成分辞典やさしい解説

アルブチンとハイドロキノンの違いをやさしく解説!ハイドロキノン誘導体とは?

あるコスメオタク・2026.10.18・更新 2026.10.21・成分解説

アルブチンは「ハイドロキノン誘導体」と聞くと、ハイドロキノンの弱い版なのか、塗ると同じことになるのか、気になりますよね。

結論から言うと、2つの違いは、ハイドロキノンにブドウ糖がついているかどうかと、国の区分です。アルブチンはハイドロキノンにブドウ糖がくっついた形で、日本では医薬部外品の有効成分として認められてきました。ハイドロキノンは化粧品に入れられる成分ですが、医薬部外品の有効成分ではありません。まずは区分の違いから見てみましょう。

形は近くても、日本での区分が違います。

アルブチン

医薬部外品の有効成分

ハイドロキノン

化粧品に入る成分

形は親子のように近くても、扱いは別の成分です。ここから、形、区分、働き方、注意点の順に見ていきます。

アルブチンは、ハイドロキノンにブドウ糖がついた形

アルブチンは、ハイドロキノンの片側にブドウ糖が1つくっついた形をしています。だから「ハイドロキノン誘導体」と呼ばれます。

ハイドロキノンは、六角形の環の両側に水酸基がひとつずつついた、小さな分子です。アルブチンは、その片側にブドウ糖がついています。糖がくっついた形の成分は配糖体と呼ばれ、植物の葉に含まれる天然のアルブチンもこの形です。

アルブチンは、ハイドロキノンにブドウ糖がついた形です。

ハイドロキノン 水酸基 水酸基 アルブチン 水酸基 ブドウ糖 外れるとハイドロキノンが出てくる

ヨーロッパで化粧品の安全性を評価する委員会の意見書も、アルブチンをハイドロキノンの誘導体とし、α-アルブチンはハイドロキノンに酵素でブドウ糖をつないでつくるとしています。総説でも、アルブチンはハイドロキノンの代わりになる成分として研究されてきたとされています。植物での由来や日本薬局方での扱いは、アルブチンの記事にまとめています。

形が似ていることは、ブドウ糖が外れればハイドロキノンが出てくるということでもあります。この点は、あとの章でくわしく見ます。

アルブチンは医薬部外品の有効成分、ハイドロキノンは化粧品の成分

日本では、アルブチンは医薬部外品の有効成分、ハイドロキノンは化粧品に入る成分です。しみ・そばかすを防ぐ効能をうたえる範囲が、この区分で決まるからです。

日本の薬用化粧品、つまり医薬部外品の効能の範囲では、化粧水やクリームで「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。」が認められ、注として、作用機序によっては「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」も認められると決められています。アルブチンは、医薬部外品の有効成分として「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」効能が承認されてきた成分です。有効成分の欄に「アルブチン」とあるのは、β体のほうです。

ハイドロキノンは、化粧品基準の配合禁止の表にも配合制限の表にも名前がなく、配合してよい濃度の上限を決めた公的な決まりはありません。禁止の表にあるのは、名前の似た別の成分のハイドロキノンモノベンジルエーテルです。ハイドロキノン入りの化粧品で言えるのは、化粧品の効能の範囲の「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。」までです。

上限の決まりがないことは、国が効き目や安全を保証したという意味ではありません。どの表にも名前のない成分は、製造販売業者が自らの責任で安全性を確かめて配合を判断するしくみで、このあたりの経緯は国ごとの扱いの記事で詳しく見ています。ヨーロッパは逆で、ハイドロキノンは化粧品に使ってはいけない成分の表に載っていて、アルブチンは濃度の上限つきで使えます。

