成分辞典やさしい解説

ジメチコンをやさしく解説!毛穴に詰まる噂と髪への働きとは?

あるコスメオタク・2026.10.01・更新 2026.10.21・成分解説

シャンプーやクリームの成分表でよく見かける「ジメチコン」。毛穴に詰まるとか、髪によくないとか聞くと、避けたほうがいいのか迷いますよね。

結論から言うと、ジメチコンは肌や髪の表面に薄く広がって、すべりをよくする油で、避ける必要のある成分ではありません。毛穴の詰まりを調べた試験でも詰まりは見られず、刺激も少ない成分です。まずは、肌の上で何をしているのかから見ていきましょう。

ジメチコンは、肌や髪の表面に薄く広がって、すべりをよくする油

ジメチコンは、肌の表面に薄い膜をつくって水をはじき、すべりをよくする油です。においのほとんどない無色透明の油で、水をはじく力にすぐれています。

肌のいちばん外側の角層は、乾いた空気や、こすれなどの刺激を毎日受けています。ジメチコンは角層の表面に薄く広がって膜をつくり、肌を保護して、なめらかにします。

ジメチコンは角層の表面に薄く広がり、水をはじいてすべりをよくします。

塗る前 表面がこすれやすい 塗ったあと 薄い膜で、すべりがよい ジメチコンの膜 角層 表皮 真皮

水や汗で化粧がくずれるのを防ぎ、油分のべたつきを抑えて軽い使い心地にし、ほかの成分が肌に広がるのも助けます。日焼け止めを水に強くするのにも、こうしたシリコーン油が使われます。化粧品として言えるのは、「皮膚を保護する」「肌を滑らかにする」などの範囲です。

髪では、ぬれているときから乾いたあとまで指通りをなめらかにし、髪どうしのこすれから髪を守ります。ヘアケアでいちばん広く使われているシリコーンがジメチコンで、化粧品として言えるのは「クシどおりをよくする」などの範囲です。

いっぽうで、水分の蒸発を防ぐ力は、同じ油でもワセリンよりずっと弱いことが知られています。ジメチコンは、うるおいを閉じ込める油というより、表面を守って、すべりをよくする油です。

同じ「ジメチコン」でも、さらっとしたものから粘るものまである

成分表示の「ジメチコン」だけでは、さらっとした油なのか、粘りの強い油なのかはわかりません。同じ名前で、鎖の長さの違う原料がそろっているからです。

ジメチコンは、ケイ素と酸素が鎖のようにつながり、まわりをメチル基という小さな部品がおおった、シリコーンのいちばん基本の形です。

ジメチコンは、ケイ素と酸素がつながった鎖を、メチル基という小さな部品がおおった形をしています。

メチル基 ケイ素 酸素 鎖が長いほど、粘りが強くなる

鎖が長いほど粘りが強くなり、粘度の値が1.5の揮発するさらっとしたものから、350の中くらいのもの、10万の粘りの強いもの、さらに100万のものまで、どれも「ジメチコン」と表示されます。使い心地は、どの粘度のものをどれだけ入れたかで決まります。

名前の似た成分は、鎖の端や枝、形で見分けます。ジメチコノールは鎖の両端が水酸基になったもの、アモジメチコンはアミノ基を持たせて髪にくっつきやすくしたもの、ジメチコンクロスポリマーは鎖どうしを橋でつないだゴムのようなものです。名前に「シクロ」が付くシクロペンタシロキサンなどは、鎖ではなく輪の形をした、揮発するシリコーンです。

名前に「ジメチコン」か「シロキサン」が入っていれば、シリコーンの仲間と考えて大丈夫です。

「毛穴に詰まる」「肌が呼吸できない」は、試験の結果と合わない

シリコーンは毛穴に詰まる、と聞くと心配になりますよね。でも、ジメチコンが毛穴に詰まりやすい油だという結果は出ていません。

毛穴の詰まりを調べる試験では、ジメチコンは、詰まりのスコアも刺激のスコアも、いちばん低い0でした。頭皮でも、シリコーン入りのシャンプーとコンディショナーを使い続けた地肌の毛穴に、シリコーンが詰まる兆しは見られませんでした。シリコーンは髪の表面には広がりやすい一方、頭皮の皮脂とはなじみにくく、髪に残った分も次のシャンプーで洗い流されます。

