生のあいだ同じように働くのではなく、年齢とともに働き方が変わる腺です。

皮脂腺は、毛穴と皮脂膜につながっている

皮脂腺から出た皮脂は、毛穴を通って肌の表面に出て、汗とまざって皮脂膜になります。皮脂腺は、肌のいちばん外側の膜の材料を送り出す場所でもあるのです。

皮脂腺は毛包と出口を分け合っているので、毛穴のつくりとも深くかかわります。毛穴のしくみは毛穴の正体、皮膚全体の中での位置は皮膚の構造の記事で解説しています。

皮脂腺は、真皮の中から毛穴を通して、肌の表面に脂を届ける腺です。

まとめ

皮脂腺は、毛穴の奥で細胞ごと脂に変わりながら、肌の表面に皮脂を届けている腺です。皮脂膜や毛穴のしくみと合わせて見ると、肌の表面の脂がどこから来るのかがよくわかります。

よくある質問

皮脂腺と脂腺は同じですか?

同じものです。どちらも、皮脂をつくって毛穴などへ出す腺を指します。

皮脂腺は体のどこにありますか?

手のひらと足の裏をのぞく全身にあります。頭や顔などの脂漏部位に多く、1平方センチメートルあたり400〜900個が集まっています。

皮脂腺はどうやって皮脂を出しますか?

細胞ごとこわれて出す、全分泌という方法です。外側で生まれた細胞が脂をためながら内側へ移り、最後にこわれて中身を出します。

女性にも男性ホルモンは関係しますか?

関係します。女性では、副腎でつくられる男性ホルモンが皮脂の量の調節にかかわっています。

皮脂の量は何歳ごろに多くなりますか?

女性は10〜20歳代、男性は30〜40歳代に最も多くなります。思春期に男女とも急に増え、そのあとは少しずつ減っていきます。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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