この記事でわかること
- パフの洗い方と乾かし方
- ブラシの毛の種類と選び方
- 道具が汚れる道すじと、ビューラーの注意
メイクのブラシやパフは、どのくらいの汚れで洗えばいいのか、どの毛を選べばいいのか迷いますよね。
結論から言うと、パフは泡に色が出なくなるまで洗って陰干しし、ブラシの毛は使い道に合わせて選べば大丈夫です。道具は化粧品そのものではないので、化粧品の決まりにはほとんど出てきません。だからこそ、清潔に使うことを自分で意識するのが大切です。
パフは、泡に色が出なくなるまで洗って陰干しする
パフは、泡に色が出なくなるまでやさしくもみ洗いして、形を整えて陰干しします。同じパフを使い続けると、表面にパウダーや皮脂がついて、パウダーの取れや肌へのつきが悪くなるからです。
汚れたパフでは雑菌が増えて、直接触れる肌に悪い影響を与えることもあります。洗うときは専用の洗浄剤か石けんなどを使い、泡に色がつかなくなるまでていねいに洗ったら、よくすすぎます。
パフは、泡に色が出なくなるまで洗ってから陰干しします。
もみ洗い
出なくなる
すすぐ
陰干し
洗う回数に決まりはなく、「定期的に」とされています。回数より、泡に色が出なくなるまでという状態をめやすにしましょう。
汚れた手や道具は、化粧品に雑菌が入る入り口になる
化粧品に雑菌が入る入り口は、手や指と、空気中から落ちてくるものの2つです。使っている間に中身に入りこむ汚れは、二次汚染と呼ばれます。
クリームなら、ふつうは中身を直接指で取るので、指についている微生物が中に入ります。スポンジやチップ、ブラシも同じで、汚れた道具が化粧品に触れると、汚れや雑菌が中に入りこんで、品質が落ちたり肌トラブルのもとになったりします。
手と道具を清潔にすると、枠で囲んだ入り口をふさげます。
が汚れる
触れる
入りこむ
のもとに
キャップを開けたままにしておくと、空気中の微生物が落ちて入ることもあります。容器のふたを開けっぱなしにしないことも、入り口をふさぐことにつながります。
防腐剤が入っていても安心はできません。防腐の力を確かめる試験は、使っている間に微生物が入っても中身で増えないかを見るもので、道具の清潔さを保証するものではないからです。化粧品を使う前に手を洗い、道具も清潔なものを使うのが基本です。
ブラシの毛は、肌あたりと含みのよさで選ぶ
ブラシの毛にいちばんはなく、肌あたりと、化粧品の含みのよさで使い分けます。毛の種類ごとに、長所と短所があるからです。
化粧品の専門用語では、ブラシは筆と呼ばれます。先をそろえた毛を束ねて柄に固定したつくりで、おしろい、頬紅、口紅、アイライナー、マスカラなど、さまざまな化粧品を塗るのに使われます。毛には馬毛、山羊毛、リス毛、合成繊維などがあります。
馬毛は肌あたりがよく、なかでも胴の毛はとくにやわらかく、しなやかです。においや異物を取る下処理が欠かせない毛でもあります。山羊毛は馬毛よりこしがあり、独特の縮れのおかげで化粧品の含みがよい一方、毛が太いぶん肌あたりが強くなりがちで、毛足の短い筆には向きません。リス毛はとてもしなやかで使い心地がよいのですが、高価なので、高級品だけに使われるか、馬毛と混ぜて使われることが多い毛です。
肌あたりのやさしさなら馬毛、化粧品の含みのよさなら山羊毛、と考えると選びやすくなります。
パフのスポンジは、合成ゴムでできている
パフのスポンジは天然の海綿ではなく、合成ゴムでできているものが一般的です。長持ちし、弾力ややわらかさを調整しやすい素材だからです。
パフの形は、スポンジ状のものと、表面が起毛したものの2種類に分けられます。起毛タイプは、中にやわらかいポリウレタンなど、表面の起毛部分に綿、ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの繊維が使われます。アイシャドウのチップも同じ仲間で、ポリウレタンなどの細かい穴の多い素材でできています。
どれも細かいすき間に汚れがたまりやすい素材なので、定期的に洗って清潔に保ちましょう。
道具は化粧品ではないので、化粧品の決まりに出てこない
パフや筆、スポンジ、ビューラーは化粧品ではないので、化粧品の表示の決まりに出てきません。化粧品は体に塗って使うものと決められていて、道具は塗るためのものだからです。
化粧品の表示の業界ルールでは、化粧品の種類を、頭髪用化粧品、皮膚用化粧品、仕上用化粧品、香水・オーデコロン、その他の5つに分けています。「その他」に入っているのも、浴用化粧料、爪化粧料、リップケア化粧料、ボディパウダーで、道具の区分はありません。薬機法でも、化粧品は体に塗ったり散布したりして使うものとされています。
