この記事でわかること
- 化粧品のエクソソームにうたえることと、乾燥との関係
- エクソソームがどんなもので、原料の中身がそろわない理由
- クリニックの点滴や注入との違いと、選ぶときの注意
「エクソソーム配合」の化粧品をよく見かけるようになりましたが、肌に何をしてくれるのか、危なくないのか、気になりますよね。
結論から言うと、化粧品として期待できるのは、うるおいを与える、肌をととのえるといった保湿の範囲です。美容クリニックで語られる話とは、分けて考えると安心です。まずは、化粧品として言えることから見ていきましょう。
化粧品のエクソソームで言えるのは、うるおいと肌をととのえる範囲
化粧品のエクソソームに期待できるのは、保湿と、肌をととのえる範囲です。化粧品が言える効能は国が決めた範囲の中だけで、エクソソームが入っていても同じだからです。
たとえば、化粧品として書けるのは「皮膚にうるおいを与える」「肌を整える」「皮膚をすこやかに保つ」などです。反対に、「肌を再生する」「若返る」といった言い方は、この範囲に入っていません。
化粧品の原料としてのエクソソームは、ヒトの脂肪からとった幹細胞を育てるときに、細胞が培養液の中に出す小さな袋で、その培養液から取り出されます。
化粧品の原料のエクソソームができるまでの流れです。
育てる
袋を出す
取り出す
原料に
化粧品のエクソソームは、保湿と肌をととのえる範囲で見ておくのが基本です。
乾燥は角層の話で、化粧品が働くのも角層まで
乾燥が気になるときに、化粧品で手入れできるのは、肌のいちばん外側の角層です。乾燥は角層から水分が逃げることで起き、化粧品の働きも角層までだからです。
角層は、表面をおおう皮脂膜、細胞の中で水を抱える天然保湿因子、細胞のすき間を埋める細胞間脂質の3つでうるおいを保っています。細胞間脂質の約50%はセラミドです。このバランスが崩れると、角層の水分が逃げて、かさつきにつながります。
エクソソーム配合の化粧品に期待できるのも、この角層に「うるおいを与える」などの範囲です。乾燥が気になるときの保湿として選ぶ、と考えておきましょう。
エクソソームは、細胞が出す小さな袋
エクソソームは、体のあらゆる細胞から出されている、脂質の膜に包まれた小さな袋です。大きさは直径30〜150ナノメートルとウイルスほどの小ささで、中にはタンパク質、脂質、DNA、メッセンジャーRNA、マイクロRNAなどが入っています。
エクソソームは、細胞が出す脂質の膜に包まれた小さな袋で、中にタンパク質やRNAなどが入っています。
もともとは、細胞の中の不要なものを外に出す「ごみ処理」の役割で知られていましたが、細胞どうしが情報をやりとりする「伝達役」としても働いていることがわかってきました。
スキンケアでは、エクソソームは幹細胞を育てた液の上澄み、つまりヒト幹細胞培養液とセットで語られることが多い成分です。
クリニックの点滴や注入は、承認された医薬品による治療ではない
美容クリニックで「エクソソーム点滴」と聞くと、効きそうに感じる人も多いと思います。でも、「エクソソーム点滴」「エクソソーム注入」は、承認された医薬品による治療ではなく、自由診療です。エクソソームと称する製品に、薬機法の承認を受けた医薬品はないからです。
厚生労働省は医療機関に向けた注意喚起で、海外を含めても、有効性と安全性が示されて承認を受け、製造販売されているエクソソームの医薬品はないと伝えています。そのうえで、培養上清液やエクソソームを使う医療について、医師の責任で、特に安全性に気をつけるよう求めています。
研究が進んでいる分野であることと、治療として認められていることは、別の話です。
「エクソソーム配合」の一語では選ばない
化粧品を選ぶときは、「エクソソーム配合」という言葉だけで選ばないほうが安心です。原料の中身がそろっているとは限らないからです。
化粧品の原料には、細胞を育てるのに使った液の成分や水分なども含まれていて、エクソソームの大きさや数、濃度が決められているわけではありません。同じ「エクソソーム配合」でも、どれだけ、どんな状態で入っているかは製品ごとに違いうるので、価格や宣伝の派手さと中身が一致するとは限りません。また、化粧品なのに「肌を再生」「細胞から若返る」とうたう広告は、化粧品では使えない表現なので、いったん疑ってかかるのが安心です。
使ってみて肌の調子がいいなら、それで十分です。点滴や注入を考えるなら、リスクや根拠を医師によく確認しましょう。「塗るサーモン注射」と呼ばれたPDRNのときと同じで、美容医療で語られる効果と、化粧品としての働きは、切り離して読むのが安全です。
まとめ
- 化粧品のエクソソームに期待できるのは、うるおいを与えるなどの保湿と、肌をととのえる範囲です
- 乾燥は角層から水分が逃げることで起き、化粧品が働くのも角層までです
- エクソソームは、細胞が出す直径30〜150ナノメートルの小さな袋で、細胞どうしの情報のやりとりに関わります
- 「エクソソーム配合」でも、大きさ・数・濃度がそろっていないことがあります
- クリニックの点滴・注入は、承認された医薬品による治療ではなく、自由診療です
エクソソームは、研究としては注目されている分野です。化粧品としては保湿の範囲で、医療としては慎重に、という距離感で見ておくのがおすすめです。
よくある質問
エクソソーム化粧品には何が期待できる?
うるおいを与える、肌をととのえるといった保湿や整肌の範囲です。「肌が再生する」「若返る」は、化粧品では使えない表現です。
エクソソーム化粧品は危険?
化粧品として売られているものも、ほかの化粧品と同じく、肌に合うかどうかは人によります。赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。気をつけたいのは、化粧品なのに「若返る」などとうたう広告です。
エクソソームとは?
体の細胞が出している、脂質の膜に包まれた直径30〜150ナノメートルほどの小さな袋です。中にタンパク質や脂質などが入っていて、細胞どうしの情報のやりとりに関わっています。
「エクソソーム配合」なら中身はどれも同じ?
同じとは限りません。原料には培地の成分なども含まれ、エクソソームの大きさや数、濃度が決まっているわけではないので、「配合」の一語だけで選ばないほうが安心です。
美容クリニックのエクソソーム点滴は承認された治療?
承認された医薬品による治療ではなく、自由診療です。エクソソームと称する製品に、薬機法の承認を受けた医薬品はありません。受けるなら、リスクや根拠を医師によく確認しましょう。
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