肌の基礎知識やさしい解説

皮下組織をやさしく解説!脂肪細胞の層の厚さと役割とは?

あるコスメオタク・2026.10.22・肌の基礎知識

皮膚の下にある脂肪の層と聞くと、ただの脂肪のかたまりのように思いますよね。

結論から言うと、皮下組織は、真皮の下にある脂肪細胞の集まりの層で、体のクッション・保温・エネルギーのたくわえを受けもっています。皮膚の3つの層のうちいちばん内側にあり、真皮とは線維の束でしっかりつながっています。まずは、皮下組織が皮膚のどこにあるのかから見ていきましょう。

皮下組織は、真皮と筋肉の膜のあいだにある脂肪の層

皮下組織は、真皮と筋膜(筋肉を包む膜)のあいだにある、脂肪が中心の層です。皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織の3つの層でできていて、そのいちばん内側で、上の2つの層を下から支えているからです。

脂肪細胞の小部屋を、真皮から筋膜までのびる線維が仕切っています。

表皮 真皮 皮下組織 筋膜 筋肉 脂肪細胞 集まって小部屋に 線維の仕切り

皮下組織の大部分は脂肪細胞(中に脂肪をためこむ細胞)の集まりで、ほかに血管や神経がたくさん通っています。脂肪細胞は、まとまって脂肪小葉という小部屋をつくり、小部屋どうしは線維でできた脂肪隔壁という仕切りで分けられています。皮膚の重さは、皮下組織までふくめると体重の約16%です。

皮下組織は、脂肪の小部屋がぎっしり並んだ、皮膚のいちばん内側の層です。

脂肪細胞は、大きな脂肪のしずくで中がほぼいっぱい

皮下組織の脂肪細胞は、細胞の中のほとんどが1つの大きな脂肪のしずくで占められています。脂肪を細胞の中にためておくことが、この細胞のいちばんの仕事だからです。

しずくの中身は中性脂肪(体にたくわえられる脂肪の主な形)です。しずくが大きいため、核は細胞のはしに押しやられています。図の脂肪細胞のはしにある小さな点が、この核です。

脂肪細胞は、脂肪をためるだけでなく、つくる、出すことも行い、全身のエネルギーのやりくりの一部をになっています。脂肪細胞は、体の脂肪をしまっておく、出し入れのできる貯蔵庫です。

厚さは、体の場所によって大きくちがう

皮下脂肪というと、どこも同じくらいの厚さだと思いがちですよね。でも皮下組織の厚さは、体の場所によって大きくちがいます。おなかやおしりでは、人によって5〜10センチにもなる一方で、まぶたではとても薄いからです。

おなかやおしりの皮下脂肪は、皮膚そのものよりずっと厚くなります。

厚さ(棒の長さは厚さに比例) 表皮と真皮 1.0〜4ミリ おなかや おしりの脂肪 5〜10 センチ

皮下組織が厚いのは、頬、胸、おしり、太もも、手のひら、足の裏などです。反対に、まぶた、鼻すじ、唇では薄くなっています。年齢によっても変わり、生まれたばかりのころや思春期に発達して厚くなる傾向があります。

皮下組織は、場所によって厚さが大きく変わる層です。

役割は、クッション・保温・エネルギーのたくわえ

皮下組織の主な役割は、外からの力をやわらげるクッション、体の熱を逃がさない保温、エネルギーのたくわえの3つです。脂肪の層が外からの力や外の暑さ寒さから体を守り、ためた中性脂肪がエネルギーのもとになるからです。

エネルギーが必要になると、脂肪細胞の中の中性脂肪は、ホルモン感受性リパーゼ(中性脂肪を分ける酵素)によって脂肪酸とグリセリンに分けられます。この酵素は、カテコールアミンなどのホルモンで働きはじめます。分けられた脂肪酸は、細胞の中で燃やされてエネルギーになります。

熱をつくる脂肪もあります。生まれたばかりの赤ちゃんの背中には褐色脂肪組織があり、さかんに熱をつくって体温を保っています。皮下組織は、体を守り、温め、エネルギーをたくわえる層です。

脂肪細胞は、ホルモンを出して全身に合図を送る

脂肪細胞は、脂肪をためるだけでなく、ホルモンを出して全身に合図を送る細胞でもあります。その代表がレプチン(脂肪細胞から出て、食欲とエネルギーの使い方を調節するホルモン)です。

体の中でレプチンをいちばん多くつくっているのは脂肪細胞で、血液の中のレプチンは基本的に脂肪細胞から来ています。血液にのって全身をめぐるレプチンは、食欲の調節やエネルギーの使い方に欠かせない働きをしています。

皮下組織の脂肪細胞は、たくわえた量を全身に知らせる、合図の発信元でもあるのです。

真皮とは、線維の束でしっかりつながっている

皮下組織と真皮は、真皮からのびる線維の束で、しっかりつながっています。線維の束が皮下組織をつらぬいて、その下の筋膜や骨膜(骨を包む膜)と結びついているからです。

真皮のいちばん下の網状層は、線維がぎっしりつまった層で、そのまま皮下脂肪組織に接しています。真皮の最も深いところと筋肉の表面をつなぐこのコラーゲン線維の束の仕切りは、皮膚支帯とも呼ばれます。図で脂肪の小部屋を分けている仕切りが、この線維です。

この線維の束によって、真皮とその下の深い組織とのつながりが強くなっています。真皮の線維のくわしいしくみは真皮の記事で、3つの層の全体像は表皮と真皮の記事で解説しています。皮下組織は、真皮と一続きの線維で、皮膚を体につなぎとめている層です。

まとめ

皮下組織は、表皮や真皮の話の陰にかくれがちですが、皮膚を体につなぎとめ、守り、温める大事な層です。3つの層を上から順にたどると、皮膚が1つの器官として働いていることがよくわかります。

よくある質問

皮下組織とは何ですか?

真皮と筋膜のあいだにある、脂肪が中心の層です。皮膚の3つの層のいちばん内側にあり、脂肪細胞の集まりのほかに、血管や神経がたくさん通っています。

皮下組織と皮下脂肪は同じもの?

皮下組織の大部分が皮下脂肪です。皮下組織には、脂肪細胞の集まりのほかに、それを仕切る線維や、血管・神経もふくまれます。

皮下組織の厚さはどのくらい?

体の場所によって大きくちがいます。おなかやおしりでは人によって5〜10センチにもなり、まぶたや唇、鼻すじではとても薄くなっています。

皮下組織にはどんな役割がある?

クッション・保温・エネルギーのたくわえの3つです。脂肪細胞は中性脂肪をため、必要なときに脂肪酸とグリセリンに分けて出すほか、レプチンなどのホルモンも出しています。

真皮と皮下組織はどうつながっている?

真皮からのびる線維の束でつながっています。線維の束は皮下組織をつらぬいて筋膜や骨膜と結びつき、真皮とその下の深い組織とのつながりを強くしています。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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