製品を見るときは、医薬部外品の有効成分か、化粧品の成分かを最初に確かめましょう。

どちらもメラニンができるところに働き、ハイドロキノンは細胞にも働く

2つとも、メラニンをつくる酵素に働きますが、ハイドロキノンはそれに加えて、色素をつくる細胞そのものにも働きます。この違いが、強さと刺激の差につながります。

しみは、紫外線を浴びると肌の色素をつくる細胞でメラニンが作られ、それがまわりの細胞に渡されてたまることでできます。メラニンを作るときに働くのが、チロシナーゼという酵素です。

2つとも、枠の「メラニンができる」ところで、メラニンをつくる酵素に働きます。

紫外線を
浴びる
メラニンが
できる
まわりの
細胞に渡る
たまって
しみになる

アルブチンは、この酵素の鍵穴を、材料と取り合うようにして働く成分です。人の色素をつくる細胞では、酵素の働きを抑え、酵素をつくる量そのものは変えなかったという結果があります。ヨーロッパの意見書も、α体は人の酵素を取り合いの形でじゃまする成分としています。

ハイドロキノンも同じ酵素を抑えますが、それだけではありません。総説では、ハイドロキノンは酵素の働きを抑えるうえに、色素をためる小さな袋をこわし、色素をつくる細胞の膜を変えて細胞を傷つけることがあり、これが効き目と刺激の両方のもとになっているとされています。細胞で比べると、酵素の働きを半分にするのに、ハイドロキノンはアルブチンの100分の1の濃さで足りたという結果もあります。

アルブチンは酵素の段階、ハイドロキノンは酵素と細胞の両方に働く。だからハイドロキノンは強いぶん、刺激にも気をつける成分です。

アルブチンは、肌の上でごくわずかにハイドロキノンに変わる

アルブチンを塗ると、ハイドロキノンを塗るのと同じことになるのでは、と思いますよね。でも、ヨーロッパの意見書では、アルブチンが肌の上でハイドロキノンに変わるのは、ごくわずかとされています。

α体は皮膚の常在菌や酵素がいると安定ではないとされ、ハイドロキノンに分解された割合は平均0.073%ほどでした。β体では、塗ったあとの皮膚の中で、アルブチンとハイドロキノンのうち平均4.6%、最大で11.77%がハイドロキノンとして見つかっています。

製品の中でも変化は起こります。温度が高く、時間がたつほどハイドロキノンができやすく、β体は酸性が強いとハイドロキノンが急に増えるとされています。そのうえで意見書は、顔用クリームでα体2%、β体7%などの上限までなら安全としつつ、製品の中のハイドロキノンはできるだけ少なくするべきだとしています。上限の数字や規則の改正は、先に紹介したアルブチンの記事にまとめています。

つまり、「ハイドロキノンを塗るのと同じ」ではなく、「ごくわずかに変わる」というのが今の評価です。アルブチンの製品は、高温を避けて保管し、早めに使い切りましょう。

ハイドロキノンは、塗る場所と期間に気をつける

ハイドロキノンを使うときは、塗るのはシミのある場所だけにして、長く使い続けないようにしましょう。刺激やかぶれのほか、まれに色が抜けたり、青黒く変わったりすることがあるからです。

総説では、急に起こる副作用で最も多いのは刺激性またはアレルギー性のかぶれとされています。さらに、まれに塗ったところから離れた場所の色が抜けることがあり、その場合はすぐに使うのをやめるよう求められています。気になるところ以外に塗ると色が薄くなることがあるので、塗るのはシミのある場所だけにとどめるのが基本です。

肌が灰色がかった青に変わる外因性組織褐変症は、高い濃度や1年を超える使用と関係するとされています。ヨーロッパの意見書も、2%以上のハイドロキノンを長く塗ることは悪い影響と結びつけられてきたとしています。症状の見え方や日焼け止めとの使い方は、ハイドロキノンの記事で詳しく解説しています。

