この記事でわかること
- 「ボルフィリンは5%」という数字の出どころ
- 5%のクリームで出た結果と「最大8.4%」の読み方
- 「ボルフィリン○%」が表す量と、選ぶときの目安
ボルフィリン入りのクリームを選ぼうとすると、何%のものがいいのか迷いますよね。「5%がいちばん」「それより多く入れても変わらない」という話を見かけた人も多いと思います。
結論から言うと、5%は原料をつくる会社がすすめている配合量で、ヒトで試されたのもこの5%のクリームです。ただ、ほかの濃さと比べて選ばれた量ではないので、%が大きいほどよい、5%がいちばん、という数字として読む必要はありません。%が何を表しているかを知っておくと、数字にまどわされずに選べます。
5%は、すすめられている量で、試された量
「ボルフィリンは5%」という数字は、原料をつくる会社がすすめている配合量です。原料の技術資料に5%が推奨配合量として挙げられていて、ヒトで試されたのも5%のクリームでした。
つまり5%は、「すすめられた量」であり「試された量」です。一方で、1%や10%と並べて比べたうえで選ばれた量ではありません。だから「5%がいちばん」「5%より多くても同じ」という言い方は、5%という数字の出どころとは別の話です。
5%は試された条件の目安として受け止めておくのがちょうどいい読み方です。
5%のクリームで出た変化は、平均で小さかった
5%のクリームを塗ったときの形の変化は、平均で+2.2%と小さなものでした。数字を見るときは、平均の値と「最大」の値を分けて読むことが大切です。
棒の長さは、形の変化の平均の大きさです。
塗った側の平均は+2.2%、何も塗らなかった側も+0.9%変化していて、はっきりした差とはいえない結果でした。紹介記事などで見かける「最大8.4%」は、変化が大きかった上位4分の1の人の値で、全員の平均ではありません。8.4%を見かけたら、平均は+2.2%だったこととセットで受け止めましょう。
細胞で試した研究もあり、脂肪細胞のもとになる細胞を育てる液にボルフィリンを1%加えると、脂肪をためる量が増えたという結果があります。ただ、細胞を育てる液に加えた1%と、肌に塗るクリームに入れた5%は、同じものさしでは比べられません。
%の数字が出てきたら、平均の値と、どこで試された数字かを確かめてから読みましょう。
「ボルフィリン5%」は、油に溶かした原料全体の量
「ボルフィリン5%」は、エキスを油に溶かした原料全体を5%入れた、という意味です。エキスそのものが5%入っているわけではありません。
ボルフィリンは、ハナスゲという植物の根のエキスを、水添ポリイソブテンという油に溶かした原料の名前です。サルササポゲニンという成分を多く含む、水を含まない油のような液です。
「ボルフィリン5%」の5%は、枠で囲んだ「原料全体を入れる」段階の量です。
エキス
溶かす
5%入れる
2つの名前
日本の全成分表示では、ボルフィリンは「水添ポリイソブテン」と「ハナスゲ根エキス」に分けて書かれ、「ボルフィリン○%」とは表示されません。さらに、配合量が1%以下の成分は順不同で並べてよいので、成分表の並び順からエキスの量を読み取るのは難しいのです。
宣伝で見る%は、油もふくめた原料全体の量だと考えておきましょう。
刺激の出やすさは、濃さだけでは決まらない
濃いから刺激が強い、薄いから安心、と%だけで決めつけないことが大切です。刺激の出やすさには、濃さのほかにもいくつもの条件が関わるからです。
一般に、化粧品の成分の濃さは刺激の大きな要因の一つで、pHや塗り方でも変わります。また、原料の油の部分である水添ポリイソブテンは、アメリカの化粧品成分の安全性評価で、評価された使い方と濃さなら化粧品に使って安全と結論づけられています。
どの濃さの商品でも、赤みやかゆみが出たら使うのをやめましょう。%より、自分の肌での様子を目安にするのが安心です。
何%入れるかは、商品をつくる会社が決める
日本の化粧品では、ハナスゲ根エキスにも水添ポリイソブテンにも、配合の上限の決まりはありません。成分の配合の上限を定めた国の「化粧品基準」に、どちらの名前も出てこないためです。
上限のない成分は、会社が自分の責任で安全性を確かめたうえで配合できます。そのため、何%入れるかは商品をつくる会社ごとの判断になります。国が決めた「ちょうどいい%」があるわけではない、ということです。
