- 成分表示の名前
- ヒト脂肪由来間葉系幹細胞順化培養液など
- 入っている理由
- 肌にうるおいを与えるため(保湿)
- 安全性のめやす
- ヒト由来の原料には生物由来原料基準がかかり、ドナーの確認やウイルス試験が求められます
この記事でわかること
- ヒト幹細胞培養液に入っているもの
- ハリ・シワの話でよく出る理由
- 化粧品として言える範囲
「幹細胞コスメ」と聞くと肌が若返りそうな気もするけれど、ヒトの細胞からできたものを塗って大丈夫なのか気になりますよね。
結論から言うと、ヒト幹細胞培養液に入っているのは生きた細胞ではなく、細胞を育てたあとに残った液です。化粧品として言えるのは、うるおいを与えるといった範囲までです。
ヒト幹細胞培養液は、細胞を育てたあとに残った液
ヒト幹細胞培養液は、ヒトの幹細胞などを育てたあと、細胞を取り除いて残った液です。幹細胞は、役割がまだ決まっていない、細胞のもとになる細胞です。
化粧品に入るのは細胞ではなく、細胞を育てたあとに残った液です。
育てる
取り除く
液に残る
化粧品に
成分表では「ヒト脂肪由来間葉系幹細胞順化培養液」のような名前で書かれます。幹細胞そのものは入っていないと覚えておきましょう。
ハリ・シワの話で出るのは、名前から若返りそうに感じるから
ヒト幹細胞培養液がハリやシワの話でよく出るのは、「幹細胞」という名前から、肌が若返りそうに感じるからです。でも、「細胞を活性化」のような言い方は、化粧品では使えません。
シワで言えるのは、効能を確かめる試験をした製品の「乾燥による小ジワを目立たなくする」までです。それ以上のシワの効能は医薬部外品の有効成分に認められたもので、ヒト幹細胞培養液はその有効成分ではありません。
シワが気になるなら、医薬部外品の有効成分を目印にしましょう。
化粧品として言えるのは、角層にうるおいを与えるところまで
化粧品のヒト幹細胞培養液が働くのは肌のいちばん外側の角層までで、言えるのは「うるおいを与える」といった範囲です。乾燥は、この角層から水分が逃げて起きます。
たとえば、ヒトの脂肪由来の幹細胞を育てた液を5%入れた化粧品を塗ると、肌の水分量が増え、肌から逃げる水分が減ったという結果があります。くわしくはヒト幹細胞培養液の記事へ。
ヒト幹細胞培養液は、角層をうるおす成分のひとつとして見ておくと安心です。
まとめ
- 入っているのは生きた細胞ではなく、細胞を育てたあとの液
- 化粧品で言えるのはうるおいなどの範囲で、「細胞を活性化」は言えない
- シワの効能は医薬部外品の有効成分に認められたもので、この成分は当てはまらない
名前の響きより、何が入っていて、化粧品として何が言えるかを見て選びましょう。
よくある質問
幹細胞コスメには、幹細胞が入っていますか?
生きた細胞は入っていません。入っているのは、細胞を育てたあとの液や、そこから取り出したものです。
ヒト幹細胞培養液を塗ると、肌の細胞が若返りますか?
化粧品で「細胞を活性化」「再生」とは言えません。言えるのは、うるおいを与えるなど国が定めた効能の範囲です。
ヒトの細胞からできた原料は安全ですか?
ヒト由来の原料には、化粧品でも生物由来原料基準がかかり、ドナーの確認や採取の記録、ウイルス試験などが求められます。使って赤みやかゆみが出たら、使うのをやめましょう。
この記事で参照した情報
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年 薬食発0721第1号)
- 東京都保健医療局 健康安全部薬務課「医薬品等適正広告基準について」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「幹細胞」
- 化粧品基準(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)
- 生物由来原料基準(平成15年5月20日 厚生労働省告示第210号)
- Kim HJ, et al. A study on clinical effectiveness of cosmetics containing human stem cell conditioned media. Biomedical Dermatology 2020;4:9