ハイドロキノン入りの化粧品の使い方です。

シミの場所
だけに塗る
日焼け止め
とセット
色抜けで
やめる
皮膚科に
相談する

アルブチンでのかぶれはまれですが、報告はあります。白斑の問題が起きたロドデノールは、アルブチンともハイドロキノンとも別の成分です。それでも厚生労働省は2014年に、化粧品全般の使用上の注意として、白斑などの「色抜け」や「黒ずみ」を使うのをやめる症状に加えるよう求めました。

どちらの成分でも、赤み、かゆみ、色抜け、黒ずみに気づいたら使うのをやめ、皮膚科に相談しましょう。

しみを防ぐ効能で選ぶなら、医薬部外品の有効成分の欄を見る

しみを防ぐ効能を国が認めた製品を選びたいなら、「薬用」や「医薬部外品」の表示がある製品の有効成分の欄を見ます。効能がうたえるかどうかは、成分名ではなく区分で決まるからです。

有効成分の欄に「アルブチン」とあれば、メラニンの生成を抑えてしみ・そばかすを防ぐ効能の製品です。全成分の欄にα-アルブチンやハイドロキノンがあるだけなら、化粧品としての効能の範囲の製品です。

ハイドロキノン入りの化粧品は、濃度の上限が決まっていないぶん、製品ごとの濃さや使い方の説明をよく読むことが大切です。刺激が出やすい人や、広い範囲に毎日塗りたい人は、まず働きが酵素の段階にとどまるとされるアルブチンから試すのもひとつの考え方です。どちらも、使う間は日焼け止めとセットにします。

濃いシミや、両頬に広がるシミは、化粧品を重ねるより皮膚科で種類を見てもらうのが近道です。肝斑では、皮膚科でハイドロキノンを塗る治療が検討されることがありますが、これは化粧品とは別の、医師のもとで行う治療の話です。

迷ったら、まず区分を見て、目的と肌の様子に合わせて選ぶのが基本です。

まとめ

アルブチンとハイドロキノンは、親子のように形が近くても、区分も強さも注意点も違う成分です。まずは手元の製品が医薬部外品か化粧品かを見て、目的と肌の様子に合わせて選んでみてください。

よくある質問

アルブチンとハイドロキノンの違いは?

ブドウ糖がついているかどうかと、区分が違います。アルブチンはハイドロキノンにブドウ糖がついた形で、日本では「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」効能の医薬部外品の有効成分になります。ハイドロキノンは化粧品に入る成分で、医薬部外品の有効成分ではありません。

アルブチンはハイドロキノン誘導体ですか?

はい、ハイドロキノンをもとにした誘導体です。ヨーロッパの意見書も、アルブチンをハイドロキノンにブドウ糖がついた誘導体として扱っています。ブドウ糖が外れると、ハイドロキノンが出てきます。

アルブチンとハイドロキノンはどっちが強い?

細胞で比べるとハイドロキノンが強く、酵素の働きを半分にするのに、ハイドロキノンはアルブチンの100分の1の濃さで足りたという結果があります。ハイドロキノンは酵素だけでなく色素の細胞にも働くので、刺激やかぶれにも注意がいる成分です。

アルブチンを塗るとハイドロキノンを塗るのと同じ?

同じではありません。ヨーロッパの意見書では、肌の上でハイドロキノンに変わるのはごくわずかで、α体は平均0.073%ほどでした。それでも、製品の中のハイドロキノンはできるだけ少なくするよう求められています。

ハイドロキノン入り化粧品に濃度の決まりはある?

日本では、配合上限の公的な決まりはありません。化粧品基準の配合禁止と配合制限のどちらの表にも名前がないためです。ヨーロッパでは、化粧品への配合が禁止されています。

あるコスメオタクの写真

この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

ひとことメモ:仕上がりや使用感には個人差があります。記載内容はブランドが公表している情報、および実際に使用した際の内容に基づくものです。

自分の肌タイプに合う成分は?7つの質問で、肌の傾向と合う成分・製品の解説がわかります1分チェック → ← トップページに戻る