もう一つ知っておきたいのは、何%入っていても、化粧品で胸が大きくなるとはいえないことです。化粧品の広告でうたえる効能は国が定めた56項目で、その中に胸や体の大きさにかかわるものは含まれていません。「高配合だからバストに効く」といった宣伝は、化粧品の効能の範囲を超えています。
%の大きさは、会社が決めた配合量として見ておきましょう。
選ぶときは、%の大きさより肌に合うかを見る
ボルフィリンの商品を選ぶときは、%の大きさより、肌に合って無理なく続けられるかを見るのがおすすめです。5%は試された条件の目安ですが、%が大きい商品ほどよく効く、という数字ではないからです。
たとえば、5%と書かれた商品と、もっと大きな%の商品で迷ったら、%で選ぶより、使い心地や肌に合うかで選んでかまいません。宣伝の%は原料全体の量で、エキスの量ではないことも思い出してください。
%の数字は目安の一つにして、胸が大きくなるといった化粧品の範囲を超える期待はしないのが安心です。
まとめ
- 5%は原料をつくる会社がすすめている配合量で、ヒトで試されたのも5%のクリームです
- 5%のクリームで出た形の変化は平均+2.2%で、「最大8.4%」は上位4分の1の人の値です
- 「ボルフィリン○%」は油に溶かした原料全体の%で、エキスそのものの量ではありません
- 刺激の出やすさは濃さだけでは決まりません。赤みやかゆみが出たら使うのをやめます
- 日本の化粧品に配合の上限の決まりはなく、何%入っていても化粧品で胸が大きくなるとはいえません
%の数字は目を引きますが、ボルフィリンの5%は「すすめられて、試された量」です。数字の大きさより、肌に合うかを大事にして選んでみてください。
よくある質問
ボルフィリンは5%がいちばんいいのですか?
いちばんよい濃さという意味の数字ではありません。5%は原料をつくる会社がすすめている配合量で、ヒトで試されたのも5%のクリームです。ほかの濃さと比べて選ばれた量ではありません。
ボルフィリンは%が大きいほどよいのですか?
%が大きいほどよく効く、という数字ではありません。試された条件の目安は5%で、選ぶときは肌に合って無理なく続けられるかを優先するのがおすすめです。
ボルフィリンの「最大8.4%」とはどういう数字ですか?
5%のクリームで変化が大きかった上位4分の1の人の値で、全員の平均ではありません。平均の変化は+2.2%で、何も塗らなかった側の+0.9%と比べて、はっきりした差とはいえない結果でした。
「ボルフィリン5%」はエキスが5%入っているということですか?
違います。ボルフィリンは植物のエキスを油に溶かした原料で、5%は原料全体の量です。エキスそのものの量は、この%からはわかりません。
ボルフィリン配合の化粧品で胸は大きくなりますか?
化粧品で胸が大きくなるとはいえません。化粧品でうたえる効能56項目に、胸や体の大きさにかかわるものは含まれていません。
この記事で参照した情報
- Sederma「VOLUFILINE™」技術資料(2006年)
- Cosmetics & Toiletries「Sederma Introduces Bust-enhancing Ingredient」(2008年10月31日)
- Croda Beauty「ボルフィリン(Volufiline™)」製品ページ(日本語)
- Croda「Croda unlocks new growth through the reinvention of heritage beauty active Volufiline™」(2026年8月7日)
- Cosmetic Ingredient Review「Final Report on the Safety Assessment of Polyisobutene and Hydrogenated Polyisobutene as Used in Cosmetics」Int J Toxicol 2008;27(Suppl 4)
- 厚生省「化粧品基準」(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)
- 厚生省医薬安全局長通知「化粧品規制緩和に係る薬事法施行規則の一部改正等について」(平成12年9月29日 医薬発第990号)
- 厚生労働省医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
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