この記事でわかること
- 脂漏性皮膚炎が起きるしくみ
- 皮膚科の薬と薬用シャンプーの違い
- ふだんの洗顔と保湿のしかた
小鼻のわきや眉のあたりが赤く、粉をふいたように皮がむける。皮脂が多いせいなのか、何を使えばいいのか迷いますよね。
結論から言うと、脂漏性皮膚炎は皮膚の病気なので、手当ての中心は皮膚科の塗り薬です。化粧品は、ふだんの肌を支える役です。
脂漏性皮膚炎は、肌にいる菌への反応で起きると考えられている
脂漏性皮膚炎には、だれの肌にもいるカビの仲間、マラセチアと、それに対する人の側の反応が関わると考えられています。
出やすいのは、頭皮や眉、小鼻のわき、耳のまわり、胸の中央など、皮脂の多い場所です。マラセチアは皮脂を分けて、炎症のきっかけになる物質をつくると考えられています。
同じ菌がいても、炎症が出るかどうかは人によって違います。
場所
分ける
炎症が出る
皮むけ
ただ、同じ菌がいても出る人と出ない人がいます。名前に「脂」とつきますが、皮脂の量はたいてい正常で、不潔やアレルギーが原因でもありません。皮脂の多さより、菌への反応がポイントです。
治療は皮膚科の塗り薬で、化粧品は支える役
治療は皮膚科の塗り薬で行い、薬用シャンプーや化粧品は、ふだんの肌を支える役です。区分によって、できることが違うからです。
皮膚科では、ケトコナゾールの塗り薬が出ます。原因に関わる菌に働く医薬品で、効能に脂漏性皮膚炎の名前があります。フケ用の薬用シャンプーは医薬部外品で、効能は「ふけ・かゆみを防ぐ」までです。
化粧品では、顔を1日2回洗い、無香料の保湿剤で乾燥を防ぎます。赤みと皮むけが続くときは、皮膚科で相談しましょう。
寒く乾いた冬に悪くなりやすい
季節によって赤みや皮むけが変わる気がする、と思う人もいますよね。脂漏性皮膚炎は、寒く乾いた冬に悪くなりやすい病気です。
中高年での研究では、夏に脂漏性皮膚炎がある人は冬の約6割で、男性は女性の約2倍という結果があります。冬に重くなりやすいことは、ほかの資料とも一致します。
冬に赤みや皮むけが増えたら、早めに皮膚科で相談しましょう。くわしくは脂漏性皮膚炎の記事で解説しています。
まとめ
- 脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い場所に赤みと皮むけが出る病気です
- 常在菌のマラセチアと、人の側の反応が関わると考えられています
- 治療は皮膚科の塗り薬で、薬用シャンプーは「ふけ・かゆみを防ぐ」までです
- ふだんは1日2回の洗顔と無香料の保湿で支えます
赤みと皮むけが続くときは、まず皮膚科で見てもらいましょう。
よくある質問
脂漏性皮膚炎は皮脂が多いのが原因ですか?
皮脂の量は、たいてい正常です。常在菌のマラセチアと、それに対する人の側の反応が関わると考えられています。
フケ用の薬用シャンプーで脂漏性皮膚炎はよくなりますか?
薬用シャンプーは医薬部外品で、効能は「ふけ・かゆみを防ぐ」までです。治療は皮膚科の塗り薬で行います。
脂漏性皮膚炎は冬に悪化しやすいですか?
冬に悪化しやすいことは、複数の資料で一致しています。中高年の研究では、夏にある人は冬の約6割でした。
この記事で参照した情報
- 杉田隆「皮膚マイクロバイオームとしてのマラセチア―脂漏性皮膚炎を例に―」日皮会誌131(6):1503-1509, 2021
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「脂漏性皮膚炎」(2024年9月改訂)
- ニゾラールローション2% 添付文書(2022年9月改訂 第4版)
- Sanders MGH, et al. Prevalence and determinants of seborrhoeic dermatitis in a middle-aged and elderly population: the Rotterdam Study. Br J Dermatol 2018;178(1):148-153
- American Academy of Dermatology「Seborrheic dermatitis: Causes」
- American Academy of Dermatology「Seborrheic dermatitis: Self-care」