道具の手入れの情報が少ないのは、このためです。道具は、自分で清潔に保つものと考えましょう。
ビューラーは、金属でまぶたがかぶれることがある
ビューラーの金属が、目のまわりのかぶれの原因になることがあります。皮膚科の学会の診療ガイドラインで、目のまわりのかぶれの原因として、まつ毛エクステンションの接着剤と並んでビューラーの金属が挙げられているからです。
ビューラーは、まつ毛に物理的にくせをつける道具です。真ちゅうなどの金属でできていて、まぶたの形に曲がった上下のフレームのあいだにまつ毛をはさみ、根元からカールさせます。同じガイドラインでは、金属の中で硫酸ニッケルの陽性率が24.8%といちばん高くなっています。
アイメイクの道具は目のまわりに直接触れるもの。まぶたが赤くなったりかゆくなったりしたら、使うのをやめて皮膚科に相談しましょう。
まとめ
- パフは泡に色が出なくなるまで洗い、形を整えて陰干し。回数の決まりはなく「定期的に」です
- 化粧品に雑菌が入る入り口は手や指と空気中の落下。防腐剤があっても、道具は清潔に使います
- ブラシは専門用語では「筆」。馬毛・山羊毛・リス毛などは肌あたりと含みのよさで使い分けます
- パフのスポンジは、天然素材ではなく合成ゴムが一般的です
- 道具は化粧品の表示の区分にありません。ビューラーの金属は、目のまわりのかぶれの原因になることがあります
道具選びや手入れに迷ったら、まずは清潔に使うという基本に立ち返りましょう。
よくある質問
パフはどうやって洗えばいい?
専用の洗浄剤か石けんでやさしくもみ洗いし、泡に色がつかなくなるまで洗います。よくすすいだら、形を整えて陰干しします。
パフはどのくらいの頻度で洗う?
回数の決まりはなく、「定期的に」洗うのが基本です。使い続けるとパウダーや皮脂がついてつきが悪くなり、雑菌も増えるためです。
メイクブラシの毛はどれがいい?
どれが一番ということはなく、用途ごとに選びます。馬毛は肌あたりがよく、山羊毛はこしがあって含みがよく、リス毛はしなやかですが高価です。
ビューラーでまぶたがかぶれることはある?
あります。皮膚科の診療ガイドラインでは、目のまわりのかぶれの原因として、ビューラーの金属が挙げられています。
化粧品に防腐剤が入っていれば道具が汚れていても平気?
いいえ、防腐の力を確かめる試験は中身についてのもので、道具の清潔さを保証するものではありません。汚れた手や道具から、雑菌が化粧品に入ることがあります。
この記事で参照した情報
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「筆」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「パフ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「チップ」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「ビューラー」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「アイブロウブラシ&コーム」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「二次汚染」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「微生物汚染」
- 日本化粧品技術者会(SCCJ) 化粧品用語集「防腐効力試験」
- 日本化粧品工業会「化粧品を使うときに注意していただきたいこと」
- 日本化粧品工業会「化粧品Q&A」
- 日本化粧品工業会「化粧品を保管するときに注意していただきたいこと」
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第3項
- 化粧品公正取引協議会「化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則 別表1【種類別名称】」
- 化粧品公正取引協議会「化粧品の表示に関する公正競争規約」第3条
- 日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」(日本皮膚科学会雑誌130巻4号)
- 国民生活センター「後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害」(平成27年6月4日)
- 東京都「つけ爪やまつげエクステンションに使用する接着剤に関する商品テストを実施しました!」(2017年2月21日公表)