「肌が呼吸できなくなる」という話も、ジメチコンの性質と合いません。ジメチコンは皮膚のバリアを通り抜けにくく、水分の蒸発を防ぐ力もワセリンよりずっと弱い油で、肌をすき間なく密閉する油ではありません。

ノンシリコンのほうが髪によい、とも言えません。傷んだ髪はシリコーン入りのほうがすすぎまで滑らかに洗え、あまり傷んでいない髪では乾いたあとにべたつきを感じることもあります。違いは安全性ではなく、仕上がりの好みです。

安全性は、刺激が出ないように処方すれば安全という評価

アメリカの化粧品成分の専門家委員会は、ジメチコンを、刺激が出ないように処方すれば今の使い方と濃度で安全と結論しています。人の肌での試験で、アレルギーの反応が見られなかったからです。

ジメチコンの原液をくり返し肌に貼る試験でも、5%の濃度の試験でも、アレルギーの反応である感作は起きていません。日本の化粧品基準にも、ジメチコンの配合を禁止したり制限したりする決まりはありません。

ヨーロッパで化粧品への配合が制限されているのは、D4、D5、D6と呼ばれる輪の形のシリコーンで、環境の中で分解されにくく、生き物にたまりやすいことが理由です。鎖の形のジメチコンは、この制限の対象ではありません。

環境の面では、ジメチコンは水に溶けず、自然の中で分解しにくい成分です。土の中の粘土や太陽の光で分解が進み、最後はシリカと水と二酸化炭素になるとされています。ヨーロッパのマイクロプラスチックの規則も、対象は5mm以下の固体のポリマーなので、液状のジメチコンは対象外です。

ジメチコンは、薬の有効成分としても使われている

ジメチコンは化粧品だけの成分ではなく、医薬品の有効成分でもあります。飲み薬にも塗り薬にも使われています。

日本では、胃腸にたまったガスによるおなかの症状の飲み薬に使われています。小さなガスの泡の表面張力を下げて泡をつぶし、ひとつの気体にまとめる消泡剤としての働きです。アメリカでは、荒れた肌を一時的に保護する市販薬の有効成分として、1〜30%のジメチコンが認められています。海外では、虫の体をおおって動けなくする働きを使った、アタマジラミ対策の薬にもなっています。

どれも医薬品の話で、化粧品のジメチコンに同じ効き目をうたえるわけではありません。

まとめ

ジメチコンは、避けるべき成分というより、仕上がりを整えるための油です。さらっとしたものが好きか、しっとりしたものが好きかで選んでみてください。

よくある質問

ジメチコンは毛穴に詰まりますか?

毛穴の詰まりを調べた試験では、詰まりのスコアも刺激のスコアも0でした。頭皮でも、シリコーン入りのシャンプーとコンディショナーを使い続けた地肌の毛穴に、詰まる兆しは見られませんでした。

ジメチコンは髪に何をしていますか?

ぬれているときから乾いたあとまで指通りをなめらかにし、髪どうしのこすれから髪を守ります。化粧品として言えるのは「クシどおりをよくする」などの範囲です。

同じ「ジメチコン」でも種類がありますか?

あります。粘度の値が1.5の揮発するさらっとしたものから100万の粘りの強いものまで、同じ表示名です。成分表示だけでは、どの粘度のものかはわかりません。

ジメチコンは安全ですか?

アメリカの専門家委員会は、刺激が出ないように処方すれば化粧品に使って安全と結論しています。肌に貼る試験で感作はなく、日本の化粧品基準にも配合の制限はありません。

ジメチコンを塗ると肌が呼吸できなくなりますか?

ジメチコンは皮膚のバリアを通り抜けにくく、水分の蒸発を防ぐ力もワセリンよりずっと弱い油です。肌をすき間なく密閉する油ではありません。

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この記事を書いた人:あるコスメオタク日本化粧品検定1級

中央大学大学院に通う大学院生。韓国コスメが好きすぎて、気になったアイテムは自腹で試して回っている一消費者です。スキンケアと、成分・制度の背景を調べるのが好きです。公的資料やメーカーの公式情報にあたって、「化粧品にできること・できないこと」を分けて書くことを心がけています。(運営方針)

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