この記事でわかること
- クレイパックが皮脂や汚れを取るしくみと、言える効果の範囲
- カオリンとベントナイトの違い
- 使い方・頻度と、粉の扱い方
毛穴の汚れが取れる、皮脂がおさえられると聞くクレイパック。実際にどこまで効果があって、どのくらいの頻度で使えばいいのか、気になりますよね。
結論から言うと、クレイパックは粘土の粉で皮脂や汚れを吸いつけて洗い流すパックで、言えるのは肌を清潔にして、その場でさらっとさせるところまでです。落とした直後は皮脂が減っても、時間がたつと戻ります。
クレイパックは、粘土で皮脂や汚れを吸いつけて洗い流すパック
クレイパックは、カオリンやベントナイトなどの粘土を主な成分にした、塗ってから洗い流すタイプのパックです。皮脂は毛穴から出てきて、毛穴の出口や肌の表面にたまり、べたつきやてかりのもとになります。粘土には、この皮脂や汚れを吸いつける吸着の性質があります。
クレイが吸いつけた皮脂や汚れは、パックと一緒に洗い流されます。
クレイをのせると
洗い流すと
- クレイ(粘土)
- 皮脂
- 汚れ
日本化粧品技術者会の用語集でも、粘土の吸着作用を利用して、肌に負担をかけずに汚れや毛穴にたまった脂を取り除くパックとされています。クレイは粘土のことで、岩石が風化してできた、層のように重なった構造をもつケイ酸塩の鉱物の仲間を指します。泥パックやマッドパックと呼ばれるものも同じ仲間です。
パックの種類の中では、はがすタイプやシートのマスクとは別の、洗い流すタイプにあたり、すでに練ってあるクリーム状のものと、粉を水で練って使うものがあります。クレイパックは、たまった皮脂を吸いつけて落とすパックと覚えておくとわかりやすいです。
カオリンは油や水を吸う白い粘土、ベントナイトは水で膨らむ粘土
クレイパックによく使われるカオリンは油や水を吸う白い粘土、ベントナイトは水を吸って膨らむ粘土です。どちらも粘土の鉱物ですが、主な成分と水との関わり方が違います。
どちらも板が重なった形の粘土で、水や油との関わり方が違います。
カオリン
白い粘土。油や水を吸う
ベントナイト
水を吸って膨らむ粘土
- 皮脂
- 水
カオリンは、天然に産する含水ケイ酸アルミニウムの粘土鉱物で、白から白に近い色の、砕けやすい塊や粉です。主にケイ素とアルミニウムの酸化物と水からできていて、肌につきやすく、油や水を吸う性質があります。化粧品では、皮脂や水を吸う成分、かさを増やす成分、白く不透明にする成分などとして使われ、パックのほかパウダーなどの粉ものにも入ります。
ベントナイトは、コロイド性の含水ケイ酸アルミニウムの粘土鉱物です。主な成分はモンモリロナイトで、水には溶けませんが、水を吸って膨らむ性質があります。モンモリロナイトはアルミニウムとマグネシウムを含む粘土で、ベントナイトなどとともにスメクタイトという粘土の仲間に入ります。化粧品では、吸う働きのほか、とろみをつけたり、乳化を安定させたりする目的でも使われます。
赤や緑、黒など色のついたクレイもありますが、色の違いは鉄などの含み方の違いによるもので、成分名ではどれもカオリンにあたる例もあります。ガスールは粘土の呼び名として知られますが、成分表示の名前ではないので、成分表では別の名前で書かれます。
言えるのは、皮脂や汚れを取り除いて肌を清潔にするところまで
クレイパックで言えるのは、皮脂や汚れを吸着して取り除き、肌を清潔にするところまでです。化粧品が表示や広告で言ってよい効能は、56項目の範囲と決まっているからです。
クレイパックにあてはまりやすいのは「(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。」で、ほかに「肌を整える。」「肌のキメを整える。」などがあります。56項目には「毛穴」という言葉は入っていないので、毛穴が小さくなる、皮脂が出にくい肌になる、といった変化はクレイパックの効果としては言えません。体の中の毒を出すといった話も、肌に塗る化粧品の効果ではありません。
毛穴の黒ずみの正体や、化粧品で書ける毛穴の表現の線引きは、毛穴の悩みの記事にまとめています。クレイパックは、汚れを落として肌を清潔にするものとして選びましょう。
皮脂は落とした直後に減っても、2時間後には戻る
クレイパックで皮脂が減るのは、落とした直後のことです。粘土が吸いつけるのは、そのとき肌の表面にある皮脂で、皮脂はそのあとも毛穴から出てくるからです。
皮脂は毛穴から出つづけるので、2時間後にはもとより多い量に戻ったという結果があります。
落とした直後
2時間後
- 皮脂
この結果では、肌のハリや弾力も変わりませんでした。カオリンとベントナイトの入ったクレイマスクを続けて使っても、毛穴の面積は変わらなかったという結果もあります。クレイパックは、皮脂を吸ってその場でさらっとさせるものと考えておくのが実際に近いでしょう。
使い方と頻度は製品の表示に従い、乾かしすぎない
何分おくか、週に何回使うかは製品ごとに表示が違うので、まずはその製品の表示に従いましょう。製品によって粘土の量やほかの成分が違い、合う使い方も変わるからです。日本化粧品技術者会の用語集でも、クレイパックは使い方の手間などから、毎日のスキンケアで毎回使う人は少ないとされています。
置く時間や回数は、製品ごとの表示に従います。
乾いたパックを強くこすって落とすと肌への負担になりやすく、粉も舞いやすくなります。傷や湿疹のある部分には使わず、赤みやかゆみ、ひりつきなど肌に合わないと感じたら使うのをやめ、皮膚科に相談しましょう。
肌に塗る使い方は安全、粉は吸い込まないように扱う
クレイパックは、肌に塗る今の使い方なら安全と考えられています。気をつけたいのは、粉を吸い込むことです。粘土の粉は、吸い込んだときに害があることがわかっているからです。
米国の化粧品成分の専門家パネルは、カオリンやベントナイト、モンモリロナイトなどの粘土の成分を、今の使い方で化粧品に使うのは安全と結論しています。いっぽうで、粘土の粉を吸い込んだときの害は動物で示されていて、採掘や加工の職場で働く人ではじん肺などが報告されています。原料によっては不純物として結晶質のシリカである石英が混ざることもあります。粉を水で練るタイプは、袋や容器から出すときに粉を舞い上げないように扱いましょう。粉ものの吸い込みの考え方は、タルクの記事でも紹介しています。
