- 成分表示の名前
- 安息香酸Na(安息香酸ナトリウム)
- 入っている理由
- 使っているうちに入った菌やカビが増えるのを抑えるため(防腐)
- 安全性のめやす
- 日本では上限があり、アメリカの専門家委員会は今の使い方なら安全と結論づけていますが、まれに塗ってすぐ赤みやかゆみが出る報告もあります
この記事でわかること
- 安息香酸Naが化粧品の中でしていること
- どんな製品に多く、成分表のどこに出るか
- 日本の上限と評価機関の安全性の結論
成分表で安息香酸Naを見つけると、防腐剤と聞いて、肌に悪くないのか心配になりますよね。
結論から言うと、安息香酸Naは、化粧品の中で菌やカビが増えるのを抑える防腐剤で、決められた量の範囲なら安全とされています。成分表では、後ろのほうに書かれていることが多いです。
安息香酸Naは、菌やカビが増えるのを抑える防腐剤
安息香酸Naの役目は、使っているうちに入った菌やカビが増えるのを抑えることです。化粧品は使うたびに指や空気にふれるので、何もしないと中身が傷みやすいからです。
安息香酸Naは、枠で囲んだ「増えるのを抑える」ところで働きます。
菌が入る
抑える
傷みにくい
安息香酸Naは、安息香酸にナトリウムがついた形の成分で、別名は安息香酸ナトリウムです。水によく溶け、化粧品用はおもに合成でつくられます。食品では、清涼飲料などの保存料としても使われています。中身を最後まで傷みにくくするための成分です。
水を含む製品に入り、成分表では後ろのほうに出る
安息香酸Naは水を含む製品に入り、成分表では後ろのほうに出てきます。菌やカビは水のある所で増えやすく、安息香酸Naは少しの量で入れられるからです。
アメリカの調査では、シャンプーなど洗い流す製品の報告が多く、塗ったままにする製品にも使われていました。国内の調査では、パラベンなどほかの防腐剤と一緒に使う例が多くみられました。成分表は多い順に書かれるので、後ろのほうにあれば少量と読んでおけば大丈夫です。読み方は成分表の記事で解説しています。
日本では上限があり、今の使い方なら安全とされる
安息香酸Naには日本で配合量の上限があり、今の使い方なら安全とされています。日本の化粧品基準では、使ってよい防腐剤のリストに載り、安息香酸塩類の合計で100gあたり1.0gまでと決められているからです。
アメリカの専門家委員会も、今の使い方と濃度なら安全と結論づけています。ただ、塗ってすぐ赤みやかゆみが出る反応がまれに報告されています。肌に合わないと感じたら使うのをやめ、皮膚科で相談しましょう。
まとめ
- 安息香酸Naは、菌やカビが増えるのを抑える防腐剤
- 日本では100gあたり1.0gまでと上限が決まっている
- アメリカの委員会は今の使い方なら安全と結論
防腐剤そのものの話は、防腐剤の記事で解説しています。
よくある質問
安息香酸Naは何のために入っていますか?
菌やカビが増えるのを抑えるためです。使っているうちに入った菌で中身が傷まないよう、防腐剤として少量入っています。
食品に入っている安息香酸ナトリウムと同じものですか?
成分としては同じものです。食品では清涼飲料などの保存料として使われますが、化粧品とは別の決まりで量が管理されています。
安息香酸Naは肌に悪いですか?
決められた量の範囲なら、安全とされています。日本では上限があり、アメリカの専門家委員会も今の使い方なら安全と結論づけています。ただ、まれに塗ってすぐ赤みやかゆみが出る反応が報告されています。
この記事で参照した情報
- 厚生労働省「化粧品基準」(平成12年厚生省告示第331号)別表第3
- 米国CIR(Cosmetic Ingredient Review)「Safety Assessment of Benzyl Alcohol, Benzoic Acid and its Salts, and Benzyl Benzoate」Int J Toxicol 2017;36(3_suppl):5S-30S
- 米国CIR「Final report on the safety assessment of Benzyl Alcohol, Benzoic Acid, and Sodium Benzoate」Int J Toxicol 2001
- WHO/IPCS 国際化学物質簡潔評価文書(CICAD)No.26「安息香酸および安息香酸ナトリウム」(国立医薬品食品衛生研究所 日本語版)
- 五十嵐良明・内野正・西村哲治「化粧品中の防腐剤の分析:サリチル酸,安息香酸ナトリウム,デヒドロ酢酸ナトリウム,ソルビン酸カリウム,フェノキシエタノール及びパラベン類」国立医薬品食品衛生研究所報告 第128号(2010)85-90
- COSMILE Europe(Cosmetics Europe)「Sodium Benzoate」