食べたり飲んだりする話は、肌に塗る化粧品とは別です。米国食品医薬品局は、水に混ぜて飲んだり肌に塗ったりできるとして売られていたベントナイトの粉から高い濃度の鉛が見つかったとして、買わない・使わないよう呼びかけたことがあります。同局は、加工していないタルクやクレイなどの鉱物の原料は鉛を含みやすいとして、唇の製品や肌に塗る化粧品に不純物として含まれる鉛を10ppm以下にするよう推奨しています。化粧品のクレイパックは、粉を舞い上げず、表示どおりに使うことが大切です。
まとめ
- クレイパックは、カオリンやベントナイトなどの粘土で皮脂や汚れを吸着し、洗い流すタイプのパックです
- カオリンは油や水を吸う白い粘土、ベントナイトはモンモリロナイトが主成分で水を吸って膨らむ粘土です
- 化粧品として言えるのは、汚れを落として皮膚を清浄にするところまでで、毛穴が小さくなるとは言えません
- 落とした直後は皮脂が減りますが、2時間後にはもとより多く戻ったという結果があります
- 使い方や頻度は製品の表示に従い、乾かしすぎず、粉は舞い上げないようにしましょう
クレイパックは、皮脂や汚れをその場で取り除き、肌をさらっとさせたいときのアイテムです。毛穴や皮脂の悩みを根本から変えるものではないと知ったうえで、製品の表示どおりに上手に取り入れてみてください。
よくある質問
クレイパックの効果は?
皮脂や汚れを吸着して取り除き、肌を清潔にすることです。化粧品として言えるのは「(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。」などの範囲までです。落とした直後は肌の表面の皮脂が減りますが、2時間後にはもとより多く戻ったという結果があり、その場でさらっとさせるものと考えるのが実際に近いです。
クレイパックの使い方と頻度は?
置く時間や回数は、製品の表示に従うのが基本です。表示の時間より長くおいて乾かしすぎず、水やぬるま湯でふやかしてから洗い流しましょう。肌に合わないと感じたら使うのをやめ、皮膚科に相談しましょう。
カオリンとはどんな成分ですか?
天然に産する含水ケイ酸アルミニウムの粘土鉱物です。白から白に近い色の砕けやすい粉で、肌につきやすく、油や水を吸う性質があります。化粧品では、クレイパックのほか、パウダーなどに皮脂や水を吸う成分、かさを増やす成分として使われます。
クレイパックで毛穴は小さくなりますか?
毛穴が小さくなるとは言えません。化粧品の効能の範囲に「毛穴」という言葉はなく、言えるのは毛穴の汚れや皮脂を吸着して取り除くところまでです。続けて使っても、毛穴の面積は変わらなかったという結果があります。
クレイの粉を吸い込んだり飲んだりしても大丈夫?
塗る使い方とは分けて考え、粉は吸い込まないように扱いましょう。粘土の粉を吸い込むと害があることが動物で示されています。また米国食品医薬品局は、飲めるとして売られたベントナイトの粉から鉛が見つかったとして、使わないよう呼びかけたことがあります。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「カオリン」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「ベントナイト」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「パック」
- 厚生労働省医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)
- 化粧品公正取引協議会「化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則 別表1【種類別名称】」
- Elmore AR; Cosmetic Ingredient Review Expert Panel. Final report on the safety assessment of aluminum silicate, calcium silicate, magnesium aluminum silicate, magnesium silicate, magnesium trisilicate, sodium magnesium silicate, zirconium silicate, attapulgite, bentonite, Fuller's earth, hectorite, kaolin, lithium magnesium silicate, lithium magnesium sodium silicate, montmorillonite, pyrophyllite, and zeolite. Int J Toxicol 2003;22 Suppl 1:37-102
- Amended Safety Assessment of Naturally-Sourced Clays as Used in Cosmetics. Int J Toxicol 2026;45(3_suppl)(2026年6月18日オンライン公開)
- Sarruf FD, et al. Clay-Based Cosmetic Formulations: Mineralogical Properties and Short-Term Effects on Sebum Regulation and Skin Biomechanics. Cosmetics 2025;12(5):219
- Zhang X, et al. Skin Research and Technology 2023;29(11):e13513(カオリン・ベントナイト配合クレイマスクの4週間の試験)
- U.S. FDA「FDA Warns Consumers Not to Use "Best Bentonite Clay"」(2016年3月23日)
- U.S. FDA「Lead in Cosmetics」
- U.S. FDA「Supporting Document for Recommended Maximum Lead Level in Cosmetic Lip Products and Externally Applied Cosmetics」